蘭学探偵 岩永淳庵 | ||
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読了日 | 2020/12/26 | |
著 者 | 平谷美樹 | |
出版社 | 実業之日本社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 350 | |
発行日 | 2014/08/15 | |
ISBN | 978-4-408-85184-5 |
前もどこかで書いたが、2-3日前の事でさえ忘れてしまう僕だから、それ以上前の事はきれいさっぱり思い出せない。この読書記録の事だ。2000冊以上も読んでいる中には、これを読んだというだけの、本のデータ(ご覧の表紙の写真と読了日他の表になっている形式だ)しかないところがかなりの数に上っている。 たまに、いろいろと整理することもあって、古いデータをひっくり返していると、そんな文字のないところに行きつく。
そんな白紙の所を見ると、何とか出来る限り再読をして、何年もたってはいるが新たに読後感らしきものを書き足している。本来は、読んだ直ぐ後の新鮮な思いが大事なのだが、忘れてしまったものは仕方がない。
再読して全く前に読んだことを思い出せないこともしばしばあるのは、本当に僕の頭はどうにかしてしまったのか?と思うこともあり、ちょっと怖い。
それでも不思議なのは、再読なのに初めて読んだような新鮮な面白さを感じることもあって、読書の面白さをダブルで感じたようなちょっと得した気分になれるのも面白い。
辰巳芸者・豆吉の家に居候をしているのが、蘭学者の岩永淳庵だ。近頃観光地ともいえる様な見物の人々を集めているのが、江戸城を囲む四か所の高櫓(たかやぐら)だった。今日も豆吉と共に高櫓見物に出かけた淳庵だったが、最初に訪れた品川町の高櫓で、人足が逃げ出して高櫓の仕掛人である三輪祥沢も行方知れずだと知り、がっかりして帰ってくると、火付け盗賊改め方の瀬川又右衛門が現れた。
口に時代ミステリーと言っても、その数は結構なものに上るのだろう。僕はそんなすべてを知っているわけでもないので、たまたま目についたものを読むわけだが、そして当たった作品が思いの外、面白く読めることがラッキーだと感じる。
もっとも僕は目についた作品を片端から読むわけではなく、タイトルやその他僕の興味を引く部品があるものを引き寄せるのだが、本作もタイトルから中身を想像して手に入れたのだ。それが想像していたものとは多少異なるが、探偵役の蘭学者岩永淳庵と言うキャラクターが魅力的に描かれており、ワトソン役となる瀬川又右衛門と、良いコンビとなって、そこに辰巳芸者の豆吉姉さんが加わるから、ストーリーは面白く展開するのだ。
ミステリーの世界にはありとあらゆる職業の探偵が登場して、もうこれ以上の職業はないのではないか?などと言われることがある。しかし、そんなことはないのだ。ただ僕が知らないだけで、まだまだ新たな探偵が生まれてくるのだろう、いや、すでにそうした新たな職業を持つ探偵は、数多く生まれているのだろう。
僕が面白く読める作品だって、まだまだ僕が知らないだけで、すでに数多く存在することを信じて、ミステリー探しの旅に出るとするか!?
# | タイトル |
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1 | 高櫓と鉄鍋 |
2 | 鬼火と革紐 |
3 | 吉と橘 |
4 | 海坊主と河童 |
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