フェイクニュース

　池上さんのＴＶ番組「フェイクニュース」を昨日今日と二日間で見た。取りざたされたフェイスブック発の動画を、当時に見たが、すぐに偽ニュースと思った。しかし心の中では、万が一にも、真実だったら間違いなく射殺されると思ったオイラだった。怖いより、ライオンと動物園が気の毒と思った。
　
　なぜあのような疑わしいニュースが世界を駆け回るかといえば、ノスタラダムスの大予言と同じ。
　
　昔々、私と同い年で分別もある友人がいた。違うところと言えば、彼はクリスチャンだった。あるときノストラダムスの話になった時、周りの友人は小馬鹿にしたように「あんな本買う奴の気が知れない」と言った。しかしクリスチャンの彼だけは、同意せず「真実かもしれん。みんな聖書に書いてあることだから」と真顔で答えた。オイラ達、皆シラーっと白けた気分。
　
　それから、なんとなく彼とは波長が合わなくなった。不思議なことに仲間も彼を避けるようになってしまった。
　
　私が事務所を引き払い、自宅を仕事場にする最後の日、彼が来て「もうこれからフラッと立ち寄れるところが無くなって寂しい」と言った。
　
　普通なら『自宅だけど、来いよ』と言うべきだろうが、その時は言えなかった。些細なことだけど、嘘を見抜けぬことは、こんなにも価値観が、相いれぬ差となって現れるのだ。