広く浅く

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通町の穴

2015-03-09 23:47:16 | 秋田の地理
時折ためになる秋田の話題を提供してくれる、秋田朝日放送の土曜朝のローカル情報番組「サタナビっ!」の7日放送分から。
視聴者からの街中の疑問を調べる「サタナビっ!調査班」は、「通町の謎の穴」について。
今回は樋口暁子さんの担当。
ちなみに、樋口さんは、フリーアナウンサーと呼ぶべきかローカルタレントと呼ぶべきか。秋田市出身の方のようで、最初はNHK秋田放送局の契約キャスターだった。(当時はまだ「アシスタント」と呼んでいた頃?)


調査依頼は、「秋田市の通町にある謎の穴は何?」というもの。
※ここで言う「通町」とは通りや商店街の通称・名称。所在地としては保戸野通町と大町一丁目の各一部であり、穴は大町側にある。

通町の一角の車道と歩道の境に、ハマナスなどが植えられて小公園風になっている土地があり、そこに軽自動車よりちょっと小さい(?)サイズの四角い穴に、グレーチング(格子状の金網)でフタをしたものが、3つ×2列の計6つ並んでいる。
(再掲)向かい側の信号柱の下付近に穴がある。植え込みに隠れて車からはあまり見えない

上の写真の反対側から。右の植え込みの中の1段高い部分が穴

Google航空写真より。赤矢印から左下に向けて6つ並ぶ四角が穴

番組内では(迷ったり悩んだりすることなく、いきなり?!)秋田市建設部道路維持課に電話で問い合わせ、(奇跡的にタイミンが良いことに?!)「ちょうど今日、業者さんが点検をするので同行していいですよ」と承諾を得て、現地で業者の人に説明を受け、穴の中へも入った。


結論を言ってしまいますが、正体は「歩道の融雪システムの心臓部」。
歩道の雪を融かす装置(ロードヒーティング)のための「空気熱源ヒートポンプユニット」の吸排気口だった。6つのうち2つが吸気用(上の航空写真で右上と左下のはず)、残り4つが排気用とのこと。
点検用出入り口も兼ねていることになるが、穴の中にグレーチングでできた階段が続いていた。(地上からも覗けば見る)

僕は依頼内容を聞いた段階で、場所は想像が付いた。
穴の役目は「ライフラインか何かの何かのための…」程度の認識だった。分かってよかった。


番組では、最初から秋田市役所に問い合わせていたが、僕はこのことが意外だった。
司会のZENさんだったか、VTRを見ている時に「(問い合わせ先は)市役所でいいの?」と言っていたけれど、それと同感。

一般に、道路の融雪装置は道路管理者の管轄。
実は通町の商店街の道路は、秋田県道と秋田市道に二分されている。
東側の通町橋から300メートル強付近の「菊谷小路(きくやこうじ)」と交わる交差点までが県管轄(秋田県道233号線)で、そこから西側が秋田市管轄。
※県道は交差点で終わるのではなく、北へ曲がって菊谷小路が引き続き233号線。
この穴があるのは、県道と市道の境となる交差点(神田線添川線が曲がる所。横断歩道は2011年秋からスクランブル化)に面している。
Googleマップより。交差点右下の緑色の部分に穴がある
穴の場所は交差点南東角、すなわち県道側だから、穴は県のものだと思っていたので、市に問い合わせたのが意外だった。

テレビでは、その穴が関与した融雪装置が設置されている範囲(=市管轄の融雪装置設置区間)が図示された。
こんな図だった。赤が秋田市管轄の融雪装置設置区間
それによれば、西側の市道全域はもちろん、県道側でも穴がある周囲も含まれていた。南側の道路(旧町名の亀ノ町側)も市道なので、その一部という位置付けで市管轄なのだろうか。

県道側の融雪装置については言及がなかったが、他に穴はないはずだから、穴がなくてもいい方法なのでしょう。
他の秋田市道でも、同様の穴がある場所は知らない。ここが特殊な方式ということなのかもしれない。



ちなみに、穴ができた(融雪装置が設置された)のは15年ほど前。通町の道路拡張工事が行われた時。
それ以前は、道が狭かった(主に歩道)のはもちろんだが、交差点が今のようなきれいな十字路ではなかった。
以前は交差点の南北方向の道は一直線ではなく、ずれて交わっている、城下町特有のカギ型の形状の交差点だった。

一直線にする工事のやり方としては、南側(竿燈大通り、旧・亀ノ町方向)の道路を西(大工町)側に広げて道路にするもの。以前、そこには小さなスーパーのようなお店(「たんけんぼくのまち」でチョーさんが住み込んでいそうな)があったのだが、そこがなくなって道路・交差点の一部にされた。
その結果、以前は道路のど真ん中だった、南側の道路の東側は空きスペースができて、そこに穴が造られたわけだ。
ストリートビューより。南側から交差点を見る
竿燈大通り方向からこの交差点に差しかかると、道路が左に緩くカーブしてから交差点に入る。これが、以前の道路形状の名残。
以前は、正面の穴のある植え込みの位置をほぼまっすぐ交差点に入り、先の菊谷小路はやや左前に続いていた。

この付近の2024年の風景

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