早ければ2017年の通常国会での発議を目指している。ただ、安保関連法の国会審議で「憲法論」を巡って与野党が激しく対立した後遺症もあり、冷静な憲法改正論議が行われるには時間がかかりそうだ。

 安倍首相は9月の総裁選の公約に当たる「所見」で、「時代が求める憲法へと改正を目指し、国民的な議論を深める」と明記した。自民党は優先的な改正項目として、幅広い合意を得やすい〈1〉災害時の緊急事態条項〈2〉環境権などの新しい人権規定の追加〈3〉財政規律条項を掲げている。

 だが、野党第1党の民主党に議論に応じる気配はない。岡田代表は関連法成立後の19日未明、国会内で記者団に「憲法違反の法律が出来てしまった。それを正すには安倍政権を倒さなければいけない」と述べ、今後も関連法の「違憲性」を追及し続ける考えを強調した。党内には「憲法を軽んじる安倍政権が続く間は改憲の議論はしない」(幹部)との声が強い。


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