気切孔にIVH。
ご家族の介護力が低下し、今後は独居となるかもしれません。
誤嚥性肺炎とイレウスを繰り返し、退院直後の訪問が始まってから16か月。
昨年末からは、在宅支援診療所に変わり、カフティポンプを付けたことで、ADLは広がりました。
キャリーバックに輸液とポンプを入れて、散歩も買い物もできます。
当初は、気切孔から噴き出していた痰もほとんどなくなり、気切孔を押さえれば、いい声が出ます。
そして、昨年春から入っている訪問歯科医師から、経口摂取を開始してみましょう、という提案がされました。
しかし、どうも話がうまく進みませんし、私たちもどこまで関わったらいいのか、嚥下機能の評価がなされているのか不安でした。
長いこと使っていない消化器官や、絞扼性イレウスの既往なども考え、全身状態の管理が必要なのに、嚥下の部分だけで進めるのは、どうなのかと主治医とも話し合いました。
主治医は、やはり全身管理のことを考えると、自分たちは主導したほうがいいのかどうか、迷ってもいました。
担当の看護師は、別ルートで摂食嚥下チームですでに実績のある管理栄養士ともコンタクトを取っていました。
つまり、みんな一生けんなのにバラバラだったわけです。
そして今日、このメンバーが一堂に会すことができました。
(いわゆる担当者会議ですが・・・)
おりしも、今日はめぐみ在宅クリニックの地域在宅緩和ケア研究会の日です。
5時半から、クリニックの奥の間に集まり会議は開かれました。
主治医のK先生、クリニックの耳鼻科医師、クリニックIナース、事務、ケアマネ、訪問歯科I先生、Y病院管理栄養士、Kヘルパーステーションサ責、そして担当看護師のSと私。
全部で10人です。
当初の状態から、病状変化、今までの経過などなどの情報交換をし、それぞれの立場からの見解を述べました。
訪問歯科の医師は、大学でも嚥下の研究をずっとやってきており、病院では嚥下チームとして、治療の実績を上げてきてると言う事でした。
実際、かなり専門的なお話をされ、評価もされていました。
歯科医は「もともと、義歯が虫歯ではずれない。というご依頼での訪問開始だったので、嚥下は入ってから必要性を感じて始めたこと。とにかく、それ以前に口腔ケアに問題があり、そこから介入しました。」とのこと。
その中で本人の「食べられるようになりたい。IVHもとって自由になりたい。気切孔もおさえずに話せるようになりたい。」と言う話を聞いて、そこに目標がシフトしていったようでした。
ただ訪問歯科は、介護保険上でケアマネには報告書が義務づけられているものの、チームとしての連携はあまり考えられていないとのことで、ケアマネ経由で嚥下の見守りなどを訪問看護などに伝達し、それを訪問看護から主治医に伝える様なことになっていたために、話が見えなくなっていたことが判明しました。
そこ、情報の共有化を図り、目標を一つに絞って、在宅チームで関わりましょうと言う事になりました。
そこでの役割分担も明確化し、指示系統の確認も行いました。
話の中で、歯科医師の専門性が高いことから、摂食・嚥下に関しては歯科医師が主導し、それを実施観察するのが看護師、可能な範囲で見守りをするのがヘルパー、全身の栄養管理や病状変化への早期対応には主治医、食事形態のアドバイスや指導には管理栄養士や連携するSTと言う事になりました。
歯科医師曰く「僕はアクセルだと思ってください。嚥下機能回復に向けて進みます。主治医の先生はブレーキになってください。危険だと思ったら、すぐにブレーキをかけてください。」とのこと。
「うまいことを言うな~」と思いました。みんなも「なぁるほど・・」と。
少し前までは、嚥下に関しては耳鼻科領域だ口腔だと対立することも多かったそうですが、最近では歯科医による嚥下機能の研究も進み、治療実績も高いことから、何科が見るとかではなく、チームとして見る方向になっているとか。
ただ、病院での嚥下リハとは状況的に違うため、在宅は在宅のチームと進め方が必要という意見で一致しました。
そこで、K先生からこのチームでタイムリーな情報交換を行いながら、情報の共有化と実施・評価が行えるよう<サイボウズライブ>を利用する事が提案されました。
K先生は、すでにこれを利用したチームケアを実践しており、とてもスムーズな情報交換ができているとのこと。
以前Y先生とグーグルカレンダーを使ってみたことがありますが、ほとんど活用する間がなかったので、ぜひこれは使ってみたいな、と思いました。
で、即メール交換を行い、あとはK先生の招待メールを待つのみとなります。
これで、個人あてにもチーム全員向けにも情報を発信、共有出るわけです。
患者名は伏せますし、パスワードで入りますし、このグループ以外での存在は誰にもわからないとのことで、各チームメンバーのつぶやきから指示があれば、即実行に移せるので、多職種間でのタイムリーな共有ができそうです。
結局話し合いは8時までかかり、緩和ケア研究会は覗く程度となりました。
それにしても、いろんなネットワークを持つことで、さらなるネットワークが広がりますね。
CARTにしても、嚥下のチーム結成にしても、他にも訪問看護ステーション連絡会や協議会がらみのものや、行政がらみのネットワークなど、どんどん膨らんでいきます。
さて、自分はこの中のどこに比重を置くのかを、ちゃんと見極めないと全部中途半端におわりそうです。
そう思う反面、なんだかわくわく「面白そうだぞ~」なんて思ったりもして、どこまでついていけるかは、神のみぞ知るです。
ご家族の介護力が低下し、今後は独居となるかもしれません。
誤嚥性肺炎とイレウスを繰り返し、退院直後の訪問が始まってから16か月。
昨年末からは、在宅支援診療所に変わり、カフティポンプを付けたことで、ADLは広がりました。
キャリーバックに輸液とポンプを入れて、散歩も買い物もできます。
当初は、気切孔から噴き出していた痰もほとんどなくなり、気切孔を押さえれば、いい声が出ます。
そして、昨年春から入っている訪問歯科医師から、経口摂取を開始してみましょう、という提案がされました。
しかし、どうも話がうまく進みませんし、私たちもどこまで関わったらいいのか、嚥下機能の評価がなされているのか不安でした。
長いこと使っていない消化器官や、絞扼性イレウスの既往なども考え、全身状態の管理が必要なのに、嚥下の部分だけで進めるのは、どうなのかと主治医とも話し合いました。
主治医は、やはり全身管理のことを考えると、自分たちは主導したほうがいいのかどうか、迷ってもいました。
担当の看護師は、別ルートで摂食嚥下チームですでに実績のある管理栄養士ともコンタクトを取っていました。
つまり、みんな一生けんなのにバラバラだったわけです。
そして今日、このメンバーが一堂に会すことができました。
(いわゆる担当者会議ですが・・・)
おりしも、今日はめぐみ在宅クリニックの地域在宅緩和ケア研究会の日です。
5時半から、クリニックの奥の間に集まり会議は開かれました。
主治医のK先生、クリニックの耳鼻科医師、クリニックIナース、事務、ケアマネ、訪問歯科I先生、Y病院管理栄養士、Kヘルパーステーションサ責、そして担当看護師のSと私。
全部で10人です。
当初の状態から、病状変化、今までの経過などなどの情報交換をし、それぞれの立場からの見解を述べました。
訪問歯科の医師は、大学でも嚥下の研究をずっとやってきており、病院では嚥下チームとして、治療の実績を上げてきてると言う事でした。
実際、かなり専門的なお話をされ、評価もされていました。
歯科医は「もともと、義歯が虫歯ではずれない。というご依頼での訪問開始だったので、嚥下は入ってから必要性を感じて始めたこと。とにかく、それ以前に口腔ケアに問題があり、そこから介入しました。」とのこと。
その中で本人の「食べられるようになりたい。IVHもとって自由になりたい。気切孔もおさえずに話せるようになりたい。」と言う話を聞いて、そこに目標がシフトしていったようでした。
ただ訪問歯科は、介護保険上でケアマネには報告書が義務づけられているものの、チームとしての連携はあまり考えられていないとのことで、ケアマネ経由で嚥下の見守りなどを訪問看護などに伝達し、それを訪問看護から主治医に伝える様なことになっていたために、話が見えなくなっていたことが判明しました。
そこ、情報の共有化を図り、目標を一つに絞って、在宅チームで関わりましょうと言う事になりました。
そこでの役割分担も明確化し、指示系統の確認も行いました。
話の中で、歯科医師の専門性が高いことから、摂食・嚥下に関しては歯科医師が主導し、それを実施観察するのが看護師、可能な範囲で見守りをするのがヘルパー、全身の栄養管理や病状変化への早期対応には主治医、食事形態のアドバイスや指導には管理栄養士や連携するSTと言う事になりました。
歯科医師曰く「僕はアクセルだと思ってください。嚥下機能回復に向けて進みます。主治医の先生はブレーキになってください。危険だと思ったら、すぐにブレーキをかけてください。」とのこと。
「うまいことを言うな~」と思いました。みんなも「なぁるほど・・」と。
少し前までは、嚥下に関しては耳鼻科領域だ口腔だと対立することも多かったそうですが、最近では歯科医による嚥下機能の研究も進み、治療実績も高いことから、何科が見るとかではなく、チームとして見る方向になっているとか。
ただ、病院での嚥下リハとは状況的に違うため、在宅は在宅のチームと進め方が必要という意見で一致しました。
そこで、K先生からこのチームでタイムリーな情報交換を行いながら、情報の共有化と実施・評価が行えるよう<サイボウズライブ>を利用する事が提案されました。
K先生は、すでにこれを利用したチームケアを実践しており、とてもスムーズな情報交換ができているとのこと。
以前Y先生とグーグルカレンダーを使ってみたことがありますが、ほとんど活用する間がなかったので、ぜひこれは使ってみたいな、と思いました。
で、即メール交換を行い、あとはK先生の招待メールを待つのみとなります。
これで、個人あてにもチーム全員向けにも情報を発信、共有出るわけです。
患者名は伏せますし、パスワードで入りますし、このグループ以外での存在は誰にもわからないとのことで、各チームメンバーのつぶやきから指示があれば、即実行に移せるので、多職種間でのタイムリーな共有ができそうです。
結局話し合いは8時までかかり、緩和ケア研究会は覗く程度となりました。
それにしても、いろんなネットワークを持つことで、さらなるネットワークが広がりますね。
CARTにしても、嚥下のチーム結成にしても、他にも訪問看護ステーション連絡会や協議会がらみのものや、行政がらみのネットワークなど、どんどん膨らんでいきます。
さて、自分はこの中のどこに比重を置くのかを、ちゃんと見極めないと全部中途半端におわりそうです。
そう思う反面、なんだかわくわく「面白そうだぞ~」なんて思ったりもして、どこまでついていけるかは、神のみぞ知るです。