昨日は企業の内定式があったとニュースで言っていました。どうりで移動中や帰りにスーツ姿の若者が多かった訳ですね。
ちょっと前に茂木健一郎さんがギャップ・イヤー(英国の習慣の一つ)について話をされていました。
ギャップ・イヤー(GAPYEAR)とは、大学入学前の期間にボランティア活動などを行い見聞を広げる、といった習慣のようですが、日本では自由に使える長い期間は就職前くらいしかないのが現状です(忙しい学生さんもいるとは思いますが・・・)。
是非、遊びもいいですが、色々な体験を経て、入社を向かえてもらいたいなぁ、と勝手に思います。
そんな訳で採用内定について少し・・・
1.採用内定の位置付け
大日本印刷事件の最高裁判例などを経て、現在では「解約権留保付就労始期付労働契約」として採用内定通知は労働契約であると解されています。
2.採用内定の取消し
(1)会社側
解約権留保の趣旨、目的に照らして、会社側から採用内定の取消しを行う場合においては一般労働者の解雇と同様、「客観的に合理的で社会通念上相当として是認することができるものに限られる」と合理的事由に限定されています。
・予測不能な経営不振等に陥ったとき(整理解雇の4要件なども加味されます。)
・学生が単位不足等により学校を卒業できなかった場合
・病気その他の事由により会社に勤務することができないと判断された場合
・採否の判断に関わる重要な要素について、面接時等に虚偽の発言などをしていた場合
・刑事事件等を起こした場合
などが、あげられます。
採用内定の取消しにあたり、労基法第20条の「解雇予告」が問題となります。解雇予告は不要という見解もあるようですが、「労働契約の解約=解雇」として解雇予告の義務が発生するという見解もあります。
また不況による内定取消しについては公共職業安定所長にその旨通知するなど、職業安定法施行規則第35条に行政指導が規定されています。
(2)労働者(学生)側
民法726条により2週間の予告期間をもっている場合は、自由に解約することができるとされています。
ただし、信義即に反するような場合は、解約権の濫用ととられる場合もあります。
3.採用内定期間中の研修など
採用内定通知書などに明示があれば義務を負わせることもできる場合もありますが、原則的には内定期間中(就労始期前)に労務の提供を義務付けることはできないと考えた方が良いと思われます。
≪職業安定法施行規則≫
第35条 厚生労働大臣は、労働者の雇入方法の改善についての指導を適切かつ有効に実施するため、労働者の雇入れの動向の把握に努めるものとする。
2 学校(小学校及び幼稚園を除く。)、・・・中略・・・(以下この条において「施設」と総称する。)を新たに卒業しようとする者(以下この項において「新規学卒者」という。)を雇入れようとする者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、あらかじめ公共職業安定所・・・中略・・・にその旨を通知するものとする。
Ⅰ 新規学卒者について、募集を中止し、又は募集人員を減ずるとき(厚生労働大臣が定める新規学卒者について募集人員を減ずるときにあっては、厚生労働大臣が定める場合に限る。)
Ⅱ 新規学卒者の卒業後当該新規学卒者を労働させ、賃金を支払う旨を約し、又は通知した後、当該新規学卒者が就業を開始することを予定する日までの間(次号において「内定期間」という。)に、これを取り消し、又は撤回するとき。
Ⅲ 新規学卒者について内定期間を延長しようとするとき。
3 公共職業安定所長は、前項の規定による通知及び事項の規定による連絡の内容を都道府県労働局長を経て厚生労働大臣に報告しなければならない。
4 施設の長は。第2項の規定による通知を受けた場合には、その内容を公共職業安定所に連絡するものとする。
5 法第54条の規定による工場、事業場等の指導については、職業安定局長の定める計画並びに具体的援助要綱に基づき、職業安定組織がこれを行うものとする。
6 職業安定組織が前項の指導を行うに当たっては、労働争議に介入し、又は労働協約の内容に関与してはならない。
ちょっと前に茂木健一郎さんがギャップ・イヤー(英国の習慣の一つ)について話をされていました。
ギャップ・イヤー(GAPYEAR)とは、大学入学前の期間にボランティア活動などを行い見聞を広げる、といった習慣のようですが、日本では自由に使える長い期間は就職前くらいしかないのが現状です(忙しい学生さんもいるとは思いますが・・・)。
是非、遊びもいいですが、色々な体験を経て、入社を向かえてもらいたいなぁ、と勝手に思います。
そんな訳で採用内定について少し・・・
1.採用内定の位置付け
大日本印刷事件の最高裁判例などを経て、現在では「解約権留保付就労始期付労働契約」として採用内定通知は労働契約であると解されています。
2.採用内定の取消し
(1)会社側
解約権留保の趣旨、目的に照らして、会社側から採用内定の取消しを行う場合においては一般労働者の解雇と同様、「客観的に合理的で社会通念上相当として是認することができるものに限られる」と合理的事由に限定されています。
・予測不能な経営不振等に陥ったとき(整理解雇の4要件なども加味されます。)
・学生が単位不足等により学校を卒業できなかった場合
・病気その他の事由により会社に勤務することができないと判断された場合
・採否の判断に関わる重要な要素について、面接時等に虚偽の発言などをしていた場合
・刑事事件等を起こした場合
などが、あげられます。
採用内定の取消しにあたり、労基法第20条の「解雇予告」が問題となります。解雇予告は不要という見解もあるようですが、「労働契約の解約=解雇」として解雇予告の義務が発生するという見解もあります。
また不況による内定取消しについては公共職業安定所長にその旨通知するなど、職業安定法施行規則第35条に行政指導が規定されています。
(2)労働者(学生)側
民法726条により2週間の予告期間をもっている場合は、自由に解約することができるとされています。
ただし、信義即に反するような場合は、解約権の濫用ととられる場合もあります。
3.採用内定期間中の研修など
採用内定通知書などに明示があれば義務を負わせることもできる場合もありますが、原則的には内定期間中(就労始期前)に労務の提供を義務付けることはできないと考えた方が良いと思われます。
≪職業安定法施行規則≫
第35条 厚生労働大臣は、労働者の雇入方法の改善についての指導を適切かつ有効に実施するため、労働者の雇入れの動向の把握に努めるものとする。
2 学校(小学校及び幼稚園を除く。)、・・・中略・・・(以下この条において「施設」と総称する。)を新たに卒業しようとする者(以下この項において「新規学卒者」という。)を雇入れようとする者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、あらかじめ公共職業安定所・・・中略・・・にその旨を通知するものとする。
Ⅰ 新規学卒者について、募集を中止し、又は募集人員を減ずるとき(厚生労働大臣が定める新規学卒者について募集人員を減ずるときにあっては、厚生労働大臣が定める場合に限る。)
Ⅱ 新規学卒者の卒業後当該新規学卒者を労働させ、賃金を支払う旨を約し、又は通知した後、当該新規学卒者が就業を開始することを予定する日までの間(次号において「内定期間」という。)に、これを取り消し、又は撤回するとき。
Ⅲ 新規学卒者について内定期間を延長しようとするとき。
3 公共職業安定所長は、前項の規定による通知及び事項の規定による連絡の内容を都道府県労働局長を経て厚生労働大臣に報告しなければならない。
4 施設の長は。第2項の規定による通知を受けた場合には、その内容を公共職業安定所に連絡するものとする。
5 法第54条の規定による工場、事業場等の指導については、職業安定局長の定める計画並びに具体的援助要綱に基づき、職業安定組織がこれを行うものとする。
6 職業安定組織が前項の指導を行うに当たっては、労働争議に介入し、又は労働協約の内容に関与してはならない。