背いて故郷 | ||
---|---|---|
読 了 日 | 2002/08/22 | |
著 者 | 志水辰夫 | |
出 版 社 | 講談社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 433 | |
発 行 日 | 1997/06/30 | |
ISBN | 4-06-184267-6 |
上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。
ソ漁業協定操業指導協会所属の第六協洋丸の船長だった柏木斉は、組織が入れ替わり、業務に不審な点が多くなり、契約期間を1年残して下船した。
後任に友人の成瀬を推した。そして、インドネシアへ寄贈される調査船を運ぶ仕事について、インドネシアへと発った。だが、第六協洋丸へ乗り込んだ成瀬が殺された。成瀬を死なせた責任を感じて、柏木は、調べを始めるのだが・・・・。
成瀬の妹・早紀子の柏木への慕情、若い頃思いを馳せたが成瀬の妻となった優子への絶ちがたい思いなどを絡ませながら、見えない敵に戦いを挑ませるストーリーは、暗く重い。
ハードボイルドに付き物の、ストイックな男の言動なのだが、語り手でもある、柏木のストイック過ぎるような言動に最後まで感情移入が出来なかった。著者については良く知らないのだが、ある種の著者自身の原体験のようなものが、こうしたストイックな主人公に入れ込まれているのであろうか?
ストーリーの導入部分での沿海州での日本漁船の漁業の実態が、日ソ漁業交渉などに影響を与えている旨の記述に興味を引かれた。
にほんブログ村 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます