アメリカのペロシ下院議長の訪台に怒った中国が台湾海域にミサイル11発を発射、その内5発が日本のEEZ(排他的経済水域)に落下した。
岸信夫外相は、中国のミサイルが日本のEEZ内に落下したのは初めてであり、国民の安全にかかわる重大問題だとして強く非難した。
また、林芳正外相も中国の駐日大使に抗議、直ちに軍事演習の中止を求めた。
この海域は、日本の漁業者が操業している海であり、漁業者の安全にも関わる重大事だ。
今まで、北朝鮮が時折日本海に向けてミサイル発射、やはりEEZ内に着弾したことは珍しくないが、北朝鮮を諫める立場の大国中国がこのような蛮行を犯したことは北朝鮮に対して悪い影響を与えかねない。
中国は、台湾をぐるっと取り囲む形の6カ所で空海の軍事訓練を実施、ミサイル発射などで台湾を威嚇している。
これに対し、台湾の蔡英文総統は、「理性を保ち挑発もしないが、決して退かない」と強調したほか、「ともに領土や主権、民主を守ろう」と台湾の結束を呼びかけた。
しかし、ペロシ氏訪台に対する中国の反応は大国らしからぬヒステリックな行為のように見える。
アメリカは、ペロシ訪台に当たり、台湾政策は以前と変わらないとわざわざ発信している。
確かに、バイデン大統領が一時台湾防衛について前向きな発言をしたが、その後、台湾政策に変化は無いと訂正している。
しかし、中国はバイデン氏の発言をそのまま受け止めている節があり、警戒感を強めているのは事実だろう。
また、中国はウクライナ問題でもロシア側に立つ姿勢を変えず、欧米の経済制裁の妨げになっている可能性を感じさせている。
それだけでなく、ロシアがやったのなら我が国もとばかり、台湾進攻を強行するのではないかと欧米は警戒の手を緩めていない。
今回の中国の行き過ぎた軍事演習で、世界はその恐れを想定するが、実際にはそこまでは行かないと思う。
今回の行為は、建国95周年、共産党大会を控えた中国なりのありったけの抗議の意思を示したものだろう。「関連:8月4日」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます