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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

大雨 秋田市中央部では

2017-07-23 20:41:17 | 秋田の季節・風景
22日から、秋田県内では記録的な大雨。
幸い人的被害は出ていないようだが、由利本荘市(旧・大内町エリア)や大仙市の雄物川上流などを中心に県内全体では、河川の氾濫、家や水田の浸水、集落孤立、鉄道の運休、土砂崩れによる道路通行止めなどが発生。秋田新幹線が走る区間である大仙市峰吉川の奥羽本線では、架線柱(電化柱)が傾いてしまった。
いずれも被害が大きく、復旧に時間がかかってしまうことだろう。

秋田市内にも土砂災害警戒情報と、一部地域に避難勧告が出ていることが報道され、他地域で心配してくれている方々もいらっしゃる。情報が少なくあまり参考になりませんが、簡単にまとめておきます。
秋田市で避難勧告が出たのは、旧・雄和町エリアと、西部地区に分類される浜田、下浜、豊岩、南部の牛島、大住、仁井田、東部地区の太平、広面といった一帯。
これらでは、水浸しになって、車が通れなくなっているところもある。
秋田中央交通の路線バスは、太平・岩見三内、下北手方面は大学病院、大住・みなみ野団地線は南高校でそれぞれ折り返し。太平山へ登る仁別線や、雄物川近くを通る卸町経由新屋線は迂回運行。【23日22時追記】駅東団地線は、駅西口~城東消防署で折り返し(消防署~駅東団地運休)。消防署のほうが太平川には近く、また駅東口発着路線は影響がないようだから、川から遠い東通の住宅街の一部も浸水していたのだろうか。
河川改修前はしょっちゅうあふれていた北部の新城川流域でも避難勧告が出ているが、詳細は不明。

国土交通省「川の防災情報」ホームページのデータによる水位の変化。
・雄物川「新屋」観測所(秋田大橋下流の秋田運河分岐点付近。避難判断水位と氾濫危険水位は未設定?)
通常0.5メートル程度。※深い場所はもっと深いはず。観測機の設置位置が浅瀬ということか?
23日7時に氾濫注意水位の3.8メートルを越え、12時以降4.8メートル前後で推移。現在は微減傾向。
雄物川は河川敷が広くキャパシティは大きいもののなかなか減らず、かつ上流であれだけの被害なので、今後が心配。
・猿田川「仁井田」観測所(福島橋付近)
通常0.4メートル程度。
23日2時に避難判断水位2.5メートル、4時に氾濫危険水位2.7メートルを越え、14時に3.29メートル。以降減少中ながら、まだ氾濫危険水位。
・太平川「牛島」観測所(羽越本線橋梁付近)
通常0.6メートル程度。
23日6時に避難判断水位3.3メートル、7時に氾濫危険水位3.7メートルを越え、11時に4.18メートル。以降減少し、16時に氾濫危険なし。
したがって、秋田市内では、南部の雄物川・猿田川と東部の太平川の流域を中心に、被害が発生しているようだ。

一方、秋田市中央部。冠水などの被害は、おそらくまったく発生していない。
・旭川「中島(指定)」観測所(保戸野川反橋
通常0.6メートル程度。
23日8時の2.92メートルをピークに、6時から11時まで氾濫注意水位(2.73~3.42メートル)であったが、避難判断水位・氾濫危険水位には達しなかった。
23日15時頃、秋田北高近くの保戸野新橋。この時点で2.4メートル程度
旭川は時々ある増水よりちょっと多い程度で収まった。
考えてみれば、この上流には旭川ダムがあって、どうもそこで水量を調整できているようだ。

ほかに秋田市内を流れる雄物川水系の新城川や草生津川は、現在は心配ない水位まで下がっている。旭川も含めて、秋田市北部や中央部では、雄物川本流流域ほど雨が降らなかったおかげもあるようだ。
秋田市中央部では、22日からトータルで127ミリほどの降水。300ミリ超降った雄和や横手よりずっと少ない。
22日深夜から23日未明にかけては、1時間に10ミリ以上が降り続けたものの、昼前には止んだ。上の写真の通り、午後には薄日も差して、路面も乾いた。
秋田市中央部では、申し訳ないほど影響なく終わってしまいそう。感謝するとともに、今後のために水位データの入手方法、「○○水位」の意味などを日頃から意識しておくことにしたいものです。

【25日追記】25日付秋田魁新報によれば、今回の大雨は梅雨前線の停滞によるもので、昨今多い、線状降水帯によるものではないとのこと。

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4 コメント

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こんばんは! (秋田の4227ファン)
2017-07-23 22:55:15
夜9時前のニュースで雄和地区や協和地区、牛島・御野場地区の上空からの映像が放送されてましたが、あのような状況になっているとは思いませんでした。そしてバスの迂回の情報を知ったのも夜になって中央交通のサイトを見てからでした。
川の情報はNHKのデータ放送で見ていたので自宅近くの草生津川は大丈夫だと安心していました。
自分は昼休憩で写真より上流のポンプ場の近くで休憩しましたが濁流が凄かったです。あのような流れを見たのは昨年以来だと思います。いずれにしても『明日は我が身』で注意して生活しないといけませんね。
筆者さん?管理人さん?も安全第一で気を付けて撮影して下さい。
返信する
横手市では (りお)
2017-07-24 00:58:28
昨夜は国道が冠水したり、北上に向かう道路の法面が崩れたりしていました。JRは奥羽線と北上線が終日運休、道路も冠水して陸の孤島でした。
羽後交通のどこかの事務所?が水没しただとか、未確認の噂が駆け巡っています。
あまりに情報が少なすぎます。土日に地元の放送局が本稼働していないのが、これほど不安なことだとは思いませんでした。NHKのL字ワイプも同じ情報を繰り返し流すばかりで。
被害の程度が小さいとはいえ、あまりに福岡の時の扱いと違いすぎます。
返信する
前線がもう数インチ北にいたら (FMEN)
2017-07-24 21:50:22
旭川、草生津が溢れていたかも。
新城も河道工事してなきゃ。
茨島から仁井田はいきましたが、やばかったです。
南自動車のコースが水没していたり、新中島のファミマが白旗状態、なかでも仁井田の空港口の交差点が。

NHKはあれで頑張ってくれたかと。
仙台からのニュースをすべて秋田からにしてくれました。
仙台投げ路線に一石となればいいんですが。
むしろ問題は相撲とはいえ、全国ニュースの冷たさ。
きょうになるとみんな加計、加計だし。
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コメントありがとうございます (taic02)
2017-07-25 00:29:11
>秋田の4227ファンさん
被害にあった人や自治体ですら、なかなか被害状況をつかめなかったようです。
報道はされなかったようですが、太平川の楢山辺りでは、道路スレスレまで水が達したそうです。
ネットで雨量や水位を知ることができるようになり、スマホに各種警報が届くようになって、格段に便利な時代にはなったものの、使えない人もいるし、使えても取捨選択が必要です。(某知事が、緊急会議に遅れて言い訳めいたことを言っていましたが…)
日頃から心構えをしなければと痛感させられました。

>りおさん
そちらは大変だったことでしょう。
NHKは、昼も県域放送に切り替えていましたが、絶対的な放送時間が少なく、実質L字画面だけで情報は不十分でした。
県単位のテレビ放送では、降雨予報や河川水位はともかく、局所的な細かい情報を伝えるには、どんなにがんばっても限界があると思います。
今回は、自治体も把握や情報提供には手間取っていたようにも感じます。
個人の情報発信では信頼性や感覚に違いがあるわけですし、決め手となる情報提供手段というのはないのが事実かもしれません。

>FMENさん
そちらも大変でしたね。
空港道路入口辺りはなかなか水が引かなかったようですね。

秋田県全域ではない災害でこのような報道でしたが、仮にもっと広域な災害があった場合、(平日でも)しっかり報道してもらえるのか、不安です。
今日の全国ニュースでは、雨については佐渡に移ってしまっています。秋田では人的被害がなかったこと、全貌が把握できていないこともあるのでしょうが、よその人にとってはその程度なんでしょう。
ただ、東京であれば、ちょっと冠水したり雪が積もったりしただけで、これ以上の扱いですが…
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