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小学校教員のときのトイレの話 ホンジュラスの風

2010年03月01日 | ホンジュラスの風
三つ目です。

小学校に教員として勤務していたときのことです。

職員室前に教師用のトイレがありました。男性教師は人数が少なく、トイレは広くありません。個室は1つでした。

ちなみに更衣室も非常に狭かったです。当然ですね。

「女性ばかりでうらやましい職場だな」
と思われる男性読者の方がいるかもしれません。

しかし、20代は僕一人だったのです。

しかも次に若い先生は30代後半。
新卒採用が著しく少ない時代でした。

というわけで、どの先生からもとても可愛がってもらえました。よい職場だったのです。

若いというので力仕事がよくまわってきました。でも、僕の体力が平均以下ということが判明すると、その声も次第に下火になりました。

ある日のことです。

休み時間に職員専用トイレで小用をたしていると、個室で水を流す音が聞こえます。

そして戸が開きました。

何と、高学年の生徒が中から出てきます。
彼は手も洗わず、僕に目を合わせることもなく、逃げるようにトイレから去っていきました。

子ども用のトイレを利用すると、他のクラスメートにからかわれるからですね。

本来なら指導をしなければなりません。
でも、事情を暗に理解した僕は、彼を追うことをしませんでした。

ホンジュラスと日本。
文化の違いが子どものトイレの行動に表れます。

ホンジュラスでは、誰もトイレで大便をすることを恥ずかしがりません。
いじめや不登校もありません。

子どもの目は生き生きとしています。

でも、小学校に通えない子どもがいます。
学費は無料です。なぜ小学校に行けないのでしょうか。

ノート類の文房具、制服などを買えない家庭があるのです。
ホンジュラスでは小学校から制服です。

子どもが親の仕事を手伝っている場合もありますが、このケースは稀です。

奨学金もありますが、ごく少数の子どものみ受け取ることができます。

国際援助で、学校軽食、ランドセルプレゼントなどがあります。
とても好評です。子どもの就学率などが一時的に向上します。
でも、限りがあるのです。

ちなみに、テレビ漬けの子はたくさんいます。
そういう子は少し目つきがボーッとしていて、言葉に対する反応がおかしかったりします。

根本的な解決をするのにはどうすればいいでしょうか。

将来、篤志を集めて、学ぶ意欲の高い子どもに奨学金を与えるNPOを立ち上げたいと考えています。

ご協力くださる方はどうぞご連絡ください。

一つお断りしておきますね。

ホンジュラスのエッセイの一部の地名は、プライバシー尊重のため変更してあります。
でも、紹介しているエピソードなどは全て実際におきたことです。
どうぞ細かい地名はあまり気になさらずお楽しみください。


多くの方に楽しい旅をしていただければと思います。
応援のクリックをどうもありがとうございます。

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