■『Understanding the Historical Landscape in its Environmental Setting』(Edited. by T.C.Smout, Scottish Cultural Press, 2002)再読
今夏、スコットランドで買ってきた本。この中で、Historic Land-use Assessment(歴史的土地利用アセスメント) にかんする記述をあらためてじっくり読んでみた。historic landscapeは人口に膾炙した概念だが、historic land-useであるのがミソ。厳密に「景観」として残っていなくても、「土地利用」として継続又は残存していれば、それはhistoric land-useということになり、保全・保護すべき対象となる。
むろん、この、historic land-useの内容を決定づける要因は「時間」である。これはいわば、土地利用としての慣性力と言ったらよいであろうか。その長短によってhistoric land-useはいくつかにカテゴライズされ、地図上にモザイク状に表示される。例えば、ここのパッチは先史時代から同じ土地利用だね、とか、このパッチは中世以降継続する土地利用だね、という具合である。
そして、面白いのは、土地利用の残り方として、大きく2種類を規定していることだ。すなわち、現在も過去と同じ土地利用がなされているタイプと、現行の土地利用(過去のそれとは異なる)の中に過去の土地利用が遺棄されて残っているタイプ、の2種類である。後者は例えば、先史時代の縦穴遺跡のようなものが農地のフィールドパターンのなかに残存しているようなケースが代表的であろう。
これをとりあえず日本でやってみようというのがねらいなのだが、built environmentという意味では、千葉県よりも京都とか奈良でやると面白いんだろうなきっと。日本は、農業的土地利用はとりあえず残ってはいるけれど、耕地整理で近世以前のフィールドパターンをあまり継承していない地域が多いのが残念である。ランドスケープ・プラニングはエコロジカルな土地利用分級一辺倒のきらいがなきにしもあらずなのでやる意味はあると思っている。
今夏、スコットランドで買ってきた本。この中で、Historic Land-use Assessment(歴史的土地利用アセスメント) にかんする記述をあらためてじっくり読んでみた。historic landscapeは人口に膾炙した概念だが、historic land-useであるのがミソ。厳密に「景観」として残っていなくても、「土地利用」として継続又は残存していれば、それはhistoric land-useということになり、保全・保護すべき対象となる。
むろん、この、historic land-useの内容を決定づける要因は「時間」である。これはいわば、土地利用としての慣性力と言ったらよいであろうか。その長短によってhistoric land-useはいくつかにカテゴライズされ、地図上にモザイク状に表示される。例えば、ここのパッチは先史時代から同じ土地利用だね、とか、このパッチは中世以降継続する土地利用だね、という具合である。
そして、面白いのは、土地利用の残り方として、大きく2種類を規定していることだ。すなわち、現在も過去と同じ土地利用がなされているタイプと、現行の土地利用(過去のそれとは異なる)の中に過去の土地利用が遺棄されて残っているタイプ、の2種類である。後者は例えば、先史時代の縦穴遺跡のようなものが農地のフィールドパターンのなかに残存しているようなケースが代表的であろう。
これをとりあえず日本でやってみようというのがねらいなのだが、built environmentという意味では、千葉県よりも京都とか奈良でやると面白いんだろうなきっと。日本は、農業的土地利用はとりあえず残ってはいるけれど、耕地整理で近世以前のフィールドパターンをあまり継承していない地域が多いのが残念である。ランドスケープ・プラニングはエコロジカルな土地利用分級一辺倒のきらいがなきにしもあらずなのでやる意味はあると思っている。