今日の婆さま

　妻が働くデパートは昨日がセールの最終日、連日残業で、夕食はコンビニ弁当や、持ち帰りお寿司、マックセットもありました。実はこれが、私の密かな楽しみでもあります。さて、忙しい妻に心配かけました。
　一昨日の私は朝から体調がすぐれず、無理しない程度の仕事にセーブしていました。午後猛烈な寒気に襲われ、暖房を入れようか迷ったあげく、重ね着を選んだのでした。残業を終えた妻と夕食を取りましたが、頭痛がひどく、風呂を止めて寝ることにしたのでした。布団に入っても体は温まらず、眠れなかったのでした。テレビは見たくなかったのですが、ハリーポッターのラスト１，２が録画してあったことを思い出し、目をつむって聞いていました。妻が「１は途中まで見たから・・・」と言いながらガサゴソ、私は眠ったらしい。
　妻が２を見てる頃目が覚めました。「よく寝てたよ。」と言われ、体が楽になっていることに気づきました。「そのまま朝まで寝なよ。」と夢の中で聞かされたような気がしました。
　さて、翌日はスッキリ、風邪は治ったようでした。婆さまの施設には風邪は絶対に持ち込めぬから気をつけねばなりません。
　本日午後二時を少し回ったころ、妻と施設へ行きました。婆さまはテーブルに向かっていた。おやつの時間です。ヘルパーさんが「お部屋に行きましょうね。」と婆さまと部屋に。美容院さんに髪をカットしてもらうことを話すと「金がかかるなぁ～。」と言いましたが、内心嬉しそうでした。顔そりも頼んだほうが良かったかなぁと、妻の独り言が聞こえました。
　婆さまの階には、認知症の進んだＩ子さんがいます。私をＤｒと間違え、何度も何度も、「先生、私はどうすればいいの？。」と聞かれます。我が家の婆さまとＩ子さんが隣り合わせて座っていました。帰りしなに、Ｉ子さんに「来てくれてありがとう、また来てください。」と言われました。私と妻は、我が家の婆さまとＩ子さんに、微笑み一杯、手を振って帰りました。こんなんで良いのだろうね。おしまい。