鶴竜横綱を敗る

鶴竜が２１戦目にして、初めて横綱・白鵬に勝ちました。
しかも、初場所１０日目、優勝争いに影響を与えるべく貴重な白星です。
自身の大関獲りにも拍車が掛かりそうな１勝です。

鶴竜と最初に会ったのは、１０年前の暮れも押し迫った井筒部屋の餅つきの日でした。
まだ、寺尾も現役で、入門したばかりの鶴竜を本当に可愛がっていましたね。
おっと、隠語の“可愛がり”ではありません。念のため。

日本相撲振興会（時田一弘会長）に入門希望（部屋の紹介）の手紙を鶴竜が送って来たことから私との交流が始まりました。
名古屋在住の時田会長が、井筒部屋との連絡に便利だからと、東京に住む私に鶴竜と井筒部屋との交渉役を頼んで来ました。
以後、井筒部屋とモンゴルの鶴竜の間に入って、交渉というか連絡を行ったのが私です。
鶴竜が来日するまでに、約半年掛かりました。
何しろ、当時の鶴竜はまったく日本語が話せない１６歳の少年です。
ときどき、知り合いの日本語を話せる人に通訳して貰って、会話したものです。
あとは、ＦＡＸを良く利用しましたね。お互い片言の英語で。

鶴竜が、１０年前の年末に来日が実現、井筒部屋に入門して、すぐ餅つきに呼んでくれました。
しかも、モンゴルからのお土産も持参してくれたのです。
あのガリガリの鶴竜が、今じゃ最強の関脇で、今日は天下の横綱・白鵬を敗りました。
こんな嬉しいことはありません。



左から寺尾（現錣山親方）・鶴竜・星冑（兄弟子だが現在付け人）