昨日、第3次安倍晋三内閣の改造の顔ぶれが決まった。閣僚19人の内10人が再選、新任は9人、女性は5人から3人に減った。
再任が多かったのは、安倍首相が来年夏の参議院選挙を見据えて、安全運転を試みたからのようだ。先に強引に通した安全保障法制や、大筋合意に達したTPPのソフトランディングを図るために、特に重要閣僚と思われるポストを動かさなかったようだ。
今回の内閣改造で異色なのは、安倍首相が国民の反対を押し切って成立させた安全保障法制の目くらませのために、にわかに打ち出した1億総活躍社会を目指すというキャッチフレーズのもと、(1)国内総生産(GDP)600兆円の達成、(2)出産1.8人、(3))介護離職率ゼロの新三本の矢を放つため1億総括活躍相を新設、これに腹心の加藤勝信官房副長官を起用した。
しかし、野党も言い、国民の大多数も疑問を投げかけているように、1億総括活躍とはいったいどういうことなのかがさっぱり分からない。
そもそも、新三本の矢自体が、安倍首相も自ら、600兆、1.8人、介護利殖ゼロを目指すために三本の矢を放つと言っているので、新三本の矢とは、矢ではなく的なのではないか。ならば矢は具体的に何なのかが示されていない。つまり、新三本の矢とは、施策のない空手形のようなものだ。
安倍首相は、アベノミクスでいう三本の矢は成果を上げていると勝手に思っているから、次の新三本の矢を放ったと言いたいところだが、それが的ではお笑い草で、いったい新三本の矢とは何なのかがさっぱり分からない。
若しかしたら、安倍首相自身も分かっていないのではなかろうか。三つの目的は分かったとして、そのためにはどのような施策を講じるのか加藤大臣は早く示すべきだ。「関連:10月1日」
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