秋田と首都圏(東京)の移動で代表的な公共交通機関といえば、航空機か秋田新幹線。新幹線「こまち」を使って、いかに安く出かけるかについて。
なお、秋田-羽田の航空機は正規料金は24770円だけど、16770円程度(もっと安い場合も)まで安くなる模様。
「こまち」の秋田-東京の片道通常料金は、乗車券9560円+指定席特急券7250円=16810円(通常期)。
※乗車券を往復で購入すると1割引、特急券をえきねっと予約・券売機受取すると700円引きになる
JRでは割安な企画乗車券、いわゆる「トクトクきっぷ」を発売している。
2010年末の東北新幹線の新青森開業以前は、「こまち東京フリーきっぷ」という、新幹線(または寝台特急「あけぼの」)での東京往復と、滞在中に首都圏のJRがフリー乗降できるきっぷが出ていた。
首都圏では取手、成田、高尾、久里浜など広範囲がフリーエリアなので、行き先によっては利用価値が高かった。7日間有効で28100円なので、単純に往復だけで計算すると正規の16%引きくらいになる。
しかし新青森開業時に、JR東日本全体で企画乗車券の見直しが行われ、このきっぷも廃止された。
代わりに「東京週末フリー乗車券」というのが出たが、その名の通り週末しか利用できず(2日間有効)、特急料金は別払い。
計算してみると、東京週末フリー乗車券13500円+(指定席特急券7250円×2)=28000円で、こまち東京フリーきっぷ並み。
特急券を工夫(えきねっと割引や上野や大宮までにする等)すれば以前より安くはなるが、いかんせん平日は使えない。
では、平日に首都圏に滞在したい場合は?
まず、JR東日本の旅行代理店「びゅうプラザ」の旅行商品で、宿泊と新幹線往復がセットになった「TYO」がある。ホテルは場所もクラスいろいろあり、かなり安いものもある。
会員登録などは不要だから、ある意味これがいちばん手軽で安くて便利かもしれない。
ほかには金券ショップとか株主優待券とかあるようだけど、よく分からないので省略。
残るは、今の「こまち」の割引の主力である「えきねっとトクだ値」。
上記、JR東日本の予約サイト「えきねっと」で扱っている列車・席数・区間限定の割引きっぷ。現在は乗車券と特急券がセットになって割り引かれる。
秋田新幹線「こまち」の場合は、秋田と仙台、大宮、上野、東京の間で全列車に毎日設定されているようだ。
割引率は区間や曜日によって異なる。
こまちの割引率は高めに設定されていて、乗車券・特急券分とも通常料金から平日は20%引き、土休日は25%引き。(この年末年始は10%引きに引き下げられた)
通常期の場合、東京まで平日13440円、休日12600円とかなり安くなる。
学割だと乗車券分しか2割引にならないから、学割よりもトクだ値の方が得になる。
念のため、秋田から新潟回りの場合や北上または新庄まで普通列車で出て新幹線(トクだ値)を利用する場合で計算してみたが、その場合よりも安いか同程度。
秋田と首都圏を新幹線で行き来するなら、トクだ値がベストのようだ。
ただし、発売数に限りがあり、クレジットカード番号の登録と決済が必要で、発売は当日の深夜1時40分まで(発車直前では予約できない)、受け取り後の変更ができず、乗り遅れても救済措置がないといった点には注意。
【17日追記】きっぷ受け取り後の払い戻し手数料が高い(割引額と同額)点、秋田駅以北・以南の各駅(土崎・八郎潟、男鹿、羽後牛島・羽後本荘方面)から利用する際は別に各駅-秋田間のきっぷが必要な点も注意。
【2015年8月22日追記】この記事アップ後、何度か部分的な変更が行われている。この当時は指定列車に乗り遅れたら一切無効だったのが、2015年に「料金券部分は無効」「乗車券部分のみ乗車日当日に限り有効」に改められた。
以下、いくつか関連情報。
●途中駅からでは?
トクだ値は秋田側では秋田駅発着しか設定されていない。途中の各駅からはどうするのか?
その場合も、秋田発着のトクだ値を購入して、途中駅で乗り降りすればいい。(それ以前/以降の区間は無効になる)専門用語で「内方乗車」というヤツかな。
当然ながら割引率は下がってしまうものの、損にはならない。
大曲駅から東京までの正規料金は16170円、平日20%引きの秋田発着トクだ値だと16.9%引き。
いちばん盛岡寄りの停車駅、雫石駅だと正規料金15030円に対して10.6%引きとなる。
ちなみに、盛岡発着のはやて・やまびこのトクだ値が平日10%引きだから、雫石では大差がないようになっている。おそらくその辺りも考慮に入れて価格設定しているのだろう。
●大宮か上野か東京か
秋田から首都圏へ行く場合、どこで乗り降りするかが問題。
東京駅でなく、目的地によっては大宮や上野で乗降した方が便利なこともある。
また、特急料金の節約のために、あえて上野や大宮で新幹線を乗降して、在来線に乗り換えるという選択肢もある。
ご存じの方もおられると思うが、JR東日本の各新幹線の各駅から東京駅までの特急料金は、「上野までの特急料金プラス200円」に設定されているのだ。
上野-東京間の建設に費用がかかったので、その分を上乗せして負担している(させられている)ということらしい。
ちょっとの区間を乗るだけに200円も払うのが惜しくて、僕は極力上野で乗降している。※朝夕のラッシュの山手線などには乗りたくないし、上野駅の地下ホームから地上へ出るのも面倒といえば面倒ではありますが。
正規料金を単純に割り引いているトクだ値でも上野で降りれば、東京発着よりも150~160円安くなる。
ところで、トクだ値では東京発着、上野発着とも、乗車券部分は「秋田-東京都区内」となっている。
「東京都区内」とは、中央線の西荻窪、京浜東北線の蒲田、京葉線の葛西臨海公園、総武線の小岩などより内側の各駅。
つまり、新幹線を上野・東京どちらで降りるにしても、駅(在来線の改札口)の外に出なければ「東京都区内」に該当する各駅までなら、普通列車で移動できるのだ。
したがって、上野までのトクだ値でも、上野駅の外に出なければ、山手線や京浜東北線に乗って東京駅まで追加料金なしで行くこともできるし、新宿へも渋谷へも追加料金なしで移動できる。
なお、トクだ値の上野発着と大宮発着の差額はわずか400円。大宮発着は乗車券部分も大宮まで/から。都区内まで乗車できる点を考えれば、上野発着がいちばんお得な気がする。
●東京より先へ
秋田から例えば熱海とか静岡とか、首都圏より先へ行く場合。
需要が少ないのかこうしたエリアへの秋田発着の企画乗車券はない。JRの乗車券は遠距離ほど割安になるから、あまり悩まずに「秋田から目的地まで通しの乗車券(+各特急券類)」を購入した方がいいというか、そうするしかないと思っていた。
しかし、特急券も含めて2割以上も安くなるトクだ値の存在を考慮すると、「秋田から東京までのトクだ値+東京から目的地までの乗車券」という組み合わせも考えられる気がしてきたので、試算。
※以下、東京以遠の特急料金(東海道新幹線など)は一律に無視して計算しています。平日通常期。
・熱海までの場合
正規料金:秋田~熱海乗車券10500円+秋田~東京新幹線7250円=17750円
トクだ値:秋田~東京2割引13440円+東京~熱海乗車券1890円=15330円(13.6%2420円引き)
・静岡までの場合
正規料金:秋田~静岡乗車券11030円+秋田~東京新幹線7250円=18280円
トクだ値:秋田~東京2割引13440円+東京~静岡乗車券3260円=16700円(8.6%1580円引き)
やはり、東京までトクだ値を使った方が、駅弁とおみやげが買えるくらいは得になる。(計算しなかったですが、もっと遠くだと、かえって損になるでしょう)
企画乗車券が設定されていない区間であることを踏まえれば、なかなかの割引率ではないだろうか。
※記事中の運賃・料金は一例です。間違い(やその後の変更)があるかもしれません。利用にあたっては公式な最新情報を参照の上、ご自身で判断願います。
※利用した際の記事はこちら
【2012年3月4日追記】2012年4月からは、内容が変更される。
乗車日の13日前までに予約すれば割引率が30~35%になり、以降は10~15%引き。予約日と乗車列車によって、割引率が変わることになる。
また、4月20日までは、秋田新幹線開業15周年を記念して、半額になる「えきねっとトクだ値スペシャル」も発売。(1日上下各3本の列車限定・13日前まで予約)
なお、秋田-羽田の航空機は正規料金は24770円だけど、16770円程度(もっと安い場合も)まで安くなる模様。
「こまち」の秋田-東京の片道通常料金は、乗車券9560円+指定席特急券7250円=16810円(通常期)。
※乗車券を往復で購入すると1割引、特急券をえきねっと予約・券売機受取すると700円引きになる
JRでは割安な企画乗車券、いわゆる「トクトクきっぷ」を発売している。
2010年末の東北新幹線の新青森開業以前は、「こまち東京フリーきっぷ」という、新幹線(または寝台特急「あけぼの」)での東京往復と、滞在中に首都圏のJRがフリー乗降できるきっぷが出ていた。
首都圏では取手、成田、高尾、久里浜など広範囲がフリーエリアなので、行き先によっては利用価値が高かった。7日間有効で28100円なので、単純に往復だけで計算すると正規の16%引きくらいになる。
しかし新青森開業時に、JR東日本全体で企画乗車券の見直しが行われ、このきっぷも廃止された。
代わりに「東京週末フリー乗車券」というのが出たが、その名の通り週末しか利用できず(2日間有効)、特急料金は別払い。
計算してみると、東京週末フリー乗車券13500円+(指定席特急券7250円×2)=28000円で、こまち東京フリーきっぷ並み。
特急券を工夫(えきねっと割引や上野や大宮までにする等)すれば以前より安くはなるが、いかんせん平日は使えない。
では、平日に首都圏に滞在したい場合は?
まず、JR東日本の旅行代理店「びゅうプラザ」の旅行商品で、宿泊と新幹線往復がセットになった「TYO」がある。ホテルは場所もクラスいろいろあり、かなり安いものもある。
会員登録などは不要だから、ある意味これがいちばん手軽で安くて便利かもしれない。
ほかには金券ショップとか株主優待券とかあるようだけど、よく分からないので省略。
残るは、今の「こまち」の割引の主力である「えきねっとトクだ値」。
上記、JR東日本の予約サイト「えきねっと」で扱っている列車・席数・区間限定の割引きっぷ。現在は乗車券と特急券がセットになって割り引かれる。
秋田新幹線「こまち」の場合は、秋田と仙台、大宮、上野、東京の間で全列車に毎日設定されているようだ。
割引率は区間や曜日によって異なる。
こまちの割引率は高めに設定されていて、乗車券・特急券分とも通常料金から平日は20%引き、土休日は25%引き。(この年末年始は10%引きに引き下げられた)
通常期の場合、東京まで平日13440円、休日12600円とかなり安くなる。
学割だと乗車券分しか2割引にならないから、学割よりもトクだ値の方が得になる。
念のため、秋田から新潟回りの場合や北上または新庄まで普通列車で出て新幹線(トクだ値)を利用する場合で計算してみたが、その場合よりも安いか同程度。
秋田と首都圏を新幹線で行き来するなら、トクだ値がベストのようだ。
ただし、発売数に限りがあり、クレジットカード番号の登録と決済が必要で、発売は当日の深夜1時40分まで(発車直前では予約できない)、受け取り後の変更ができず、乗り遅れても救済措置がないといった点には注意。
【17日追記】きっぷ受け取り後の払い戻し手数料が高い(割引額と同額)点、秋田駅以北・以南の各駅(土崎・八郎潟、男鹿、羽後牛島・羽後本荘方面)から利用する際は別に各駅-秋田間のきっぷが必要な点も注意。
【2015年8月22日追記】この記事アップ後、何度か部分的な変更が行われている。この当時は指定列車に乗り遅れたら一切無効だったのが、2015年に「料金券部分は無効」「乗車券部分のみ乗車日当日に限り有効」に改められた。
以下、いくつか関連情報。
●途中駅からでは?
トクだ値は秋田側では秋田駅発着しか設定されていない。途中の各駅からはどうするのか?
その場合も、秋田発着のトクだ値を購入して、途中駅で乗り降りすればいい。(それ以前/以降の区間は無効になる)専門用語で「内方乗車」というヤツかな。
当然ながら割引率は下がってしまうものの、損にはならない。
大曲駅から東京までの正規料金は16170円、平日20%引きの秋田発着トクだ値だと16.9%引き。
いちばん盛岡寄りの停車駅、雫石駅だと正規料金15030円に対して10.6%引きとなる。
ちなみに、盛岡発着のはやて・やまびこのトクだ値が平日10%引きだから、雫石では大差がないようになっている。おそらくその辺りも考慮に入れて価格設定しているのだろう。
●大宮か上野か東京か
秋田から首都圏へ行く場合、どこで乗り降りするかが問題。
東京駅でなく、目的地によっては大宮や上野で乗降した方が便利なこともある。
また、特急料金の節約のために、あえて上野や大宮で新幹線を乗降して、在来線に乗り換えるという選択肢もある。
ご存じの方もおられると思うが、JR東日本の各新幹線の各駅から東京駅までの特急料金は、「上野までの特急料金プラス200円」に設定されているのだ。
上野-東京間の建設に費用がかかったので、その分を上乗せして負担している(させられている)ということらしい。
ちょっとの区間を乗るだけに200円も払うのが惜しくて、僕は極力上野で乗降している。※朝夕のラッシュの山手線などには乗りたくないし、上野駅の地下ホームから地上へ出るのも面倒といえば面倒ではありますが。
正規料金を単純に割り引いているトクだ値でも上野で降りれば、東京発着よりも150~160円安くなる。
ところで、トクだ値では東京発着、上野発着とも、乗車券部分は「秋田-東京都区内」となっている。
「東京都区内」とは、中央線の西荻窪、京浜東北線の蒲田、京葉線の葛西臨海公園、総武線の小岩などより内側の各駅。
つまり、新幹線を上野・東京どちらで降りるにしても、駅(在来線の改札口)の外に出なければ「東京都区内」に該当する各駅までなら、普通列車で移動できるのだ。
したがって、上野までのトクだ値でも、上野駅の外に出なければ、山手線や京浜東北線に乗って東京駅まで追加料金なしで行くこともできるし、新宿へも渋谷へも追加料金なしで移動できる。
なお、トクだ値の上野発着と大宮発着の差額はわずか400円。大宮発着は乗車券部分も大宮まで/から。都区内まで乗車できる点を考えれば、上野発着がいちばんお得な気がする。
●東京より先へ
秋田から例えば熱海とか静岡とか、首都圏より先へ行く場合。
需要が少ないのかこうしたエリアへの秋田発着の企画乗車券はない。JRの乗車券は遠距離ほど割安になるから、あまり悩まずに「秋田から目的地まで通しの乗車券(+各特急券類)」を購入した方がいいというか、そうするしかないと思っていた。
しかし、特急券も含めて2割以上も安くなるトクだ値の存在を考慮すると、「秋田から東京までのトクだ値+東京から目的地までの乗車券」という組み合わせも考えられる気がしてきたので、試算。
※以下、東京以遠の特急料金(東海道新幹線など)は一律に無視して計算しています。平日通常期。
・熱海までの場合
正規料金:秋田~熱海乗車券10500円+秋田~東京新幹線7250円=17750円
トクだ値:秋田~東京2割引13440円+東京~熱海乗車券1890円=15330円(13.6%2420円引き)
・静岡までの場合
正規料金:秋田~静岡乗車券11030円+秋田~東京新幹線7250円=18280円
トクだ値:秋田~東京2割引13440円+東京~静岡乗車券3260円=16700円(8.6%1580円引き)
やはり、東京までトクだ値を使った方が、駅弁とおみやげが買えるくらいは得になる。(計算しなかったですが、もっと遠くだと、かえって損になるでしょう)
企画乗車券が設定されていない区間であることを踏まえれば、なかなかの割引率ではないだろうか。
※記事中の運賃・料金は一例です。間違い(やその後の変更)があるかもしれません。利用にあたっては公式な最新情報を参照の上、ご自身で判断願います。
※利用した際の記事はこちら
【2012年3月4日追記】2012年4月からは、内容が変更される。
乗車日の13日前までに予約すれば割引率が30~35%になり、以降は10~15%引き。予約日と乗車列車によって、割引率が変わることになる。
また、4月20日までは、秋田新幹線開業15周年を記念して、半額になる「えきねっとトクだ値スペシャル」も発売。(1日上下各3本の列車限定・13日前まで予約)