大相撲秋場所は昨日が千秋楽、横綱、平幕の2人に絞られた優勝争いは、前頭10枚目妙義龍が関脇明生に肩透かしで敗れたため、結びで組まれた対正代戦を待たず新横綱照ノ富士の5度目の優勝が決定した。
新横綱の優勝は、2017年春場所の稀勢の里以来史上9人目、優勝が決まった照ノ富士は、立ち合いで正代の左下手を取ると慌てずに攻めた。右の上手もガッチリ引き盤石の形。右を巻き替えようとする正代を堂々と寄り切った。照ノ富士はこれで13勝となり秋場所結びの一番を締めた。
照ノ富士は、春、夏場所を連覇しており、今年3回目の優勝。年3回以上の優勝は、2017年に夏、名古屋、九州場所を制した横綱白鵬以来となった。
また、今年60勝目。年間勝利数で2位の大関正代、関脇御嶽海に17勝差をつけ、九州場所を残して年間最多勝を確定させた。
場所前、宮城野部屋で新型コロナウイルス感染者が出たため、横綱白鵬以下部屋所属全力士が休場、照ノ富士は一人横綱として土俵入りもそつなくこなし、後半2敗したがその他はほとんど危なげない横綱相撲で役割を果たした。
大関陣は、カド番の貴景勝が前半3敗を喫し前途を危ぶまれたが、中盤から後半初めに掛けて調子を取り戻し結局8勝7敗ぎりぎりで大関を守った。
正代は、終始腰高の危うい相撲で黒星を重ね8勝7敗で何とか場所を乗り切った。貴景勝、正代とも場所を通して優勝に絡めず照ノ富士の独走を許した。
関脇陣も、御嶽海が9勝止まりで大関昇進のきっかけを作る10勝に手が届かなかった。新関脇明生は千秋楽にようやく勝ち越し地位を守った。
小結陣では、巨漢逸ノ城が千秋楽に8勝目を上げ地位を守ったが、高安は黒星先行の後、照ノ富士に猛烈に土俵下へ突き飛ばされ怪我をして途中休場、来場所は平幕からやり直しになる。
平幕上位では、西2枚目霧馬山が9勝6敗、東3枚目若隆景9勝6敗、西4枚目大栄翔10勝5敗、西6枚目阿武咲10勝5敗が好成績で並ぶが、来場所、高安が落ちる小結には10勝を上げた大栄翔のカムバックが濃厚だ。
特質するのは9日目、豊昇龍が若隆景を一本背負いの大技で投げた柔道相撲だ。相撲巧者若隆景にとっては屈辱的な敗戦となった。
NHKの優勝力士インタビュー
「(国技館に)来る前から最悪三番でも相撲取るくらいの気持ちで来ていました。一生懸命やってよかったなと思います。(新横綱の重圧は?)そういうのを感じても仕方が無いので、その日の一番だけに全力をかけ、土俵の上で一生懸命やっている姿を見せればいいと思っていました」 「関連:7月22日」
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