秋も深まり、読書がはかどります。
10月のマイベストは、辻村深月さんの「東京會舘とわたし」上下。
感動的な連作短編もので、読み終える頃にはじんわりと感動。
池井戸潤さんの「陸王」は、下町ロケットをほうふつとさせ、面白かった!
森絵都さんの「みかづき」、塾経営者の三世代の物語。
下村敦史さんの「失踪者」は、山岳小説で男の友情を描いていて読み応え
あり。
2016年10月の読書メーター読んだ本の数:51冊
読んだページ数:15851ページ
ナイス数:5582ナイス
確証の
感想盗犯係のベテラン刑事・萩尾が部下の女性刑事武田秋穂とコンビを組み、事件を追う。盗犯は職人、なるほどです。捜査一課とそんなに対立するだろうか?でも、面白かったですよ。
読了日:10月1日 著者:
今野敏
星々の悲しみの
感想1970年頃の大阪、青春の切なさが伝わってきます。浪人生の出てくる作品に、流転の海のノブを重ねて読みました。
読了日:10月2日 著者:
宮本輝
スローバラード Slow balladの
感想共に学生時代を過ごしたダイたち4人も50代に。前作の内容がうろ覚えだったので、若干物語に入って行くのに時間がかかったけれど、主人公の子供たちも成長したということか。終わり方は何だかもやっと…、シリーズ、まだ続くのでしょうか?
読了日:10月2日 著者:
小路幸也
ガリレオの苦悩の
感想湯川さんが挑む五つの難事件。タイトルが絶妙でうならされます。「操縦る」と「攪乱す」が特に読みごたえがありました。悪魔の手の男、想像通りの人物設定でした。やっぱり面白いです、東野圭吾。
読了日:10月3日 著者:
東野圭吾
ジャッジメントの
感想復讐法という法律が施行された日本。裁判により、この法の適用が認められた場合、被害者またはそれに準ずるものは、旧来の方に基づく判決か復讐法に則り刑を執行するかを選択できる。「応報監察官」は執行を見届ける任務を司る役職で、その中の一人・鳥谷文乃の視点で綴られる5つの事例。人の命の重さを考えさせられましたが、こんな法律は勘弁してほしいというのが本音です。難しいテーマを良く取り上げたものだと思います。期待の新人作家誕生、次作を楽しみに待ちたいですね。
読了日:10月4日 著者:
小林由香
英雄の条件の
感想メジャー球団のチームドクターの家を取り壊し中に、1冊のノートが発見され、著名な選手たちの名が。ドーピングを疑われた選手たちの真実を追うミステリー。強くなりたい、勝ちたいという思いと、身体に害を成すドーピング。面白かったです!津久見選手と奥さん、素敵でした!
読了日:10月4日 著者:
本城雅人
ヒポクラテスの憂鬱の
感想栂野真琴が浦和医大法医学教室の助教に。県警のHPにコレクターなる人物からの書き込みがあり、医大に持ち込まれる不審な遺体が激増する。古手川さん、毎回解剖に立ち会って耐性が出来てる?!さて次の巻で二人の仲は進展するかな?
読了日:10月5日 著者:
中山七里
悪母の
感想うぇ~~、何とも嫌な読後感。。 奈江の自己中ぶりにどんよりしました。友達に依存し続ける姿勢にうんざり。子育て中は世間も視界も狭くなる、子育ての終わった私から見れば、ほんのいっときのことなんだけどねぇ。
読了日:10月5日 著者:
春口裕子
男役の
感想悲劇の男役・ファンファンと、宝塚のスターたち。とても面白く一気に読みました。いつか、本物の舞台を見てみたいです。笹にしき・夢ピリカは、ちょっとネーミングセンスに疑問符(笑)
読了日:10月6日 著者:
中山可穂
なみだの穴 (Green Books)の
感想泣くことが出来たら、すっきりと気持ちが変わることが出来る。でも泣けない、そんなときになみだの穴が現れたら、どんなに素敵でしょう。大人が読んでもじんわりと感動できますね。
読了日:10月6日 著者:
まはら三桃
戦国24時 さいごの刻(とき)の
感想豊臣秀頼・伊達輝宗・今川義元・山本勘助・足利義輝・徳川家康、6人の最期の24時間を描いたもの。淀君の恐ろしさが一番印象に残りました。でも、何となく中途半端に感じました。やっぱり木下さんは長編で読みたいですね。
読了日:10月6日 著者:
木下昌輝
リミットの
感想人気深夜ラジオ番組に、番組終了と同時に自殺するという予告メールが届く。無視せよという局の上層部、妙な勘が働き無視できないというディレクター・安岡。番組5周年をぶち壊されたと怒るパーソナリティーの奥田。放送終了までというリミットに挑む人々を描いていて、ハラハラしながらの読了。面白かったです。
読了日:10月10日 著者:
五十嵐貴久
農ガール、農ライフの
感想派遣切りで職を失った久美子は、その日、同棲6年の男に別れを切り出され、無職・宿無しの危機に陥る。農業で自立を思い立った32歳女子のサクセスストーリー。柿谷さんの取り上げるテーマは面白く、一気に読了。お勧め本です。
読了日:10月10日 著者:
垣谷美雨
悔いてのちの
感想元SPの小津良介と裏社会の帝王「ミカド」。陰鬱な二つのプロローグから話しは展開する。中々面白くて一気に読了。
読了日:10月10日 著者:
永瀬隼介
許されようとは思いませんの
感想5つの短編すべてが、とてもどんよりとした読み心地。タイトル作の「村」は、今も日本のどこかの田舎に存在しているかもしれない…。都会で生まれ育った人にはおそらく理解出来ないと思いますが。「姉のように」は現代の病理をよく描かれていると思いました。主人公の夫の無神経さに腹立たしさを感じてしまいました。
読了日:10月11日 著者:
芦沢央
溺れる月の
感想仲間内で賭けをしてランニングを楽しんでいた、元官僚で妻の父の後を継いだ二代目社長の高木。夜の公園で自分たちだけの楽しみとして走っていたと思ったそのレースには思わぬからくりが。賭けごとに全く興味も共感も感じない私には、ちょっと理解不能でした。主人公が身勝手で更に不倫が絡んだりでなお嫌な奴に思えてしまったので、読後感はあまり良くなかったです。
読了日:10月12日 著者:
新野剛志
あしたの朝子の
感想作者ご本人のお母さまをモデルに描かれた1冊。戦後の東京下町で、町工場のおかみさんとしてたくましく生きた、明るくバイタリティに溢れ魅力的な朝子さん。叔母の緋紗子さんもとてもいい人で印象に残りました。作者自身と思われる世以子さんが面白くて、山口さん、ますます好きになりました。面白かったです!
読了日:10月12日 著者:
山口恵以子
しあわせなミステリーの
感想柚月さんのは既読。伊坂さんは殺し屋シリーズ、中山さんは風の又三郎オマージュ、吉川さんはハラマキシリーズ。タイトル、合ってないのでは?
読了日:10月12日 著者:
伊坂幸太郎,中山七里,柚月裕子,吉川英梨
赤い刻印の
感想4つの短編、赤い刻印・秘薬・サンクスレター・手に手を。どれも重くて読後にどっと疲れるのです。あまり自分には合わない作風なのですが、やはり新作が出ると気になって読んでしまう、そんな長岡弘樹さん。介護問題を描いた「手に手を」が最も印象に残りました。
読了日:10月13日 著者:
長岡弘樹
共犯捜査 (集英社文庫)の
感想「捜査」シリーズ第3弾。福岡県警捜査一課の皆川は、元長距離ランナーで風貌は刑事に見えないタイプ。シリーズ第1弾ではあまり存在感のなかった皆川が身代金目的の誘拐事件の捜査に。事件の黒幕の犯行動機があまりにもなさけなく、幼い命が奪われたのは残念でした。共犯は誰なのか?中々楽しめました。
読了日:10月14日 著者:
堂場瞬一
玉依姫の
感想面白かった~!烏と大猿との関係に加えて、山神とゴクと呼ばれる娘たち。期待に違わぬ展開に一気に読了しました。志帆、素敵です。
読了日:10月14日 著者:
阿部智里
天晴れアヒルバスの
感想アヒルバスの新人バスガイドだったデコも、後輩たちを束ねるベテランに。バスガイドたちの企画したツアーも盛況で、外国人向けオタクツアーまで!山本作品おなじみのサービス出演も多々あって楽しめました。アヒルバスでデコのガイドのツアーに参加してみたいですね~。面白かったです!
読了日:10月14日 著者:
山本幸久
6月31日の同窓会の
感想女子校に通った経験がないので、こんなにドロドロした人間関係は想像出来ません。なぜ、6月31日なのかがラストで明らかに。登場人物の多さと時系列でやや脳内が混乱、でも一気に読ませる実力はさすが真梨幸子!
読了日:10月16日 著者:
真梨幸子
あしたの君への
感想家裁調査官補・通称「カンポちゃん」の望月大地。実際に案件を担当するも自信を失うことばかり。大地の成長譚として、さわやかな読み心地でした。作中の離婚問題の調停委員は、ちょっと古い価値観の持ち主なのかな?続編が出たら読みたいですね。
読了日:10月16日 著者:
柚月裕子
娘役の
感想宝塚に魅せられたヤクザの組長!ちょっと有り得ない設定ながら、ストーリー展開が面白くて楽しく読了しました。うーん、ちょっとラストは切なかったなぁ。娘役・野火ほたるの成長譚としても楽しめました。
読了日:10月16日 著者:
中山可穂
裁く眼の
感想売れない漫画家・鉄雄は、似顔絵の上手さをかわれ急きょ法廷画家を務めることに。美しすぎる被告の絵を描き上げたその日に何者かに襲われた鉄雄。裁判の行方と鉄雄襲撃の謎が気になり一気に読了しました。中学生の姪・蘭花がやや走りすぎで、違和感。久々に我孫子さんの作品を読みました。
読了日:10月17日 著者:
我孫子武丸
人生相談。の
感想登場人物がすっきりとしない。人物相関図が欲しかったですね。よろず相談室に寄せられた相談、居候に乗っ取られた平屋から広がってゆく物語。不気味な雰囲気だけは印象に残りそうです。
読了日:10月17日 著者:
真梨幸子
七人の敵がいるの
感想5年ぶりに再読。やっぱり面白くて一気に読了しました。続編がすごく楽しみです。
読了日:10月18日 著者:
加納朋子
ジニのパズルの
感想ジニという少女の心の叫びが胸に迫りました。人は生まれる場所を選べない、オレゴンの地でステファニーにあえて良かったね、ジニ。崔実さん、初読み。
読了日:10月18日 著者:
崔実
四十八人目の忠臣の
感想忠臣蔵と言えば、堀部安兵衛か大石内蔵助というイメージで読み始めましたが、藩主の正室・阿久利の侍女「きよ」を主人公に描かれた物語。討ち入りまでと、その後の展開。きよが帯びた密命とその驚きの結末。面白かったです。
読了日:10月19日 著者:
諸田玲子
わが心のジェニファーの
感想生まれてすぐに両親が離婚し、厳格な元軍人の祖父と祖母に育てられたラリー。美しい恋人ジェニファーにプロポーズすると、まず彼女が愛する国「日本」を一人で旅をしてくるようにと。ちょっと内気な米国人ラリーが見た日本は?中々面白く、軽く読み終えました。ラストも良かったです。
読了日:10月19日 著者:
浅田次郎
ゼロワン 陸の孤島の司法書士事件簿の
感想登記をするお仕事くらいの認識しかなかった司法書士という職業。若手の司法書士が群馬県の過疎の村で開業し、様々な事件と向き合う。面白くないわけではありませんが、主人公に魅力が不足。前橋の大手事務所を離れる事情とかもっと詳しく知りたかったです。著者の本2冊目。
読了日:10月20日 著者:
深山亮
くれなゐの紐の
感想祝言の前日に身投げをしたはずの長姉ハルが生きていた!?姉を追い浅草六区にやってきた仙太郎と少女ギャング・紅紐団。混沌とした大正時代の風俗が垣間見え、面白かったです。ハルのバイタリティが凄い。
読了日:10月20日 著者:
須賀しのぶ
失踪者の
感想ペルーのシウラ・グランデの氷河で命を落とした親友・樋口。10年の時を経て遺体を回収に赴いた真山が見た遺体は、歳を取っていた。孤高の登山家樋口と、彼を信頼しあこがれ続けた真山。たどり着いた真実が切なかったです。下村さん、期待通りの力作でした。お勧め本です。
読了日:10月21日 著者:
下村敦史
失踪.Com 東京ロンダリングの
感想前作がすごく面白かったので期待しながら手にしましたが、ちょっと薄いかなぁ。。高齢化のこのご時世、事故物件と呼ばれる不動産が増えることは必至、もう少しロンダリングに焦点を絞って続きを読んでみたいですね。
読了日:10月21日 著者:
原田ひ香
福音の少年 (角川文庫)の
感想旅のお供本。既読感あるなぁと思ったら単行本で読んでいたようです。藍子は可哀そうだけど、巻き添えになったアパートの住人はもっと気の毒。終わり方もスッキリしなくて残念。
読了日:10月22日 著者:
あさのあつこ
分かれ道ノストラダムスの
感想友達の三回忌を過ぎても、心の痛手から立ち直れない・日高あさぎ。しっかり者の同級生・八女くん、彼のスーパー高校生ぶりにちょっとビックリ。世紀末の高校生たちの成長譚として、中々面白かったです。あさぎのお母さん、良いなぁ。前作とは全く違うテイストで、深緑さんの次作に期待大です。
読了日:10月22日 著者:
深緑野分
([お]7-8)真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 (ポプラ文庫)の
感想希実の出生の秘密とお家騒動、ブランジェリークレバヤシの危機、怪しさいっぱいの榊。母律子にまさかの展開と物語もフィナーレが近いのか・・・。早く続きが読みたいです。
読了日:10月23日 著者:
大沼紀子
この女の
感想新興のホテルチェーンの社長に頼まれ、彼の妻の自伝小説を書くことになった礼司。その女・結子は気ままでとらえどころのない人物。1994年から95年の1月、あのころの大阪から神戸の風物を巧みな技法で描いた一書。大輔が生きていてくれてよかったです。
読了日:10月24日 著者:
森絵都
陸王の
感想足袋屋「こはぜ屋」の挑戦物語。先細る事業の行く末を何とか打開したいと社長・宮沢が挑んだランニングシューズ開発。資金・素材の調達はもちろん、大手メーカーの妨害など、幾多の困難にめげないものづくりへの情熱。面白かったです。
読了日:10月25日 著者:
池井戸潤
みかづきの
感想公立小学校の用務員室で、子供たちに勉強を分かりやすく教えていた吾郎が、千明に誘われ学習塾を立ち上げる。教育に携わる家族の三代記、時代の移り変わりと教育現場の変遷、とても面白く一気に読了しました。知っている場所が舞台で、親しみを感じました。
読了日:10月26日 著者:
森絵都
デトロイト美術館の奇跡の
感想亡き妻に教わった美術館の楽しみ。市の財政破たんのあおりで存続の危機に陥った美術館を救った、一人の老人の思い。104ページと短い本ですが、中身はぎゅっと詰まった、とても素敵な1冊でした。
読了日:10月26日 著者:
原田マハ
あおぞら町 春子さんの冒険と推理の
感想プロ野球の2軍選手の妻・春子さんが、夫を支えつつ日常の謎を解く物語。捨てられた白い花は、「アンソロジー『捨てる』」で既読。春子さんとダンナさんの拓郎さんのご夫婦、とても素敵なカップル。続編で二人の活躍を読めるのを楽しみに待ちたいですね。
読了日:10月27日 著者:
柴田よしき