年末年始の路線バス。※ここでは一般路線バスを指し、高速バスや空港リムジンバス等は除外します。
2013年1月にまとめたように、全国的に(初詣などの名所でない限り)何らかの減便がされるのが一般的。
しかし、その期間や方法は、かなりばらつきがあった。各地の実情に合わせたのか、各事業者の慣習なのか。
驚いたのは、山形県の山交バスでは、元日は蔵王行き以外の全路線が全便運休になること。1月1日の山形市では、ほぼまったくバスが動かない。今年2021年も同じ。
20年少し前は、1月1日はどの店もお休みで、初売りは2日以降だった。1990年代後半頃にそれが1日に前倒しされたが、近年はまた1日は休む傾向。今年は新型コロナウイルスで、外出自粛とか初詣や初売りの分散化もある。世の中の変化、バス会社側の事情、落としどころは難しそう。
この年末年始の秋田周辺をざっと見ると、これまでとほぼ変わらない事業者も多い一方、ダイヤ変更期間を拡大したところも。山形県沿岸部の庄内交通では、12月30日から1月5日(火曜日)まで、土日祝ダイヤ等を適用。
すごいのは秋田県の羽後交通。コロナ対策とそれによる需要減少、加えて働き方改革の推進として、12月26日から1月11日まで日祝ダイヤを適用(日曜と祝日があるので実際には9日まで)。実に17日連続。12月だったかもっと前だったか、国がコロナ対策として年末年始休暇を分散するように各業界へ働きかけたことがあったが、全般に反応は薄かったと思う。羽後交通はそれに応えたということか。
さて、秋田市の場合。繰り返しになるが、
秋田市交通局(秋田市営バス)時代は、12月30日~31日は土日ダイヤ、31日は夜遅い便は全便運休。3が日は土日ダイヤとは違う「特別ダイヤ」で運行。特別ダイヤの中でも、1日は運休となる便が多く、2・3日よりも本数は少ない。
秋田中央交通移管後も、当初は同じだったが、2010年末から変わった。
土日ダイヤの一部の便に「□」印を付記。その便を運休としたものを「特別ダイヤ」とした。ダイヤ編成と告知掲示の手間が省けるから、よく考えたものだ。
その適用日は、なし崩し的に拡大。当初は3が日だったのが、今回は12月29日から1月3日まで、年末年始期間まるまる、6日間適用となった。
一方、ベースとなる通常ダイヤでは、減便が繰り返された。特に土日ダイヤでは、全便運休(平日のみ運行)となる路線・系統、3分の2程度削減の大幅減便路線(2019年10月)もあった。
市営バス時代の感覚では、特別ダイヤではかなり減便されていた。普段は毎時3本ある路線が毎時1本以下になるような感じ。
じゃあ現在は?
昔と同じ感覚で時刻表を見ると、思ったより多い、つまり□印便が少ないなという感想。
ベースのダイヤが削られてしまったから、それをさらに削る余地が減ったということか?
検証してみる。
極寒の元日午後の竿燈大通り。臨海営業所発秋田駅西口行き
その前に、秋田市内を走る1日当たりの路線バスの本数=便数(市街地循環、空港、高速、郊外、羽後交通を除く)ってどのくらいだと思います?
秋田市の路線バスは秋田駅一極集中だから、秋田駅の西口と東口を発着する本数をカウントすれば、かなり近い数が分かるはず。※秋田駅を「経由」する路線や駅発駅行きの環状線などは、重複してカウントされてしまう。
川反入口には秋田駅へ向かう全便をまとめた時刻表も掲出されていた(駅経由各方面も重複掲載する)
結果発表。※以下、個人の計数ですから、正しい数値ではありません。
現行の2020年10月改正では、
時刻表を見ると、□印が付けられた便は、朝と夜のほうが多い。市営バス時代の大みそか夜や、今の弘南バスもそうしているように、昼はある程度本数を残すというやり方か。
そこで、秋田駅に10時00分~15時59分の間に発着する便のみをカウント。
山王二丁目上り。新国道経由秋田駅行き時刻表
主だった路線ごとに簡単に見ておく。※面倒なので、原則駅発の下り便のみを見ます。
・新国道経由土崎方面 土日35本→年末年始17本
半分ちょっと減。営業所が違って勤務態勢の関係もあるのか、五城目線は1往復しか減便されない。
・寺内経由土崎/将軍野方面 土日25本→年末年始14本
通常の土日ダイヤが大幅減便されていたが、年末年始は新国道よりも緩い44%減。
・神田線 土日21本→年末年始10本
・秋田温泉線・仁別線 土日18本→年末年始11本
・手形山団地線 土日12本→年末年始6本 ここも通常の土日が大幅減だったが、さらに半分。
・牛島(旧道+柳原・国道)方面 土日28本→年末年始21本
牛島方面も通常の土日はかなり減便されていた。年末年始減便は25%と少なめ。柳原経由は御野場団地が全休、大住みなみ野は全便運行。
ちなみに、特別ダイヤは、ほぼすべての路線が20時頃で終わってしまう中、上りの牛島経由の仁井田御所野線だけはとりわけ遅くまで走り、イオンモール秋田20時00分→西口20:32(→長崎屋車庫)、イオンモール秋田21時00分→西口21:32(→県庁車庫)が、全方面の特別ダイヤの中で最後から2番目と最終便。それだけの需要があるのか。
・新屋線 土日21本(うち4本卸町経由)→年末年始13本(卸町経由全休)
・割山線 土日18本(うち3本船場町経由)→年末年始11本(船場町経由全休)
・新屋西線 土日23本(うち8本県営住宅経由)→年末年始14本(県住経由4本)
新屋方面3路線は、どれも4割弱の減。それでも新屋西線の昼間は1時間に2本運行される時間も。
結論としてはまちまち。
年末の夕方に、新国道経由、泉ハイタウン線、大住・みなみ野団地線のそれぞれ上りに乗ってみたが、どれも思ったより乗客がいた。でも、2日夕方の手形方面からの上りは、各路線ほぼ乗客なし。やはりまちまち。
最後に、少し前のダイヤと比較。土日大幅減便もまだなかった2013年10月と、秋田駅『西口着』に限定して比較。
7年前は、今の1.5倍程度もバスが走っていたのか。そして7年前の土日と今の平日が同じ便数。数値で見せられると衝撃。
2013年1月にまとめたように、全国的に(初詣などの名所でない限り)何らかの減便がされるのが一般的。
しかし、その期間や方法は、かなりばらつきがあった。各地の実情に合わせたのか、各事業者の慣習なのか。
驚いたのは、山形県の山交バスでは、元日は蔵王行き以外の全路線が全便運休になること。1月1日の山形市では、ほぼまったくバスが動かない。今年2021年も同じ。
20年少し前は、1月1日はどの店もお休みで、初売りは2日以降だった。1990年代後半頃にそれが1日に前倒しされたが、近年はまた1日は休む傾向。今年は新型コロナウイルスで、外出自粛とか初詣や初売りの分散化もある。世の中の変化、バス会社側の事情、落としどころは難しそう。
この年末年始の秋田周辺をざっと見ると、これまでとほぼ変わらない事業者も多い一方、ダイヤ変更期間を拡大したところも。山形県沿岸部の庄内交通では、12月30日から1月5日(火曜日)まで、土日祝ダイヤ等を適用。
すごいのは秋田県の羽後交通。コロナ対策とそれによる需要減少、加えて働き方改革の推進として、12月26日から1月11日まで日祝ダイヤを適用(日曜と祝日があるので実際には9日まで)。実に17日連続。12月だったかもっと前だったか、国がコロナ対策として年末年始休暇を分散するように各業界へ働きかけたことがあったが、全般に反応は薄かったと思う。羽後交通はそれに応えたということか。
さて、秋田市の場合。繰り返しになるが、
秋田市交通局(秋田市営バス)時代は、12月30日~31日は土日ダイヤ、31日は夜遅い便は全便運休。3が日は土日ダイヤとは違う「特別ダイヤ」で運行。特別ダイヤの中でも、1日は運休となる便が多く、2・3日よりも本数は少ない。
秋田中央交通移管後も、当初は同じだったが、2010年末から変わった。
土日ダイヤの一部の便に「□」印を付記。その便を運休としたものを「特別ダイヤ」とした。ダイヤ編成と告知掲示の手間が省けるから、よく考えたものだ。
その適用日は、なし崩し的に拡大。当初は3が日だったのが、今回は12月29日から1月3日まで、年末年始期間まるまる、6日間適用となった。
一方、ベースとなる通常ダイヤでは、減便が繰り返された。特に土日ダイヤでは、全便運休(平日のみ運行)となる路線・系統、3分の2程度削減の大幅減便路線(2019年10月)もあった。
市営バス時代の感覚では、特別ダイヤではかなり減便されていた。普段は毎時3本ある路線が毎時1本以下になるような感じ。
じゃあ現在は?
昔と同じ感覚で時刻表を見ると、思ったより多い、つまり□印便が少ないなという感想。
ベースのダイヤが削られてしまったから、それをさらに削る余地が減ったということか?
検証してみる。
極寒の元日午後の竿燈大通り。臨海営業所発秋田駅西口行き
その前に、秋田市内を走る1日当たりの路線バスの本数=便数(市街地循環、空港、高速、郊外、羽後交通を除く)ってどのくらいだと思います?
秋田市の路線バスは秋田駅一極集中だから、秋田駅の西口と東口を発着する本数をカウントすれば、かなり近い数が分かるはず。※秋田駅を「経由」する路線や駅発駅行きの環状線などは、重複してカウントされてしまう。
川反入口には秋田駅へ向かう全便をまとめた時刻表も掲出されていた(駅経由各方面も重複掲載する)
結果発表。※以下、個人の計数ですから、正しい数値ではありません。
現行の2020年10月改正では、
平 日 西口発501、西口着506、東口発47、東口着50 計1104本
土 日 祝 西口発335、西口着332、東口発37、東口着37 計741本(平日の約33%減)
年末年始 西口発196、西口着205、東口発20、東口着21 計442本(平日の約60%減、土日祝の約40%減)
なるほど。年末年始特別ダイヤは、平日と比べると半分以下だが、土日の6割は確保されている。土 日 祝 西口発335、西口着332、東口発37、東口着37 計741本(平日の約33%減)
年末年始 西口発196、西口着205、東口発20、東口着21 計442本(平日の約60%減、土日祝の約40%減)
時刻表を見ると、□印が付けられた便は、朝と夜のほうが多い。市営バス時代の大みそか夜や、今の弘南バスもそうしているように、昼はある程度本数を残すというやり方か。
そこで、秋田駅に10時00分~15時59分の間に発着する便のみをカウント。
平 日 西口発221、西口着215、東口発21、東口着22 計479本
土 日 祝 西口発159、西口着159、東口発17、東口着18 計353(平日の約26%減)
年末年始 西口発106、西口着107、東口発11、東口着10 計234(平日の約51%減、土日祝の約34%減)
やはり昼間のほうが本数は多い。土 日 祝 西口発159、西口着159、東口発17、東口着18 計353(平日の約26%減)
年末年始 西口発106、西口着107、東口発11、東口着10 計234(平日の約51%減、土日祝の約34%減)
山王二丁目上り。新国道経由秋田駅行き時刻表
主だった路線ごとに簡単に見ておく。※面倒なので、原則駅発の下り便のみを見ます。
・新国道経由土崎方面 土日35本→年末年始17本
半分ちょっと減。営業所が違って勤務態勢の関係もあるのか、五城目線は1往復しか減便されない。
・寺内経由土崎/将軍野方面 土日25本→年末年始14本
通常の土日ダイヤが大幅減便されていたが、年末年始は新国道よりも緩い44%減。
・神田線 土日21本→年末年始10本
・秋田温泉線・仁別線 土日18本→年末年始11本
・手形山団地線 土日12本→年末年始6本 ここも通常の土日が大幅減だったが、さらに半分。
・牛島(旧道+柳原・国道)方面 土日28本→年末年始21本
牛島方面も通常の土日はかなり減便されていた。年末年始減便は25%と少なめ。柳原経由は御野場団地が全休、大住みなみ野は全便運行。
ちなみに、特別ダイヤは、ほぼすべての路線が20時頃で終わってしまう中、上りの牛島経由の仁井田御所野線だけはとりわけ遅くまで走り、イオンモール秋田20時00分→西口20:32(→長崎屋車庫)、イオンモール秋田21時00分→西口21:32(→県庁車庫)が、全方面の特別ダイヤの中で最後から2番目と最終便。それだけの需要があるのか。
・新屋線 土日21本(うち4本卸町経由)→年末年始13本(卸町経由全休)
・割山線 土日18本(うち3本船場町経由)→年末年始11本(船場町経由全休)
・新屋西線 土日23本(うち8本県営住宅経由)→年末年始14本(県住経由4本)
新屋方面3路線は、どれも4割弱の減。それでも新屋西線の昼間は1時間に2本運行される時間も。
結論としてはまちまち。
年末の夕方に、新国道経由、泉ハイタウン線、大住・みなみ野団地線のそれぞれ上りに乗ってみたが、どれも思ったより乗客がいた。でも、2日夕方の手形方面からの上りは、各路線ほぼ乗客なし。やはりまちまち。
最後に、少し前のダイヤと比較。土日大幅減便もまだなかった2013年10月と、秋田駅『西口着』に限定して比較。
2013年10月改正 平日703、土日508(平日の28%減)、年末年始327(平日の53%減、土日の36%減)
2020年10月改正 平日501、土日332(平日の34%減)、年末年始205(平日の59%減、土日の38%減)
2013年と2020年の同日ダイヤでの比較 平日 202本28.7%減、土日祝 176本34.6%減、年末年始 122本37.3%減
2020年10月改正 平日501、土日332(平日の34%減)、年末年始205(平日の59%減、土日の38%減)
2013年と2020年の同日ダイヤでの比較 平日 202本28.7%減、土日祝 176本34.6%減、年末年始 122本37.3%減
7年前は、今の1.5倍程度もバスが走っていたのか。そして7年前の土日と今の平日が同じ便数。数値で見せられると衝撃。