ゆみねこ日記

日常日記です。

11月の読書記録

2021-12-01 10:35:07 | ブックレビュー
11月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:8864
ナイス数:3747

チグリジアの雨チグリジアの雨感想
母親の再婚で田舎の高校に転校した成瀬航基は壮絶ないじめのターゲットにされる。ついに自殺を決意した航基の前に現れたクラスメートの月島咲真。咲真に持ちかけられた「復讐ゲーム」の顛末は…。「チグリジア」の花言葉の意味が心に迫る。重いけど多くの人に読んで貰いたい1冊。
読了日:11月02日 著者:小林 由香
ディープフェイクディープフェイク感想
夜の繁華街を見回り、生徒間の事件を解決したことでメディアに取り上げられテレビ出演し「鉄腕先生」と呼ばれる中学教師・湯川。週刊誌に身に覚えのない女子生徒とのホテル密会を載せられ、ネット上にAI による合成写真が拡散された。名誉も仕事もすべて失った湯川は真相究明に挑む。怪しい人物は途中で解ったが最後まで頁を捲る手が止まらず一気読み。面白かった!
読了日:11月03日 著者:福田 和代
星を掬う (単行本)星を掬う (単行本)感想
DV 夫から逃げる千鶴が頼った「さざめきハウス」には自分を捨てた母・聖子がいた。聖子をママと呼ぶ恵真と娘に捨てられた彩子との共同生活。読み進めるうちに心に突き刺さる言葉の数々、数多の母娘を描いた小説の中でもこれほどの感動を与えられたことはなかった。今年のベスト本になりそう。
読了日:11月03日 著者:町田 そのこ
砂に埋もれる犬砂に埋もれる犬感想
男に媚びることしか出来ない母・亜紀に小学校にも通わせてもらえず食事も与えられずにいた優真。コンビニ店主の目加田が救いの手を差しのべ里子として暮らし始めたが…。普通の家庭生活を知らず躾をされずに育って来た優真が抱えるもの、歪んだ憎悪の行方。ラストは読者の想像に委ねると言うことなのか?この先の優真はどうなるのか?
読了日:11月04日 著者:桐野 夏生
婿どの相逢席婿どの相逢席感想
仕出屋「逢見屋」の入り婿となった鈴之助。代々女将が商売を仕切るお店で鈴之助はその持ち味でお店をもり立てる。サクサク読めて楽しかったです。
読了日:11月05日 著者:西條 奈加
バスクル新宿バスクル新宿感想
新宿の大型バスターミナル・バスクル。そこを起点に多くの人が行き来する。SAでバスに戻らず消えた女性、サークル仲間が部費を持ち逃げし彼の行方を追う学生、落とした修学旅行のお土産の謎、結婚式からの帰りバスの中で警察の取り調べが…。最終章の小学生行方不明で繋がる人々。あぁ、随分長くバス旅していないなあ。良い本でした。
読了日:11月06日 著者:大崎 梢
7.5グラムの奇跡7.5グラムの奇跡感想
眼科医院に勤める新人視能訓練士・野宮。少し不器用だけど瞳を見つめることが大好きで真摯に仕事に向き合い成長して行く姿が清々しい。砥上さんの二作目、期待通りの素晴らしいものだった。
読了日:11月07日 著者:砥上 裕將
しらべるちがいのずかんしらべるちがいのずかん感想
からいシシトウとからくないシシトウ、これはためになりました。楽しんで読了!
読了日:11月07日 著者:おかべ たかし
海神海神感想
東日本大震災で被災した三陸沖の離島・天ノ島。本土からの支援は足りず途方に暮れる住民たち。そこに救世主として現れた遠田政吉。NPO法人代表として多額の復興支援金を操るが、わずか2年で事業は破綻、4億2千万円が消えた。希代の詐欺師に騙された島民と10年を経て被災児が海から拾った金塊の繋がり。人を操る遠田、影のように付き従う江村、善意からボランティアを志願した姫乃、真相を追う新聞記者の一朗。染井さん、読ませてくれます!お薦め!
読了日:11月09日 著者:染井 為人
能面検事の奮迅能面検事の奮迅感想
もっと壮大なストーリーかと思っていたけど、肩透かし。あまり印象に残らないかも。
読了日:11月10日 著者:中山 七里
焼けた釘焼けた釘感想
後輩の萌香が殺害された。その犯人を自力で探そうとする先輩の千秋は、萌香の格好を真似て彼女と関わりのある男たちに接触するが…。平行して進むストーリーがラストで重なる興奮。なるほど!第8回「暮らしの小説大賞」受賞作。くわがきあゆさん初読み。
読了日:11月11日 著者:くわがき あゆ
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)感想
沖縄の夜の街で生きる若いシングルマザーたち。家庭環境や暴力から逃げ、思いがけず妊娠する…。生きるためには夜の街で働かざるを得ない。障害を持つ娘を抱え夜間高校を卒業し看護学校に進み看護師になった「カバンにドレスをつめこんで」が一番印象に残った。ここに取り上げられた事例はほんの一部なのだろう。彼女たちが幸せでいて欲しい。上間陽子さん、初読み。
読了日:11月11日 著者:上間陽子
ペッパーズ・ゴーストペッパーズ・ゴースト感想
中学校の国語教師・檀は「他人の明日」が少しだけ観える。不登校気味の教え子から渡された奇妙なコンビが活躍する「小説の原稿」、悲惨なテロで大切な人を失った❲サークル❳のメンバーたちの企て。すべてが交錯して回る世界。まさに伊坂ワールド!ネコジゴハンターの二人の会話の掛け合いは楽しい!
読了日:11月13日 著者:伊坂幸太郎
夜が明ける夜が明ける感想
現代日本の抱える若者の貧困・虐待・過重労働。高校で出会ったアキと俺。アキが劇団に入り俺がテレビ制作会社に入ってからの暮らしぶりが辛くて…。声を上げることの出来ない人々に気付くことは出来るのか?俺には中島さんや森が居てくれて、アキにも彼を理解してくれる人がいて良かった。
読了日:11月14日 著者:西加奈子
邯鄲の島遥かなり【下巻】邯鄲の島遥かなり【下巻】感想
イチマツの帰島から始まった壮大な物語も最終章へ。戦後の島の復興、野球に熱中する少年たち、一ノ屋の終焉と新しい時代。最終章は島の火山噴火と全島民避難から大きな災害を経てイチマツの末裔の未来を暗示させる大団円。読み応えのある長編、大満足で読了しました。
読了日:11月17日 著者:貫井 徳郎
ミッキーマウスの憂鬱ふたたび (新潮文庫)ミッキーマウスの憂鬱ふたたび (新潮文庫)感想
TDLの清掃スタッフ=カストーディアルキャストとして働く19歳の永江環奈。パークの顔・アンバサダーを目指し果敢に挑戦する。自分に自信を持てない環奈が夢に向かって挑戦することで成長して行くストーリーは爽やかな読後感で面白かった。シリーズ16年ぶりの続編で嬉しい登場あり。
読了日:11月17日 著者:松岡 圭祐
JR上野駅公園口JR上野駅公園口感想
貧しさゆえ出稼ぎで家族を養って来た男の生涯。21歳の長男を突然死で失い、出稼ぎを終え夫婦で穏やかな老後を過ごそうとした矢先の妻の死。孫娘に迷惑をかけたくないと上京し上野でホームレスに…。皇族が訪なう度に「山狩り」と称するホームレスの追い出しがある現実。天皇と同じ日に生まれ皇太子と同じ日に授かった長男。何とも皮肉でやりきれない読後感。
読了日:11月18日 著者:柳 美里
ぼくらはアンぼくらはアン感想
無戸籍の諒佑と美子の双子の兄妹、ヤクザの親分の息子・誠、不法滞在者の子供マヨンチットとククリン姉弟。複雑な事情で学校に通えない5人の子供たち。彼らを見守り指導したじいちゃんの存在。山里で楽しく豊かに暮らしていた少年時代、成人して弁護士事務所で働く諒佑のもとに誠の捜索依頼が。誠の失踪の謎が隠されていた大きな秘密を明らかにする。読了後タイトルの意味が心に突き刺さります。伊兼さん、凄い作品を書いて下さりありがとうございます!お薦め!
読了日:11月20日 著者:伊兼 源太郎
がん消滅の罠 暗殺腫瘍がん消滅の罠 暗殺腫瘍感想
人間を人工的にガンにさせる?住宅ローンのガン団信を利用した詐欺事件の疑い、相次ぐ医師殺害事件。その影に代替医療の闇が。DNAを利用したトリックもありマッドサイエンティストたちはまだまだ暗躍しそう。夏目・羽鳥の正義と闇の医学者たちとの対決はまだまだ続くのでしょうね。
読了日:11月21日 著者:岩木 一麻
幻の旗の下に幻の旗の下に感想
幻の1940東京オリンピックの代わりに計画された「東亜競技大会」。開催に漕ぎ着けるまでの労苦。日本とハワイ、二人の若者の友情の物語でもあった。
読了日:11月21日 著者:堂場 瞬一
塞王の楯塞王の楯感想
決して破られない石垣を造ろうとする石工の匡介と、どんな城でも落とす砲を造る鉄砲職人の彦九郎。関ヶ原の決戦前夜大津城を舞台に職人の対決が。穴太衆vs 国友衆、西国無双と呼ばれる立花宗茂等の魅力的な登場人物。何と言っても素敵なのは京極高次とお初夫妻!560頁の分厚さも何のその、一気に読破出来ました。面白い!お薦めです!
読了日:11月23日 著者:今村 翔吾
月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ感想
散歩中に拾った「たすけて」のメモ。女子中学生の行方不明事件と解決、近所の老女が倒れ救急搬送、お草さんのおせっかいぶりは相変わらず。久実のプライベートも色々ありそうで。親子や家族の問題は立ち入れない事情もありお草さんのスタンスは変わらず物語もこの路線で続くのだろう。中学校の校長、最低…。
読了日:11月24日 著者:吉永 南央
透明な螺旋透明な螺旋感想
房総沖で男性の他殺遺体が発見され姿を消した恋人の行方を探す草薙と内海。恋人・島内園香と行動を共にする年配の女性の関係先に横須賀で認知症の母を介護する湯川の名が。派手なトリックもなくガリレオシリーズの今までの作風と違ってはいたが秘められた過去が明かされたり中々読み応えがあった。
読了日:11月25日 著者:東野 圭吾
笑うマトリョーシカ笑うマトリョーシカ感想
面白かった!四国・松山の名門男子校で出会った清家と鈴木。代議士になった男と政策秘書となった男。高校の生徒会長選挙、恋愛で目標を見失いそうになる大学時代、官房長官にまで上り詰めた男に違和感を覚える女性記者。誰が男を操っているのか?最後まで一気に読破。早見さんの最高傑作。お薦め!
読了日:11月26日 著者:早見 和真
聖刻聖刻感想
大物司会者の息子が起こした殺人事件。被疑者は警察に出頭したが動機に関しては口を閉ざす。取り調べに当たる柿谷晶に下された指示は被疑者の家族に寄り添うこと。そして被疑者家族に襲いかかるネットでの書き込みと悲しい事件。晶にしか出来ない役割、被害者と加害者の狭間の苦悩を知る者だから。堂場作品のスター勢揃いの大サービス、新しいシリーズ開幕編。
読了日:11月27日 著者:堂場 瞬一
月夜の森の梟月夜の森の梟感想
病で逝った夫・藤田宜永さん。お二人が過ごした37年と喪失感を妻の小池真理子さんが朝日新聞に綴った52編のエッセイ。互いが互いの「かたわれ」だったと言うお二人の過ごした日々、過去の記憶の不意打ち。折しも年下の友人が同じ病で逝った日に読了。
読了日:11月28日 著者:小池 真理子
赤と青とエスキース赤と青とエスキース感想
赤と青、1枚の絵画(エスキース)が繋ぐ素敵な物語。メルボルンで出会った若い男女の少し悲しい恋物語がエピローグでの嬉しい驚きに。粋な仕掛けで良い読み心地の1冊、お薦めです。
読了日:11月29日 著者:青山 美智子

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