JR東日本秋田支社のドアボタンの話。
奥羽・羽越・津軽線を走る701系電車において、新タイプへの更新が始まったのは、2013年末のこと。
その後、更新が進んだものの、工場(秋田総合車両センター)に入っても、必ず交換されるというわけでもないようで、今も製造当初のボタン(以下、原型)のままの編成も数本残っている。
2両編成のN16編成は未交換
原型ボタンの外側はぐいっと押さないとならない
秋田の701系は、田沢湖線用を除いて2両編成30本と3両編成11本が運行中(関連記事)。
その中で、運用範囲が狭いグループが2両×3本ある。
N36~N38編成で、申し訳程度のボックスシートが設置され、奥羽本線の新庄-秋田と秋田-弘前だけを走っている。弘前方面は1日1往復だけだし、新庄方面は利用する機会が少ないので、個人的には遭遇する機会がほとんどない編成。
N37編成。貫通扉の「N37.」の文字が太く、「ワンマン」の書体が違うのは、秋田支社の気まぐれ?
N37編成のドアボタンが違った。※写りが悪くて恐縮です。
車外
ボタン自体は車内外とも同じもの。
車内
他編成の新しいドアボタン(以下「多数派」)を見慣れた人なら、ちょっと違うと思われるかと思う。
僕の第一印象は「出っ張ってる」。ボタン自体もだし、周囲の黄色い輪も、立体感があるような、だけど平べったい感じもするような。それに、ボタンそのものが若干小さい感じも。
多数派と比較すると、
(再掲)
(再掲)
比べると、まずはボタン表面のアイコンが違う。
多数派は、エレベーターのドア開閉でよく用いられる、中央に縦線、ドアの動く方向を横にした▲で示す。平面に印刷されているはずで、指で触れるだけでは区別できないと思う。
N37編成は「<>」と「><」で、盛り上がっているので、触れて区別可能。
どちらも、ボタンが有効な時は、周囲に緑や赤のLEDが点灯する。多数派は、点灯部もボタン中央と同じ平面で、LEDの粒が見える。N37ではつるんとしてカーブ(アール)が付いていて、ほぼ均一に点灯(写真に撮ると明暗が出る)する。
その外周の黄色い部分も、多数派は外に向かって傾斜した「頂上が平らな山」みたいな作り、N37は平面部分が広く、救命用浮き輪もしくは切ったバウムクーヘン状。
多数派では、ボタン面と黄色い枠の高さがそろっているのに対し、N37ではボタンのほうが少し出っ張って、さらにアイコンが出っ張っている。
N37編成車内ボタン
また、車内側のボタンの三角柱の台座は、多数派ではボタンがない面は白いプラスチック製【18日追記・というかボタン取り付け面だけ金属で、その縁も含めて樹脂製】だが、N37ではその面も金属【18日追記・全面金属で、樹脂は見えない】。
ボタンを押すと、多数派ではコリッというかカチッという軽い感触だけで、ボタンそのものはほぼ動かない。小指でも操作できるであろう。
押したところ
N37では、ストロークがわりとあって、ボタンが戻ろうとする反動もあるので、多数派よりは押すのに力を要する。クリック感はなかったと思う。原型のゴムをかぶせたような車外ボタンに比べれば、軽いけれど。【18日補足・そういう点では、原型の車内側のボタンと共通するが、原型よりは軽くて押しやすいと思う。】
ドアボタンに求められるのは、誰でも分かって誰でも使いやすいことに尽きる。
アイコンの機能(開/閉)の分かりやすさと触覚での識別はN37のほうが良さそう。でも、ボタンの反応・操作性では多数派のほうがいいのではないだろうか。
ボタン自体の存在の分かりやすさや、大きさ(測ってないので厳密には不明)は大差ないだろう。
調べてみると、以前ちょっとだけ取り上げた、首都圏のE233系電車の一部の車外のドアボタンも同じもののようだ。
(再掲)モハE233-421。2007年製造
けっこう前から存在するボタンで、JR東日本では2種を並行して使っているようだ。
仙台地区のE721系電車の一部では、2019年頃にN37編成と同じもしくは酷似したボタンに交換された車があり、701系の一部でも交換されているとのこと。車外/車内問わず。
秋田のN37編成では、少なくとも2019年4月時点でこれに交換済み。2015年始までは原型ボタンで、2015年春にボタンが交換されているようだが、その時に既にこれだったのか、あるいはいったん多数派に交換された後、再度これに交換されたのかは分からない。
秋田地区における、ボタン交換の進捗が分からないが、原型のまま残っている編成は、いずれこれになるのだろうか。としても、既に交換済みが多いから、それらを変えない限り「少数派」になりそうだけど。
ところで、男鹿線の蓄電池電車EV-E801系。今はまだ2両×1本だけだが、今年度中に5本追加導入され、来春から本格稼働。
先日(7月末か8月頭?)、ホームで見かけた時、車外のドアボタンが以前と違う気がした。改めて確認。
今春のラッピング時
今春のボタン
落成時点から付いていたのは、701系交換後の多数派と同じボタンだった(ただし、車内側の台座は異なる)。
現在は、
N37と同じボタン!
車内側はそのままで、車外だけ交換されていた。わずか3年で交換されるとは…
やはりこれがこれからのドアボタンなのだろうか。
車外側ではアイコンの分かりづらさは(1つしかボタンがないので)大きな問題ではないし、中と外でアイコンが違うのもちょっとおかしいかも。
701系の今後の交換、EV-E801系量産車に注目。
【追記】その後、2020年12月19日には、運用区間限定でない2両編成の、N11編成とN21編成でも、このボタンに替わっているのを確認。12月31日にはN18編成も。
EV-E801系量産車は、内外ともこのボタン。
EV-E801系のG1編成の車内側も、2021年にボタンが交換されて、このボタンになった。
奥羽・羽越・津軽線を走る701系電車において、新タイプへの更新が始まったのは、2013年末のこと。
その後、更新が進んだものの、工場(秋田総合車両センター)に入っても、必ず交換されるというわけでもないようで、今も製造当初のボタン(以下、原型)のままの編成も数本残っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/98/223721c7d234e777990cce47afd9b7e9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/bf/d17653d1fd50a78e737d877770c04e49.jpg)
秋田の701系は、田沢湖線用を除いて2両編成30本と3両編成11本が運行中(関連記事)。
その中で、運用範囲が狭いグループが2両×3本ある。
N36~N38編成で、申し訳程度のボックスシートが設置され、奥羽本線の新庄-秋田と秋田-弘前だけを走っている。弘前方面は1日1往復だけだし、新庄方面は利用する機会が少ないので、個人的には遭遇する機会がほとんどない編成。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/b1/6667550972bb6ef9fe136b5164f5572c.jpg)
N37編成のドアボタンが違った。※写りが悪くて恐縮です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/88/1865c0df286e1aff3aab23795b531499.jpg)
ボタン自体は車内外とも同じもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/a2/9401165ff2439247804d2abd70cd626f.jpg)
他編成の新しいドアボタン(以下「多数派」)を見慣れた人なら、ちょっと違うと思われるかと思う。
僕の第一印象は「出っ張ってる」。ボタン自体もだし、周囲の黄色い輪も、立体感があるような、だけど平べったい感じもするような。それに、ボタンそのものが若干小さい感じも。
多数派と比較すると、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/77/c7603ad45168df331457cc7974c3bf2f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/77/0603325b937a5d3d37dd9d9cfed65505.jpg)
比べると、まずはボタン表面のアイコンが違う。
多数派は、エレベーターのドア開閉でよく用いられる、中央に縦線、ドアの動く方向を横にした▲で示す。平面に印刷されているはずで、指で触れるだけでは区別できないと思う。
N37編成は「<>」と「><」で、盛り上がっているので、触れて区別可能。
どちらも、ボタンが有効な時は、周囲に緑や赤のLEDが点灯する。多数派は、点灯部もボタン中央と同じ平面で、LEDの粒が見える。N37ではつるんとしてカーブ(アール)が付いていて、ほぼ均一に点灯(写真に撮ると明暗が出る)する。
その外周の黄色い部分も、多数派は外に向かって傾斜した「頂上が平らな山」みたいな作り、N37は平面部分が広く、救命用浮き輪もしくは切ったバウムクーヘン状。
多数派では、ボタン面と黄色い枠の高さがそろっているのに対し、N37ではボタンのほうが少し出っ張って、さらにアイコンが出っ張っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/57/6da977a76bfd0f7171fa6cbf3a6ca5bf.jpg)
また、車内側のボタンの三角柱の台座は、多数派ではボタンがない面は白いプラスチック製【18日追記・というかボタン取り付け面だけ金属で、その縁も含めて樹脂製】だが、N37ではその面も金属【18日追記・全面金属で、樹脂は見えない】。
ボタンを押すと、多数派ではコリッというかカチッという軽い感触だけで、ボタンそのものはほぼ動かない。小指でも操作できるであろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/2b/ee0b3cc5aca99c314005de50fe1b9501.jpg)
N37では、ストロークがわりとあって、ボタンが戻ろうとする反動もあるので、多数派よりは押すのに力を要する。クリック感はなかったと思う。原型のゴムをかぶせたような車外ボタンに比べれば、軽いけれど。【18日補足・そういう点では、原型の車内側のボタンと共通するが、原型よりは軽くて押しやすいと思う。】
ドアボタンに求められるのは、誰でも分かって誰でも使いやすいことに尽きる。
アイコンの機能(開/閉)の分かりやすさと触覚での識別はN37のほうが良さそう。でも、ボタンの反応・操作性では多数派のほうがいいのではないだろうか。
ボタン自体の存在の分かりやすさや、大きさ(測ってないので厳密には不明)は大差ないだろう。
調べてみると、以前ちょっとだけ取り上げた、首都圏のE233系電車の一部の車外のドアボタンも同じもののようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/13/04b60e31b7435a9a24d20e8f3ba3d182.jpg)
けっこう前から存在するボタンで、JR東日本では2種を並行して使っているようだ。
仙台地区のE721系電車の一部では、2019年頃にN37編成と同じもしくは酷似したボタンに交換された車があり、701系の一部でも交換されているとのこと。車外/車内問わず。
秋田のN37編成では、少なくとも2019年4月時点でこれに交換済み。2015年始までは原型ボタンで、2015年春にボタンが交換されているようだが、その時に既にこれだったのか、あるいはいったん多数派に交換された後、再度これに交換されたのかは分からない。
秋田地区における、ボタン交換の進捗が分からないが、原型のまま残っている編成は、いずれこれになるのだろうか。としても、既に交換済みが多いから、それらを変えない限り「少数派」になりそうだけど。
ところで、男鹿線の蓄電池電車EV-E801系。今はまだ2両×1本だけだが、今年度中に5本追加導入され、来春から本格稼働。
先日(7月末か8月頭?)、ホームで見かけた時、車外のドアボタンが以前と違う気がした。改めて確認。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/c6/f3dc3ff5c9b1787c132bfcf757f918f5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/02/fd15218f0c8338eeed88e6564867762a.jpg)
落成時点から付いていたのは、701系交換後の多数派と同じボタンだった(ただし、車内側の台座は異なる)。
現在は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/41/2f441de5a5a907091d1f01af92b57abe.jpg)
車内側はそのままで、車外だけ交換されていた。わずか3年で交換されるとは…
やはりこれがこれからのドアボタンなのだろうか。
車外側ではアイコンの分かりづらさは(1つしかボタンがないので)大きな問題ではないし、中と外でアイコンが違うのもちょっとおかしいかも。
701系の今後の交換、EV-E801系量産車に注目。
【追記】その後、2020年12月19日には、運用区間限定でない2両編成の、N11編成とN21編成でも、このボタンに替わっているのを確認。12月31日にはN18編成も。
EV-E801系量産車は、内外ともこのボタン。
EV-E801系のG1編成の車内側も、2021年にボタンが交換されて、このボタンになった。
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