広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

こまちリレー号

2017-07-26 00:35:43 | 秋田のいろいろ
22~23日の大雨により、秋田駅から内陸南部・上り方面のJR奥羽本線(秋田新幹線も含む)が被害を受けた。
線路の路盤の盛土が流出し電化柱が傾いた所があり、その場所は羽後境-峰吉川間(秋田魁新報によれば、同区間でもう1か所、被害を受けたようだ)。

24日は、秋田新幹線は減便の上、大曲折り返し。大曲-秋田で代行バスを出した。
本数が減らされたのは、大曲駅のホームの数の制約のほか、秋田新幹線の車両基地は秋田なので車両のやり繰りがつかないのかもしれない。
24日の秋田駅中央改札口。右の新幹線側は閉鎖
JR東日本の運行情報サイトや報道では、24日は秋田-大曲の奥羽本線の在来線普通列車も全便運休とされていたが、上の写真で時計の左隣、大曲方面の発車標は表示されていた。
羽後境行き
午前中から、夕方以降に羽後境行きが3本運行【27日追記・秋田発時刻は、定期列車と同じだが、本数は少ない。定期列車を間引いて羽後境止まりにした形】されることになっていた。(実際どうだったかは不明【コメント欄参照】)
通常はない「羽後境」行きが3行も表示される、珍しい光景。
Ugo-sakai
ただし、普段から平日朝には羽後境始発秋田行きの下りが1本あり、駅の構造上折り返しは可能なようだ。たしか701系の行き先表示に「羽後境」もセットされていたはず。


25日からは、秋田新幹線は未復旧ながら、在来線側は復旧。普通列車は平常運行に戻った。
秋田-大曲では、元は在来線幅の狭軌の複線だったうちの片方を新幹線幅の標準軌にし、もう片方は狭軌のままの「単線並列」。
過去のこの区間での大雪による運休の場合などは、新幹線側が先に復旧していたはずで、今回もそうなるかと思っていたのに、在来線が先とは意外。
というか、路盤が流出したのなら、素人考えではどちらの線路も同時進行で復旧しそうなものなのに。
【30日追記】30日付秋田魁新報によれば、盛り土が流出したのは新幹線側だけだったとのこと。延長70メートルに渡って崩落。

これにより、代行バスの運行は終了。
秋田新幹線は引き続き大曲発着で、1日7往復(うち下り始発は仙台-大曲)に減便。
大曲-秋田は在来線に乗ってもらうことにし、定期普通列車に加え、ノンストップの臨時快速「こまちリレー号」が運行されることになった。

「こまちリレー号」は、上り5本、下り6本設定。接続するこまちと同じ号数を名乗る。
秋田-大曲は、「こまち」では30分、在来線各駅停車では50分前後、朝に1本だけの3駅に停まる快速は43分かかる。
「こまちリレー号」は、35~48分。ただし、「こまちリレー9号」だけは大曲12時42分→秋田13時35分で53分と、各駅停車をしのぐ(?)鈍足。どこかの駅での行き違い停車が長いのでしょう。

「こまちリレー号」が設定されているところでは、基本的には定期普通列車と乗り継ぐよりも、大曲駅での待ち時間も、秋田の出発/到着時刻も優位に設定されている。
しかし、上りの午後早い22号と26号では、大曲で定期普通列車が10分以下の待ち時間で接続しており、その前にリレー号が入っている。リレー号からの乗り継ぎ時間は30分ほどあり、秋田発も15~20分ほど先で、臨時快速に時間的優位性はない。定期列車のダイヤを変えるわけにもいかないから、やむを得ないか。


事前のリリースや報道では、「こまちリレー号」の使用車両は分からなかった。
ひょっとしたら、2両編成×2本が転属してきた719系電車が使われるのかと、期待した。
でも、最低2本ないと回せないダイヤだし、2両編成では客数に対して不足そう。特急「つがる」用E751系(の予備編成)を使うほどでもないし…

結局、オールロングシートの701系の3両編成が使われた。
25日は、N10編成と、あのN29編成(踏切事故で破損した代替に、2両編成を3両化した)が充当された。
1時間以下とはいえ新幹線乗り継ぎ客をロングシートに乗せること、場合によっては座れない人も出るであろうことは、いかがなもんだろうか。
701系だったら、上記22・26号は、定期列車を増結してもよかったのでは?

秋田-大曲ノンストップの快速といえば、8月の大曲の花火の時の臨時列車として1本程度運行される列車もある。そちらは、標準軌のほうを、田沢湖線用の普通列車(701系5000番台)が走る(標準軌=standard gageの略か「SG線」とリリースに表記されることがある)。狭軌側としては今回が初めてか【26日補足・山形新幹線新庄延伸直後に、特急「こまくさ」が格下げされた快速「こまくさ」も、現在の朝の定期快速と同じ停車駅だったはず】。
この区間は、701系の最高速度である110km/hで走行でき(秋田支社管内他区間は95km/h)、力強い走りを堪能できそう。
新幹線の特急券を所持していないと乗れないといった制限はないようだから、青春18きっぷなどでも乗れるのだろう。


秋田駅の発車標は、以前は臨時列車ではメチャクチャな表示になることがしょっちゅうだったが、フルカラー表示器に更新されてからは、いつもきれいに正しく表示されていた。「快速 こまちリレー○号」もそうかと思いきや…
「快速こまちリ 26号」!
「こまちリ」って… 久々におかしな表示。
「こまち」と「リ」で表示位置が上下に少しずれている。
長い列車名の臨時列車では、このように位置をずらして2行に表示するのだが、その場合は文字が少し小さくなる。
おそらく、文字を小さくしないで、表示位置だけ2行用に設定してしまい、かつ「26号」もあって隠れてしまい、「レー」が消えてしまったのだろう。
英字では、
「Rapid Komachi No.26」
「relay」は消えたのか、意図的に入れなかったのか。でも、「Komachi relay」としたところで、英語として通用するんだろうか?

改札内の3色LEDも同じ

なお、朝早い段階では、単に「快速」だけだったようだ。
車両の行き先表示は、「快速/大曲」のものもあったらしいが、テレビに映ったのは「臨時」だった。【26日追記・ヘッドマークなどはなし】
※27日からは表示が変わった。この記事後半。ところが28日にはまた元に戻った。


「こまちリレー号」運行を知って、ネット上ではかつての「リレー号」を連想した人が見受けられた。
多かったのは、1997年の秋田新幹線開業時から首都圏で運行されていた同名の列車。そういえば、当時時刻表を見て、どうしてこんな場所で「こまち」なのか、よく分からなかった。新幹線接続を強調したかったのだろう。【26日追記・快速列車で、新幹線乗り継ぎに関わらず、誰でも乗車できた】
府中本町・八王子方面から大宮まで、武蔵野線や貨物線を通って1日数本運行されていたそうで、後に「新幹線リレー号」となり、2001年に新幹線接続にこだわらない「むさしの」となって、今も続いているようだ。【26日追記・当初は169系などボックスシートの車両が使われていた】

ほかには、秋田新幹線工事中の1996年度、特急「たざわ」の代替として、秋田-北上間で運行されていた、特急仕様キハ110系気動車による特急「秋田リレー号」も。今回の運行区間と一部重なる。【26日追記・特急だから特急料金は必要。新幹線に乗り継ぐかどうかは不問】

個人的には、リレー号といえば、1982~1985年の東北上越新幹線が大宮発着だった頃、上野-大宮で運行されていた「新幹線リレー号」。リレー号という列車名が一般化したのも、これがきっかけじゃないだろうか。【26日追記・これは新幹線の特急券を所持していないと利用できなかった。新幹線特急券と上野-大宮で有効な乗車券があれば、追加料金は不要】


7月中の完全復旧を目指すとのことで、利用者はしばしの辛抱。【26日追記】29日・土曜日始発から完全復旧することが、26日に発表された。したがって、こまちリレー号は28日までの運行。
ところで、719系。乗務員訓練の試運転は終わったらしく、側面の帯が701系と同じピンク色に替えられた(正面は黒のまま)。先週末の時点では、4両そろって、秋田車両センターの隅に置かれていた。いつ運用が始まっても良さそうな状態だと思う。
8月から営業運行開始というウワサが、以前からちらほらあるのだけど、いかに?!【28日追記】28日夜から運用が始まったとのこと。いずれまた

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16 コメント

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開通しても (FMEN)
2017-07-26 21:58:56
好評ならリレーを定時化してもいいのでは。
かなり勝手が良さそう。
大曲止まりは共倒れるから、横手や湯沢まで伸ばして。
まあ名無しでしょうがこまくさとかなんかいいかも。
719はかつて仙台福島快速で頑張った車。
秋田でもそれに期待したいですが。
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4日限定 (taic02)
2017-07-27 00:02:30
快速を運行したがらない秋田支社のこと。4日限りで終わってしまうでしょうね。

実現すれば、高速バスとともに県内都市間の便利な移動手段となるのですが。
自家用車を使いたがる秋田県民ですから、そこから変えないといけないのかもしれません。

仙台では719系は次々に運用離脱しているとのこと。秋田へさらに2編成輸送される予定もあったものの、今のところ実現していません。
とりあえずは夏祭り輸送で活躍するはずですが、その後、どうなるでしょうか。
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Komachi relay (バニラアイス)
2017-07-27 01:39:40
はじめてコメントします。
ふるさと秋田の情報を検索していてたどり着きました。
独自の視点で秋田のいまを切り取り、分析を加えられたブログに感銘しています。

「こまちリレー号」は、英語だと「Connecting (rapid) train for the Komachi super express」などとなり、電光画面右から左に流れるようにしないと表示が難しいですね。
写真に出ている表示板は、小文字表示はできるものの、右から左に流れるような設定はできないのかもしれませんね・・。
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24日の羽後境行き (かず)
2017-07-27 07:33:17
軽く20年以上前には、日中設定されていた羽後境行きを思い出しました。単行の気動車に乗った記憶があります。今回、あのような形で羽後境行きが実施されましたが、24日の22時過ぎ着の列車を見に行ったところ、4名の降車でそのまま全員が駅前に待機してたバスに乗り換え、刈和野に向かいました。電車は刈和野からの代行バスの乗客を待っての秋田への出発になったようです。
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コメントありがとうございます (taic02)
2017-07-27 19:20:42
>バニラアイスさん
はじめまして。お褒めにあずかり恐縮です。どうもありがとうございます。
秋田の今を少しでもお伝えできればと思っています。

やはり、英語ではそんなことになってしまうのですか…
表示器は、1行全体でのスクロール表示はできるかもしれませんが、列車名部分だけは、やはりできないでしょうね。
実は今日から、日本語は「レー」も欠けなく表示されるようになっており、英語の方は案の定「Komachi relay」でした。
あと1日ですが、混乱する外国人客がいないことを願っておきましょう。

>かずさん
やはり昔は羽後境行きがあったのですね。
協和方面の土地勘はないのですが、羽後交通の境営業所もありますから、交通の拠点でもあったのでしょう。
ご報告によれば、今回は通し乗車は少なかったですが、ちゃんと大曲方面とのバスが接続していたのですね。なかなかしっかり対応してくれていたのではないでしょうか。
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Unknown (暇わり)
2017-07-27 22:04:41
7月26日に東京での"BABYMETAL"のライブ行くために"こまち20号"に乗る予定が運休!!

一応前もってネットで検索していましたが、それでも分からず当日に知ることに!!

焦りました…
それでも次の"こまち22号"に乗ることが出来て、ライブにはギリギリ間に合いました(汗

普段、新幹線には乗ることはあっても、普通電車には乗ることは無いので新鮮な風景でした(先頭車両に乗ったので運転席越しに見れた)

冠水した所は泥の跡がついていて、峰吉川付近では線路の復旧工事をしていました。
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それはそれは… (taic02)
2017-07-28 00:31:13
なんとか目的は達成できたようで、とりあえずよかったですね。おつかれさまでした。
隣り合う線路とはいえ、乗った感覚はいろんな意味でだいぶ違うもので、たまには悪くないかもしれません。乗り心地・座り心地としては、イマイチでしょうけれど…

こういう場合は現場も混乱しているでしょうから、直前に駅で確認するのが確実といえば確実なのかもしれません。
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Unknown (Unknown)
2017-08-07 01:09:43
いなほリレーがあってもいいかも。
酒田止まりの便もあるので、秋田酒田間の快速便があるとある程度補完できますし、酒田までは秋田支社管内なので、調整も少なくてすみそうですし。
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酒田接続 (taic02)
2017-08-08 00:34:33
今でも、酒田でのいなほと普通列車との接続は多少考慮されてはいますが、もうちょっと羽越本線ルートを重要視してくれてもいいと思いますね。
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Unknown (Unknown)
2017-10-15 04:11:06
いなほへの補強(特に秋田-酒田間)はほしいと思います。高速バスも現状では現実的ではないですし、酒田-鶴岡-新潟間も案外アクセスがいいとは言えないのが現状なので。
羽越新幹線だって分からないですからね。

東能代や青森方面は、高速バスを補強するか列車を補強するかと言えば、高速バスのが現実的な感じですが、利便性を考慮すれば、大館を経由する形も必要なので、その折り合いもなんだか難しそう。
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