(NHKニュースより）
袴田巌さんの再審認める決定 東京高裁 証拠“ねつ造”疑い言及
57年前、静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」で、無罪を主張しながらも死刑が確定した、袴田巌さんについて、東京高等裁判所は再審＝裁判のやり直しを認める決定をしました。有罪の根拠とされた証拠について、決定は「捜査機関が隠した可能性が極めて高い」と、“ねつ造”の疑いに言及しました。
最大の争点は、逮捕から1年以上あとに現場近くのみそタンクから見つかった衣類についた血痕の色の変化です。
衣類は有罪判決の決め手となった証拠ですが、袴田さんが隠したものかどうかを検証するため、1年以上みそに漬かった状態でも血痕に赤みが残るかどうか、弁護側と検察の双方が主張を繰り広げました。
13日の決定で、東京高裁の大善文男裁判長は、弁護側が示した実験結果などについて、「1年以上みそに漬けられると血痕の赤みは消えることが、専門家の見解からも化学的に推測できる。袴田さんが犯行時に着ていたという確定判決の認定には合理的な疑いが生じる」として、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたると判断し、再審開始を認めました。
さらに、「衣類は事件から相当な期間が経過したあとに第三者がタンクに隠した可能性が否定できず、事実上、捜査機関による可能性が極めて高い」と厳しく批判しました。
過去の再審判断と法改正の動き
死刑が確定した事件では、
▼1948年に熊本県で夫婦2人が自宅で殺害された免田事件や、
▼1954年に静岡県で当時6歳の女の子が連れ去られて殺害された島田事件などで無罪が言い渡されました。
無期懲役が確定した事件では、
▼1990年に栃木県で当時4歳の女の子が殺害された足利事件や、
▼1997年に東京電力の女性社員が殺害された事件などで、
再審によって無罪が言い渡され、その後、確定しています。
最近では、大阪 東住吉区の住宅で11歳の女の子が死亡した火事で殺人などの罪で無期懲役が確定し、服役していた母親が、2016年に再審で無罪となっています。
（注：この事件に関するブログの記事）
「えん罪製造マシーン」と化した（？）裁判所に、再審無罪の女性が怒りの声 - 住みたい習志野
また、先月27日には、39年前に滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件で無期懲役が確定し、服役中に死亡した男性について、大阪高等裁判所が再審開始を認める決定を出しました。
（注：このブログの「日野町事件」記事）
「娘の嫁ぎ先に行って家の中ガタガタに」と警察に脅され、獄中死した「日野町事件」再審決定 - 住みたい習志野
（注：前にも袴田さん再審開始決定が出されていた）
「袴田事件」再審開始決定を出した元裁判長が語る「再審」｜NHK
（FNNプライムオンラインより）
捜査機関が証拠をねつ造
なぜ袴田巌さんは「真犯人」に仕立て上げられたのか「袴田事件」の経過を改めてたどって判明した、刑事司法のずさんな実態（前編） ｜ 47NEWS
（静岡朝日テレビニュース）
袴田事件再審決定の日・ドキュメント～57年闘い続けたひで子さん「本当にうれしい」
映画『BOX 袴田事件 命とは』予告編
「死刑のハンコ」発言で更迭された法相と、「えん罪で死刑」に悩みぬいた裁判官 - 住みたい習志野
「真犯人を見た」という目撃証言を警察が無視し、えん罪で無実の人間を死刑にしてしまった「飯塚事件」 - 住みたい習志野
無実なのに死刑で処刑された「飯塚事件」の久間三千年さん - 住みたい習志野
鶴見事件、元死刑囚の妻が再審請求。無実なのに死刑囚にされる日本の司法の闇 - 住みたい習志野
無実なのに死刑が執行されてしまったハンセン病患者「菊池事件」 - 住みたい習志野
免田栄さん死去 死刑囚として初めて再審無罪が確定（12月5日毎日新聞） - 住みたい習志野
大崎事件「あたいはやっちょらん」。"命の砂時計"抱え、冤罪を戦う93歳（HUFFPOSTニュース） - 住みたい習志野
え？えん罪だったの？和歌山カレー事件と渋谷暴動事件 - 住みたい習志野
動画：狭山事件──隠された真実（袴田事件と同様、警察が証拠をねつ造。現在再審を求めている）
コメントをお寄せください。
＜パソコンの場合＞
このブログの右下「コメント」をクリック⇒「コメントを投稿する」をクリック⇒名前(ニックネームでも可)、タイトル、コメントを入力し、下に表示された4桁の数字を下の枠に入力⇒「コメントを投稿する」をクリック
＜スマホの場合＞
このブログの下の方「コメントする」を押す⇒名前（ニックネームでも可）、コメントを入力⇒「私はロボットではありません」の左の四角を押す⇒表示された項目に該当する画像を選択し、右下の「確認」を押す⇒「投稿する」を押す
「国家にしかできない犯罪。それは戦争と冤罪である」。
戦争は身体的な殺戮であり、冤罪というやってもない罪をきせるというのは、魂の殺人。
日本では容疑者は逮捕されると、代用監獄に押し込められ、密室で取り調べを受ける。いきなりのブラックボックス。それで警察、検察は自白に持ち込むばかりか、証拠の「ねつ造」で、犯罪を創作することもやる。
袴田事件、「なんだか「暗そうな事件ね」とスルーしてはいけない。弁護団は執念で味噌づけの衣類がねつ造であるということを証明した。高裁は「無罪になるべき証拠」だと認めた。
これ以上は、検察は有罪にこだわり、最高裁に特別抗告する理由などない。公権力の権限乱用もいいかげんにしろ。すみやかに、最高裁は再審して、無罪を判決せよ。
袴田事件は、国家による愚劣な犯罪、許されない。
袴田さんは８７歳。支えてきたお姉さんは９０歳。
内閣がおかしいと、裁判までおかしくなるのは必定。最高裁の裁判官は内閣の閣議決定で選ばれる。自民党長期政権で、日本の刑事司法制度の改革は遅々として進まず、大日本帝国マインドで、裁判員制度は問題点が多すぎる。
隠れた冤罪もわんさかあるのではないか？ たとえば、三里塚の市東さんの農地裁判。印鑑偽造や署名などのねつ造がきちんと検証されず、空港会社の思うように法的な手続きがされ、農地は強奪された。
国家的な犯罪だが、空港が国策として「三里塚」がブラックボックス化され、治外法権化してメディアの報道もない。
早く政権交代し、少しでも民主主義に基づいた三権分立を取り戻す方向に行くように願っているが、情勢は真逆。
自民党政府は戦争いやだの国民を戦争に引きづりこむために、憲法を変えて「緊急事態条項」を作ろうとしている。内閣が緊急事態と宣言すれば、三権分立は消え、たちどころに内閣独裁となる。ファシズム国家のはじまり。憲法審査会では、改憲をめざす３会派（維新・国民民主・無所属）が３月中に緊急事態条項の条文案を提出する。自民、公明と合わせて５会派の圧倒的多数で議決すれば、国民投票できる。知らない間に改憲が加速している。
平和な時でも、自民党独裁で閣議決定だけで決め、国会もはぐらかし、詭弁きゃ答弁拒否。もうこんなに内閣に権力が集中しているのに、「緊急事態」になればどうなることか？
袴田さんは無罪だ。市東さんの農地は市東さんのものだ。袴田さんは１９６６年に逮捕され、今年で５７年。市東さんの農地は１００年耕し続けてきた。次は私たちが抵抗する番。
検察側の特別抗告期限は３月２０日。特別抗告するな！の声を上げよう。change.orgでオンライン署名もやっています。
その次は、統一地方選。次の選挙は大事だぞと、まわりを巻き込もう。