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秋田製ごみ置き場

2020-08-19 23:58:43 | 秋田のいろいろ
“告ぐ”」でも触れた、秋田市のごみ置き場(ごみ集積場)について。
土地によっては「ごみステーション」と称するそうだが、秋田市では一般的ではない。ただし、秋田市役所ホームページでは「ごみ集積所」が基本なものの、一部で「ごみの収集・集積所(ごみステーション)」の表記が見られる。
秋田市では集積所を「概ね15戸から20戸につき一カ所設置できます。」とのこと。乱暴に計算すれば、秋田市の世帯数は13万7千だから、20で割っても6千か所以上、集積所があるかも??

昔は、覆うものがない台だけの集積所もあれば、何もなく道端にただ積み上げただけの集積所もあった。
2014年に「秋田市ごみ集積所の設置および維持管理に関する要綱」が定められた。「ごみ集積所の形状は、ボックス型、折りたたみ型および被せネット等(ブルーシートを含む。)の3種類とする。ただし、市長がやむを得ない事由があると認めるときは、この限りでない。」とあり、今は基本的には積み上げるだけではいけなくなったらしい。

市街地では、以前は積み上げてネットやシートをかける集積所も多かったが、近年は激減している。
市が、集積所の購入や設置に補助金を出すようになり、それを利用した町内会が多いのだと思われる。

補助制度は、集積所を自作しても対象になるものの、実際に新たに設置されるものは市販品を購入する町内が多い。もちろん複数のメーカーが製造しているが、市内で圧倒的に多い製品がある。市街地に限れば、おそらく集積所の半分前後がそれではないだろうか。それが、
これ
「折りたたみ型」に該当するので、
折りたためる

たたんだ状態の中央部
上の写真で「T」型の部品を四角い枠が囲っている。その枠は右側のボルトを軸に右へ半回転させることができ、それによって、T部分が手前に倒れ、収納スペースができる仕掛け。

広げると全面がネットで囲まれ、上面のネットがめくれる作りで、そこからごみを入れる。
上の2つの写真は、別々の町内のものだが、広げた時に地際になる部分は銀色のシートになっている。ただし、製造メーカーのホームページに出ている写真は、シートがなくすべてネット。
高さ1.3メートル。幅は186センチと247センチ、広げた時の奥行きは90センチと70センチがあり、組み合わせて4タイプがあるようだ。2つ並べて設置する町内もあった。
こんな町内も
本来のネットだけでは足りないのか、青い網を足している。
これは2つのコンクリートブロックの重さで、路面や地面に固定する方式。ブロックが、枠の後部ギリギリにあるので、背面を無駄なく使えるものの、その分、条件によってはバランスを崩して後ろに倒れてしまいそうな気がしなくもない。
上の写真では、歩道の車道際に設置しているから、後ろに倒れたら車にひかれる。以前、台風で倒れたのを1つだけ見たが、それは前に倒れていた。メーカーでは、条件によってはアンカーボルト等で固定することを呼びかけている。

強固ではなさそうな作りだけど、そんなに壊れやすいというわけでもないとは思う。でも、
こんな町内も
黄色い網もあるけど、なんか枠が壊れてません?

この多数派の折りたたみ置き場、実は秋田で作られている。シールが貼ってある。
「日本機械工業株式会社」
新国道から貨物駅方向に入った、秋田市寺内字三千刈に本社がある企業。道路の防雪柵なんかも作っている。
公式ホームページによれば、これは「折りたたみ式ゴミネット NEWタウンネット」。1999-2000年のグッドデザイン賞を受賞しているので、20年以上売られていることになる。
秋田市でのシェアは圧倒的だが、全国的には分からない。「折りたたみ ゴミ置き場」で画像検索しても、他にさまざまあって見当たらない。秋田市が地元メーカーの製品をあっせん・推薦などしているのか、それとも製造元が地元で熱心に営業活動している成果なのか。


折りたたみでない、ボックス型とされる常設のごみ置き場は、スペースに余裕がある郊外部のほうが多いかと思う。町内の器用な人、あるいは大工さんが作ったような小屋状の集積所は、今も見かける。「路線バス乗り継ぎ旅」だと、徒歩移動中にバス待合所を見つけたと思ったら、ごみ置き場でぬか喜びする場面がある。
常設タイプでも、新しいものをたまに見かける。そんなに多くないが、市内に複数あるのが、
このタイプ
カキッとして丈夫そうな、全金属製。プレートがあって、
「有限会社 堀井鉄工」
これも秋田市内。勝平の新屋天秤野にある。
ホームページによれば、竿燈まつりの継ぎ竹の接続部品(タンパクと呼ぶそうだ)、赤れんが郷土館の「P」看板なども作っているが、「ゴミステーション」が主力商品。
20年ほど前から、全国に900基以上設置例があるとのこと。規格品もオーダーメイドもあるが、最低でも10万円はする。


秋田市がごみ置き場を何らかの形で「覆う」ことを求めているのは、カラスや動物に荒らされないためだろう。紹介した2タイプとも、壁はなく網で囲まれているので臭いは漏れてしまうが、通気性を良くする意図だろう。
常設タイプだと、屋根というか天面があって雨や雪が降り注がない。秋田市街地程度の積雪なら耐えられそう。でも、横は全部網なので、吹雪の時は中に積もってしまう。折りたたみ式では天面もネットなので当然。
となると、気になるのは、出したごみが濡れてしまうこと。回収・処分されるものだからいいのだろうけど、その分、重くなり、回収する人や焼却炉に、多少は負担になりそう。古紙だと、確実に重くなるから、雨の日は出すのが特に気が引けてしまう。

そもそも折りたたみ式では、資源化物の日はたたんだまま、前に置いても問題がないようにも思う。カラスたちは資源化物は狙わないはず。
でも、秋田市の決まりでは、ごみの種類を問わず覆うことを求めているようにも読めるから、厳密には広げないといけないのだろうか。
冒頭の写真を見れば、広げた中に瓶回収箱が入っている。回収業者が箱を置いていく時は、広げずに路上に置いていくので、各町内の人たちが広げて中に入れていることになる。実際には、資源化物でも広げる集積所のほうが多いのではないだろうか。

以上、秋田産、地産地消のごみ置き場でした。秋田市のごみ集積所の話は続きます

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2 コメント

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好きです川崎 愛の街 (あんなか)
2020-08-20 01:36:09
頑丈なボックスを置いてある地域は大概カラス多発地域ですね。
秋田市はカラスが多いねと言われた事があります。
もっとも湘南はトンビが多いので有名です。
ゴミ収集と言えば昔の川崎市は平日毎日回収していました。今は週二回となってるようです。
今も昔も変わらないのはゴミ収集車が市民歌「好きです川崎 愛の街」のメロディーを流すことです。
これはご当地アニメ「天体戦士サンレッド」の33話(第二期)でもネタにされていました。
このアニメ、溝口周辺をリアルに描いてるのですがかつて住んでいたアパートが丁寧に描かれていたのを見たときは驚きました。
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秋田ロマンスとか記念市民歌はあるけれど (taic02)
2020-08-21 00:39:37
そう言えば、秋田では最近、トンビを見ないような。昔は外旭川の卸売市場の駐車場を旋回したりしていました。声も長く聞いていません。
トンビは人が持っている食べ物を狙うんですよね。昔、静岡の清水で狙われたことがあり、ちょっと怖かったです。

メロディーを流して収集するとか、夜中に回収するとか、土地によってけっこう違うようですね。秋田市は防災行政無線もないので定時チャイムも流れないし、静かな街と言えるかもしれません。
秋田市は、古紙回収は先進的だったと思いますが、今はプラスチック類の分類が大雑把で、よそから来た人たちは驚くとか。
世界的にプラスチックごみが問題になってきていますから、いずれ変わっていく予感はしています。
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