ゆみねこ日記

日常日記です。

10月の読書記録

2015-11-01 13:06:55 | ブックレビュー
10月は印象に残る本、面白い本にたくさん出会えました。

下村敦史さんの「生還者」、デビュー3作目にしてこの
完成度の高さ!
山岳小説は、大好きなので特に満足感も大きいです。

古内一絵さんの「痛みの道標」
こちらは戦争を描いたもの。
戦後70年と言う節目に、様々な戦争を描いた本を読みま
したが、これはとても印象に残りました。

話題の「君の膵臓をたべたい」も読了。
あまり本を読んでいない若い人にも手に取ってもらえる内容。
中々良かったですが、ひねくれた還暦おばさんには涙ぼろぼろ
とまでは行かなかった~(笑)



2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:32冊
読んだページ数:11409ページ
ナイス数:3700ナイス

君の膵臓をたべたい君の膵臓をたべたい感想
人付き合いが苦手な男子高校生がふと手にした1冊の文庫本、余命宣告を受けた同級生桜良が綴る「共病日記」から始まる二人のつながり。二人の会話のテンポになじむまでちょっと時間がかかりましたが、タイトルの意味がラストまで読むと納得。作家のような名前の男子高校生の成長物語でもあり、純愛物語でもありますね。心が美しい若い世代の人にはぴったりの作品では?
読了日:10月2日 著者:住野よる
東京難民東京難民感想
東京の私大3年生の時枝修は、ある日突然学費の未払いを理由に大学を除籍になる。敷金礼金なしの家具付きマンションも追い出され、生活のすべてを失う。仕事を探し自立しようともがけばもがくほど陥る貧困の暮らし。修の無知といい加減さにイライラしながらも、その先が気になって一気に読了しました。ホストクラブの仕組みやら、日雇労働、ホームレスの暮らし等々、格差社会の闇が見えたようで恐ろしくなりました。最後は修の成長がうかがわれ読後感は悪くなかったです。
読了日:10月3日 著者:福澤徹三
麒麟の舌を持つ男麒麟の舌を持つ男感想
これは面白かったです。麒麟の舌と言うのは、絶対音感のように食べた料理を再現できる能力をもつ人間のこと。最期の料理人と呼ばれる男「佐々木」は、旧満州国の料理人・山形直太朗が作成した「大日本帝国食菜全席」のレシピ探しを依頼される。戦争末期の満州で起こったことの真実が明らかになったとき、すべての謎がとけ、「佐々木」の人生にも大きな転機が。お勧め本です!田中経一さん初読み。
読了日:10月3日 著者:田中経一
柿のへた 御薬園同心 水上草介柿のへた 御薬園同心 水上草介感想
小石川御薬園の同心「水上草介」が、日常の謎を解いてゆく。ほっこりとした読み心地で、楽しく読了しました。
読了日:10月4日 著者:梶よう子
森に眠る魚森に眠る魚感想
都内の文教地区に住む5人のママの物語。どの母親にも共感出来なくて辛い読書になったのですが、先が気になって一気に読了。人と比べるのではなく、自分の身の丈にあった暮らしが出来ることが理想だと思うのですが、いざ自分の身に降りかかってきたら冷静でいられないのでしょうね。名作だと思います。さすがは角田さん!
読了日:10月7日 著者:角田光代
空棺の烏空棺の烏感想
期待通りの面白さ!雪哉がますます格好良くなって、成長ぶりが素晴らしい。勁草院で訓練に励み、友情をはぐくみ、そして宗家の謎も明らかになり。猿との戦いもいよいよ本格化しそう、次巻が待ち遠しいです。
読了日:10月9日 著者:阿部智里
ワクチンX(エックス)ワクチンX(エックス)感想
自分の性格を変えられる、夢のようなワクチンが開発される。自らワクチン投与第一号となり、販売会社の社長となった翔子。性格を変えたことで人間は幸せになれるのか?深い内容を桂さんの読みやすい筆致で描かれているので、サラリと読了出来ます。私だったら、どんなワクチンを希望するかしら?
読了日:10月10日 著者:桂望実
きわこのこときわこのこと感想
まさきとしかさん、2作目。関わった人を不幸に陥れる「きわこ」と言う女。貴和子自身は幸せだったのでしょうか?虐待・DVのシーンが出てくるので、決して読み心地はよくありませんが、先が気になり一気に読了。イヤミス好きな人には好きな本だと思います。
読了日:10月11日 著者:まさきとしか
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)感想
やくざの大幹部が殺され、容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟「山内練」。かつて練を逮捕した麻生は彼の変貌ぶりと彼を忘れていた事実に愕然とする。。あー、このボリュームの本なのに、先が気になり一気に読みました。感想は下巻で。
読了日:10月11日 著者:柴田よしき
聖なる黒夜〈下〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈下〉 (角川文庫)感想
面白かったです!上下巻、かなりのボリュームでしたがページをめくる手を止められず一気読みでした。10年前の練の事件とそこからの凄まじい転落と変化。練・韮崎、そして龍の複雑な想いと龍の周辺人物たちとの関わり。これはシリーズを全部制覇したくなりました。しばらく柴田よしき祭りになりそうな予感。
読了日:10月12日 著者:柴田よしき
ミネルヴァの報復 (ミステリー・リーグ)ミネルヴァの報復 (ミステリー・リーグ)感想
弁護士会館で起こった女性殺人事件。そしてその夫が裁判所と弁護士会館を結ぶ地下通路で殺害された。犯人は途中でこの人かなって予想は出来ましたが、男のいい加減さとそれに騙される女の愚かさにちょっとガッカリ。弁護士出身の作者ならではのサービス満点な作品だと思いますが、もうちょっと重厚な作品を期待したいと思います。
読了日:10月13日 著者:深木章子
キングキング感想
マラソンのオリンピック代表3枠のうち、残り一つを争う選考レース。安定した走りで常に完走するものの優勝できない「青山」、ガラスのエースと呼ばれる「須田」、力はあるのに問題発言で一度は失敗して復活を目指す「武藤」。青山に持ちかけられる執拗なドーピングの誘い。最後はどうなるのかと先を急いで読みました。どなたかの感想にもありましたが、女性記者がどうも鼻について好きになれませんでした。この季節、長距離がテーマの本はやはり心を引かれますね。
読了日:10月14日 著者:堂場瞬一
珈琲屋の人々 宝物を探しに珈琲屋の人々 宝物を探しに感想
珈琲屋シリーズ第3弾。行介のお店を訪れる人はみな心に問題が…。今回も男と女の悩みが。古本屋の夫婦の話が切なかったですね。冬子の母典子さん、ちょっと嫌な感じでした。ようやく行介と冬子の未来が見えて来ましたね。
読了日:10月14日 著者:池永陽
僕とおじさんの朝ごはん僕とおじさんの朝ごはん感想
読み終えて表紙を見てじんわり。誰の視点で話が進んでいるのか捉え難くて、ちょっと読み難さはありましたが、面倒くさそうに仕事をしていた健一が、英樹との出会いを通じて変わって行く姿がとても良かったです。
読了日:10月15日 著者:桂望実
院内カフェ院内カフェ感想
中島たい子さん初読み。とある総合病院の受付近くにある、チェーン展開しているカフェ。そこで働くパートの視点・お客として訪れる様々な人々。中々おもしろかったです。
読了日:10月16日 著者:中島たい子
生還者生還者感想
これはお勧めです、面白かった!ヒマラヤの雪崩事故、奇跡の生還者。どちらが真実を語っているのか?最後まで集中を切らさずに読み切れました。下村さん、次の作品を読むのが本当に楽しみです。
読了日:10月18日 著者:下村敦史
黒い羽 (光文社文庫)黒い羽 (光文社文庫)感想
幼いころから右肩の黒い瑕に悩む君島典子。遺伝子治療に一縷の望みをかけ、山奥の研究施設へ。そこで起こっていたおぞましい出来ごとと、典子の家族に秘められていた辛い過去。途中のグロいシーンはささっと読み飛ばす…(笑)東京を離れると言う典子の選択で明るい未来がうかがえるので読後感はまずまずでした。
読了日:10月19日 著者:誉田哲也
紺碧の果てを見よ紺碧の果てを見よ感想
会津出身の兄と妹。兄は遠縁の永峰家の養子となり海軍の士官となり、妹は彫刻家の道に進む。戦争に翻弄される若い命、戦況の部分は少し読み飛ばし気味に読了しましたが、皆川の言葉と主人公鷹志の言葉、やはり生ききらなければならないと強く感じる読後です。途中で雪子の手紙を挟む構成は中々良かったですね。
読了日:10月20日 著者:須賀しのぶ
痛みの道標痛みの道標感想
古内一絵さん、初読み。これはお勧めです!登録数が少ないのは残念。ブラック企業で行き場を失い、命を断とうとした八重樫達希は15年前に亡くなった祖父に助けられ、取引を持ちかけられる。南方の戦争、インドネシアのカリマンタン島で起こっていた悲惨な出来事と祖父の来し方。逃げるような生き方しかできなかった達希が、祖父の過去と向き合うことで成長してゆく。最終章では涙が止まりませんでした。戦争に正義はない、人として許されざることだと強く感じました。
読了日:10月21日 著者:古内一絵
冬の喝采冬の喝采感想
黒木さん、初読み。ご本人の長距離ランナーとしての自伝小説。天才瀬古俊彦と同じ時を早稲田大学競走部で過ごし、中村清監督の指導のもとでストイックな選手生活を送る。中村監督の強烈な個性が印象に残る1冊です。
読了日:10月22日 著者:黒木亮
悲素悲素感想
あの、和歌山毒カレー事件を医学の見地から描いた大作。医学的用語が多くて苦戦しましたが、主人公である九州大学の沢井教授の真摯な姿勢、何としても事件を解決させようと言う和歌山県警の捜査員の熱意。そして死刑囚となったあの犯人…。なんと恐ろしい事件だったのでしょうか。「本物の医学の力で犯罪をあぶり出す」、作中で主人公が語っている言葉がすべてを言いつくしていると感じました。
読了日:10月24日 著者:帚木蓬生
ヒポクラテスの誓いヒポクラテスの誓い感想
浦和医大法医学教室には強烈な個性を持つ光崎教授が。一見事件性のない死者の遺体を解剖し導き出される真相とは?古手川刑事と研修医真琴のコンビが中々良かったです。渡瀬警部の登場を期待していましたが、これはシリーズになりそうなので、次作を待ちたいですね。
読了日:10月24日 著者:中山七里
ティーンズ・エッジ・ロックンロールティーンズ・エッジ・ロックンロール感想
高校生のバンドに懸ける青春、仙河海を舞台にした爽やかな物語ですね。オヤジエイジロックンロールのT.K.Gもちらりと登場したり、おなじみの仙河海のメンバー早坂希も。あの日を迎えてそれを乗り越えて、「また最初からやりなおせば良いじゃん」と前向きに語り合う匠と遥。仙河海に明るい未来を築いてくれたら良いですね。
読了日:10月25日 著者:熊谷達也
パレートの誤算パレートの誤算感想
生活保護と貧困ビジネスの闇を描いた1冊。何故優秀な先輩ケースワーカー山川は殺害されたのか?一気に読める文章力はさすが柚月さんですが、真犯人の転落のきっかけはあまりにも情けない。刑事若林の印象が読み終える頃に変わりました。
読了日:10月26日 著者:柚月裕子
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠感想
緑子がこういうキャラクターにならざるを得なかったのも、女神がああいう悪事に手を染めるようになったのも、すべて警察組織と言う男社会の弊害なのでしょうか?おぞましいシーンや官能シーン続出でやや疲れましたが、それでも先が気になり一気に読了。これはシリーズを追うしかないですよね。
読了日:10月26日 著者:柴田よしき
JUSTICEJUSTICE感想
元医師でアメリカ帰りの凄腕弁護士鷹野和也が師団坂法律事務所にやって来た。様々な裁判を通して、ひよっこ弁護士芽依が成長してゆく。「正義とはなにか?」がメインテーマの1冊。
読了日:10月28日 著者:大門剛明
砂上のファンファーレ砂上のファンファーレ感想
それなりに幸せに暮らしていたはずの若菜家。母、玲子の病気をきっかけに大きく変化してゆく。頼りないと思われた次男が良い仕事をして、長男もしっかりものでよかった。お父さんがあまりにも頼りなさ過ぎてちょっとイライラ。良いドクターに巡り会えたのは運が良かった?玲子さんとほぼ同世代の自分は、もし自分が病気になったらどうなるだろうと不安も募ります。。
読了日:10月28日 著者:早見和真
サーカスの夜にサーカスの夜に感想
難病を患いその治療薬の副作用で体が大きくならない少年13歳。かつて両親と見たサーカスの一員になるため、大好きなグランマのもとから1人旅立つ。サーカスの面々の個性豊かでその内に秘められた様々な思いと過去。少年の成長物語。小川さんらしい優しい文章でとても読みやすい1冊でした。
読了日:10月29日 著者:小川糸
小袖日記小袖日記感想
雷に打たれて、平安時代の宮中にタイムスリップしたOL。何と紫式部の助手として大活躍…。源氏をよく知っていたらもっともっと楽しめそうでした。印象としてはちょっと薄いかも。内舘さんの「十二単を着た悪魔」の方が好きです。
読了日:10月29日 著者:柴田よしき
今日も一日きみを見てた今日も一日きみを見てた感想
アメショーのトトちゃんが角田家にやってきて、それからの驚きと喜びの日々を綴ったもの。角田さんのトトちゃんに対する溢れんばかりの愛を感じました。あぁ、私も猫と暮らしたい・・・!
読了日:10月30日 著者:角田光代
激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)感想
マラソンのレース中に死者が。オリンピック代表選考レースを舞台に様々な思惑が交錯する。 なるほど、この仕掛けの為には選考レースをこういう形にしなくてはね~! 中々おもしろかったです。鳥飼さん、初読み。
読了日:10月30日 著者:鳥飼否宇
私立探偵・麻生龍太郎私立探偵・麻生龍太郎感想
聖なる黒夜から、このシリーズを知り時系列にそって読み始めてみました。麻生はやはり警察側の人、練は…。想いがあっても許されない、何だか切ないですね。本書は短編ですが、それぞれ依頼された案件の影に一ひねり。面白かったです。所轄刑事は未読なので、そちらも読まなくては。
読了日:10月31日 著者:柴田よしき

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