Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

HF研究会

2005-10-12 | Media
*川添登『東京の原風景』筑摩書房,1993,
巣鴨のプロジェクトのため再読。

*HF研究会「高層高密度団地における戸外空間設計資料 改訂版」1969
長らく紛失していたものを、修景社の辻野氏(当時の研究会メンバーのお一人)よりコピーをいただいた。

古いレポートのなかには、時に一級の史料としての価値を持つものがある。ここで紹介する標記文献もその一つだと思う。HFというのはおそらくHigh Flatの略であろうか。編者には、〈HF研究会〉として、横山光雄、前野淳一郎、田畑貞寿、上野泰、曽宇厚之、斉藤泰子、辻野五郎丸、金井一郎、〈公団協力者〉として、沖中健、唐崎健一、弓掛泰則、坂田導夫、村田孝、各氏のお名前が記されている。そうそうたるメンバーである。

「まえがき」にこうある。「低中層団地の歴史的な総括と面開発市街地住宅の現象的な把握を、主として結合組織に注目して解析し、それを展開して、高層高密度団地における戸外空間の諸問題への展望を試みたものである」。結合組織というのは、言ってみればオープンスペースのことで、要するにランドスケープの側から、団地の空間構成のあり方について、歴史的展開をふまえて言及したレポートだ。時代背景は、郊外の低中層団地に加えて、都心の工場跡地などに高層高密度団地がさかんにつくられ始めた昭和40年代である。

レポートのポイントは(原文は非常に難解だが)、郊外の団地造園の手法によってでは、都心の高層高密度団地で求められる空間性能を満足し得ない、にもかかわらず、あいかわらず郊外の手法が都心の高層住宅でも適用されている、という問題意識にある。「都市オープンスペース」としての空間性能は、郊外の団地造園の手法では満足できないということだ。

しかし、この問題は今日においても十分に解決されたとは思えない。当時と比べて都心の集合住宅はさらに高層化が進んだが、それにあわせて、どのように戸外空間をデザインすべきかの理論的な整理・研究は実はほとんど手つかずだ。今日、集合住宅の戸外空間には、さらにひろく環境保全・再生のためのインフラとしての機能も求められている。そういった変化に対応した、ランドスケープの側からの計画論/デザイン論の整理は依然不十分だし、歴史的なトレースも足りない。

目次
まえがき
0.全体の構成と要約
1.低中層団地の歴史的な経緯
(1)視点ーHOMOとHETEROの複合性
(2)前提
(3)低中層団地の結合関係の把握
(4)結合組織の分化
(5)団地構造と都市構造
2.面開発市街地住宅の現象的な把握
(1)視点ーCLOSEDとOPENの相関性
(2)前提
(3)面開発市街地住宅の戸外空間の構造ー資料
(4)結合組織の存在形態
(5)「プロトタイプ」と「ストラテジー」
3.高層高密度住宅団地への理論的な展開
(1)視点ー内化と外化の主体性
(2)高層高密度住宅団地の理論的な可能性
(3)結論ー高層高密度住宅団地の実践的な展開のための前提概念

巣鴨/伊豆大島/流山

2005-10-12 | Japan
Saturday, Oct. 8, 2005
*午後、「グリーンフェスタ '05 in すがも・おおつか」現地説明会
小雨降る中、高岩寺十福苑にて標記イベントのキックオフ・ミーティング。事務局側からイベントの概要説明の後、対象地の見学会と意見交換会が行われた。千葉大学園芸学部、東洋大学建築学科、東京大学ほか、昨年度の街づくりワークショップに参加した実務者のグループ(未来風景舎)、地元のアーティストの方等々、参加チームがほぼ出揃った。

Sunday, Oct. 9, 2005
*伊豆大島調査旅行(一日目)
韓国の観光地プロジェクト関連調査のために1泊2日で伊豆大島へ。竹芝桟橋からジェットフォイル(東海汽船セブンアイランド号)で岡田港へ。レンタカーで、椿トンネル、都立大島公園、椿資料館、海のふるさと村/セントラルロッジ、キャンプ場(以上、大島公園内)、旧甚の丸邸、波浮港見晴台、波浮港、踊り子の里資料館(旧港屋旅館)、藤井工房/農民美術資料館等を視察後、三原山山麓の大島温泉ホテルにチェックイン。霧で視界ゼロ。温泉と料理を楽しむ。
・東京都心から1時間30分という近距離にありながら、観光客数は減少の一途。
・グリーンツーリズムにシフトする大島
・インフラ整備は極めて良好:島を一周する周回道路沿いに主要観光施設がぶら下がる構造で、極めてわかりやすい。バスの便が悪いので、レンタカーで巡るのがベストだろう。

Monday, Oct. 10, 2005
*伊豆大島調査旅行(二日目)
朝食後、一風呂浴びてからチェックアウト。郷土資料館、大島観光協会(元町港)、大島ふるさと体験館(旧郷土芸能館)等を見学後、岡田港へ。帰りは4時間かけて大型船のカメリア丸の特一等室。快適そのもの。19時10分、竹芝桟橋到着。
・赤字の東海汽船
・旅行案内所やホテルをはじめとする観光施設の売店等で、書籍や写真集、ガイドブックなどの知的プロダクツの販売が皆無なのはとても残念。観光施設などの広告用のフライヤー等もお粗末この上ない。なにより、「i」(観光案内所)がお粗末。大島に限った話ではないが。。。まだまだ努力の余地がある。
・ほとんどの食堂・レストランで、禁煙ゾーンと喫煙ゾーンの区別がないのも、都会からの健康志向の観光客に気に入ってもらう上でマイナス。
・全体的に派手さがなく、落ち着いた雰囲気は好感が持てるのだが、何かがひと味足りない。そのため好アクセスが活かされていない印象を受けた。

Tuesday, Oct. 11, 2005
*午後、第二回「流山市緑の基本計画」策定委員会
主に、流山市の緑の将来像、緑地の系統別の配置方針について、庁内関係各課、市民の方々を交えて討議。
*夕方、高田馬場のタム研で田畑先生と打合せ
田畑貞寿トークショウ「景相生態学からの発想」(10月22日開催予定)の企画打合せ。