広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

奥羽北線 春の増結

2023-05-07 22:24:55 | 秋田のいろいろ
連休中の土崎駅へ入線する、奥羽本線上り・秋田行き普通列車。
堂々の5両編成
秋田地区(奥羽、羽越、津軽各線)の701系電車は、2両で1セットの編成と、3両で1セットの編成があり、それぞれでローテーションして運用される。
2016年以降、事故廃車や利用減への対応と思われる減車があり、2両編成での運用がいくらか増えた。その結果、3両編成や、複数編成を組み合わせた4両以上で運行される列車は、かなり少なくなってしまった印象を受ける。そもそも、元から2両編成のほうが数が多く、3両以上の運行は少なかったのだけど。

2019年末の記事の後、2023年春時点で変化はないはずで、再掲すると以下の状況。
運用離脱3両編成(1本) N5
3両編成(11本) N1~N4、N6~N10、N13、N101
2両編成(30本) N11、N12、N14~N38、N102~N104 ※N36~38は一部ボックスシート改造で別運用。【2024年10月16日追記・2024年3月ダイヤ改正から、ボックス付き(セミクロスシート)編成の運用が、オールロングシート編成と共通となった模様。】
この他、元は上記と共通運用で、途中で仙台へ転出した2両編成(2本) N105、N106

冒頭の写真は、弘前13時27分→秋田16時02分の列車番号1656M。
本来は、2両編成+2両編成の4両編成での運行だが、4月半ばから5月初めにかけては、連日、2両編成+3両編成(3両が後ろ)の5両編成に変更されていた。
ちなみに、この列車は、2000年代後半辺り~2022年春(2021年春かも?)までは、常時、5両編成。2000年代時点では、大館までは2両で、大館で後ろに3両を連結していた(その後は不明)。
別の日の1656Mを手形陸橋から

同じ期間、秋田から青森方面の奥羽本線(いわゆる奥羽北線)では、ほかにも同様の増結が実施された。
2023年では、秋田駅を発着する列車で確認できた限りでは、
1643M 秋田7時27分→弘前10時10分 4両→5両(弘前寄りが3両編成)
1663M 秋田13時35分→弘前16時11分 2両→4両

652M 青森10時39分→秋田14時01分 2両→4両
1656M 弘前13時27分→秋田16時02分 4両→5両(弘前寄りが3両編成)
1663Mは、通常は秋田→大館はワンマン運転(客が少なくなる大館→弘前は車掌が乗るらしい)。ワンマン運転できない4両編成では、当然、秋田から車掌が乗る。
【10日コメントいただき追記】
5両編成は、1656Mで秋田到着後、1679M 秋田18時10分→東能代19時21分。翌朝1624M 東能代6時14分→秋田7時17分、1656Mで弘前へ、と車両基地へ入らずに東能代へ往復して、再び弘前へ向かう運用のようだ。となると、ほかのどこかで3両編成を差し替えて、秋田の基地へ入れることが行われていそう。

【10日追記】昨年だったか一昨年だったかは、1656Mの増結が3両編成で、5両で運転された年があった。1643Mがどうだったかは不明。


増結の目的は、弘前さくらまつりへの対応。
といっても上記4列車が、花見客で混雑するということではなく、弘前周辺で運行される列車(青森~弘前など)の増結に使う編成を、車両基地がある秋田から送り込んで/秋田へ戻すために、増結しているのだと思われる。
2023年は、弘前周辺で701系による臨時列車の増発はない(他形式はあり。後述)ので、送り込んだ編成を、定期列車へ増結して花見輸送をまかなっていることになろう。
昔から、このような形での送り込みのための増結があったのか知らないが、あまり印象がない。ここ数年、701系の総運用数が減ったので、通常ローテーションの青森側分ではやり繰りできなくなって、追加分の投入として行われるようになったのかもしれない。

ネットでリアルタイムで編成数が分かるJR東日本の運行列車位置情報サービス「どこトレ」によれば、秋田→弘前は5月6日(土曜日)から、青森・弘前→秋田は5月7日(日曜日)から、それぞれ増結がなくなっている。まだ連休中なのに。
今年の弘前さくらまつりは4月21日~5月5日(早咲きのため、先立って4月15日から「準まつり体制」)。だから、まさにさくらまつり期間に合わせた増結だったことになる。連休最後の帰省客のUターンへの対応ができるのか心配になるけれど。


JR東日本秋田支社管内では、8月末の大曲の全国花火競技大会の輸送が大規模。秋田支社の車両フル稼働といった感じで、奥羽北線では減車されたこともあった。でもそれはひと晩のこと。
弘前さくらまつりは、半月以上の長期。他の列車・他の区間への影響や、点検整備のスケジュールを考慮して、車両をやり繰りしないといけないだろうから、秋田支社の車両運用担当者にとって、頭の悩ませどころであり、腕の見せどころなのでしょう。


ところで、弘前には、五能線のGV-E400系電気式気動車も乗り入れる。
津軽線でも使われるため、その送り込みを兼ねて、奥羽本線の弘前~青森の普通列車1往復にも充当される。通常は2両編成だが、さくらまつり対応で4両に増結されていたようだ。また、4月21~23日、5月1日、4日には、青森発弘前行きの臨時快速(無名)にも使われた。
さらに、秋田側では、クルーズ船客の輸送列車(秋田~土崎~貨物支線・秋田港)にも使われ、GV-E400系も忙しいと思ったが、違った。津軽線の蟹田~三厩間が、豪雨被害により2022年8月から運休中で、むしろヒマなようだ。【12日訂正・津軽線の途中・蟹田駅までは通常通りの運用があるので、車両の運用数=“拘束時間”としては全線運転時と変わっていないかもしれません。】

そんなGV-E400系も、車両基地は秋田にあるため、入出庫のために奥羽本線・東能代~秋田間でも、1日2往復運行される。
東能代13時50分→秋田14時56分の1654Dは、1両での運行なのだが、5月5日だけは、
土崎駅にて。堂々のGV-E400形×2両編成!
2021年の連休明けには、このダイヤが3両だか4両だか、ものすごく長い編成で運行された日があった。【12日補足・どこトレを見る限り、2023年はそのようなことはなかった。】


弘前さくらまつりと関係ない、秋田近郊の利用者としては、おこぼれの増結はうれしい(回送扱いでないのが何より)。通常は立つのを覚悟する列車でも、増結時は(車両を選べば)ゆったりと座れるのだから。
連休後半のとある日の1656Mの秋田市内区間は、普通の土日と比べると、客は多いが、全員が座れる程度。秋田駅まで乗って新幹線に乗り換える人たちも多そうだが、泉外旭川駅でかなりの下車があったのに驚いた。車掌が集札に手間取って、秋田到着が2分少々遅れるほど。
日帰りのお出かけから帰宅するような風情の皆さんが多く、車掌に精算してもらっていた人(=無人駅から乗車)もいた。どこへ何しに行っていたのだろう。

翌2024年の春の増結
コメント (8)
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