ゆみねこ日記

日常日記です。

10月の読書記録

2014-11-01 10:50:40 | ブックレビュー
10月のイチオシは、帚木蓬生さんの「天に星、地に花」。

柴田哲孝さんの「中国毒」、上橋菜穂子さんのエッセー
「明日はいずこの空の下」も良かったです!




2014年10月の読書メーター読んだ本の数:39冊読んだページ数:12995ページナイス数:3822ナイス中国毒中国毒感想怖い、怖すぎる。。毎日の食卓に上る食品の中に、とんでもないものが含まれていたら?そして、もっと怖すぎるのは真実を隠そうとする、雲の上のエライ人々。国民を守るどころか、どこか別の国の手先となるような某省庁…。プライベートブランドの食品が、みな危険とは言い難いですが、なるべく不明な添加物や出自のわからないものは口にしないようにしようと思ってしまいます。。読了日:10月1日 著者:柴田哲孝
笑う招き猫笑う招き猫感想女性漫才師コンビ、アカコとヒトミ。身長150センチ60キロのアカコと、180センチを超える長身のヒトミのデコボココンビ。二人の成長と友情の物語。これもお仕事小説のジャンルですね。面白かったです!読了日:10月1日 著者:山本幸久
銀翼のイカロス銀翼のイカロス感想半沢シリーズ第4弾。期待に違わぬ面白さで一気読みでした!敵は新政権の大臣なのか、はたまた銀行内の派閥なのか。「倍返し」も健在で黒崎さんも登場して。この巻のMVPは富岡さん、良い仕事してますね~!読了日:10月2日 著者:池井戸潤
波風波風感想タイトルの波風を含む7編の短編。結婚式前夜に育ててくれた叔母に感謝を伝える「月夜のディナー」と、高校野球の天才投手とその親友を描いた「テンの手」が強く印象に残りました。どの物語もとても良かった。藤岡さんの作品、今のところ外れナシです。読了日:10月2日 著者:藤岡陽子
残虐記残虐記感想小学校4年生の女の子が、若い男に拉致され、工場の2階にある部屋に監禁され1年余りを過ごす。女の子の恐怖と解放されてからの違和感、周りを信じられなくなることの辛さ。事件から25年を経て作家となった被害者は、刑期を終えた犯人から届いた手紙をきっかけに失踪してしまう。こういう事件の被害者は解放されてそこでメデタシメデタシとは行かないことは理解しているつもりではあるが、何ともやりきれない読後感です。桐野さんらしい作風といえば、そうなんだけど。気分が落ち込んでいるときには、読まない方がいいと思いました。読了日:10月3日 著者:桐野夏生
二人道成寺 (本格ミステリ・マスターズ)二人道成寺 (本格ミステリ・マスターズ)感想面白かったです。近藤さんの歌舞伎ものは初読み。実に引き出しの多い作家さんなのだと思いました。この本は巻末にあとがきや、スペシャルインタビューも掲載されていて、近藤さんの人となりがよく分かってお得な気分。次は「胡蝶殺し」を読まなくては!読了日:10月4日 著者:近藤史恵
テミスの求刑テミスの求刑感想検察事務官の平川星利奈の上司、田島検事が殺人事件の容疑者として追われ、逮捕される。裁判で彼を追及するのは、後任の滝川検事。前代未聞の検事の犯罪の真相は?文章は読みやすくてあっという間に読了出来ました。捜査する側が犯罪を隠蔽したならば、それを暴くことは至難の業だなあと思いました。大門さんの作品の中では好きな方ですね。ただ、ヒロイン、あまりにもあちこちで秘密をバラシ過ぎでは?読了日:10月4日 著者:大門剛明
大崎梢リクエスト!  本屋さんのアンソロジー大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー感想10人の作家さんによるアンソロジー。初読みは似鳥鶏さん。宮下さんの「なつかしいひと」と誉田さんの「彼女のいたカフェ」が良かったです。こういう本は、お得感があって良いですね!読了日:10月5日 著者:大崎梢
蟻の菜園 ―アントガーデン― (『このミス』大賞シリーズ)蟻の菜園 ―アントガーデン― (『このミス』大賞シリーズ)感想重くて、苦しかった…。でも、ページをめくる手を止められず。美貌の43歳の女が婚活サイトを利用して複数の男から金を奪い殺害したとされる事件。容疑者の女は地味な介護職、質素な生活をしている。彼女の人間性を描くために追いかけるフリーライターの目線で描かれる人物像。不幸な生い立ちと、それを救うことの出来なかった周辺の人々の焦燥。虐待と共依存がキーワード。読了日:10月5日 著者:柚月裕子
ジンリキシャングリラジンリキシャングリラ感想雄大は硬式野球部を3日でやめ、人力車部に入部することになる。青春真っ盛りな高校生たちの物語。母を想う気持ち、父との関係、珠井さんへの気持ち、うーん、青春だ!猫跨、泥葱街道、鰈腹公園等々、ネーミングが面白くてちょっとツボにハマった。読了日:10月6日 著者:山本幸久
女ともだち女ともだち感想タワーマンションで起こった連続殺人事件。一見無関係に見えた二人の死と、その真相を追う女性ルポライター。女同士は実際全部がこの作品の登場人物のような考え方や感じ方をしているわけじゃないけれど、真梨さんらしいドロドロした、何とも言えない読後感を味わいました。読了日:10月7日 著者:真梨幸子
花咲小路一丁目の刑事 (一般書)花咲小路一丁目の刑事 (一般書)感想花咲小路シリーズ第2弾。【和食処あかさか】に、孫で刑事の淳が同居することに。非番になると商店街の様々な事件の解決を頼まれることに。何と言ってもじいちゃん、ばあちゃんが素敵。あの4丁目の英国紳士も登場したり、根っからの悪党が出て来ないのも読みやすくていい。ミケさん、猫のような女の子!読了日:10月7日 著者:小路幸也
どこの家にも怖いものはいるどこの家にも怖いものはいる感想作中作5編は、ぞわっとする怖さが…。でも、作家三津田氏と編集者三間坂のやり取りが、何とも読み難くて、そのせいなのか眠れなくなるほどの怖さはなかったかも?やっぱり怖いのは中身より表紙かな?私があまり見えない何かとかを感じないタイプだから?うーーん…。読了日:10月8日 著者:三津田信三
わらの人わらの人感想6編の短編、どのお話にも共通しているのは、気弱で自己主張の出来ない人物がふと立ち寄った理髪店でウトウトしている間に思いもよらぬ髪型にされ、そこから反転攻勢が始まると言うストーリー。理髪店の女性店主の人物像は謎のままだけど、これはこれで面白かったです。読了日:10月9日 著者:山本甲士
沖で待つ沖で待つ感想絲山さんの芥川賞受賞作。同期入社の太っちゃんとの交流が描かれていて、とても読みやすかったです。もう1作の勤労感謝の日も良かった。どちらかというと苦手な芥川賞作品ですが、これは読みやすくて好きです。読了日:10月9日 著者:絲山秋子
はじめからその話をすればよかったはじめからその話をすればよかった感想読友さんの感想から手にしました。お子さんたちを育てながらの執筆活動、作家としての日常。ご家族を大事にされている人となりが良く分かって楽しく読めました。読了日:10月13日 著者:宮下奈都
日本一の給食: 「すべては子どものために」おいしさと安心を追求する“給食の母”の話日本一の給食: 「すべては子どものために」おいしさと安心を追求する“給食の母”の話感想北海道置戸町で栄養士をされていた佐々木十美さん。子供たちに美味しいものを食べさせたいという信念で長年学校給食に携わって来られたその生き方に感銘しました。嫌いなものを無理に食べさせると言うのではなく、作り手の工夫や「これ、おいしいよ」と言う言葉かけが大事だということに納得しました。辛くても美味しいものは美味しいと言うカレー、食べてみたいなあ!読了日:10月13日 著者:佐々木十美,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
私に似た人私に似た人感想やり場のない不満を、社会を変革させる小口テロと言う手段に訴える若者たち。格差社会の底辺の人々の不満をあおりテロに走らせる「トベ」。「トベ」は一人ではない。テーマは重いけれど、最終章のオチはちょっと意外でしたね。でも、一気に読ませる筆力はさすがです。読了日:10月14日 著者:貫井徳郎
迎撃せよ迎撃せよ感想航空自衛隊の基地からミサイルを搭載したF2が奪われた。前代未聞の元自衛官によるテロ、背後には北の某国が…。元上司の関わりを探る現役の一尉とその部下たち、スピーディーな展開であっという間に読了。読了日:10月15日 著者:福田和代
HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)感想優等生の委員長と不良少女ヤオ、卒業式の10年後の約束を交わしてその時を迎えた。約束の場所にいたのはヤオの夫と名乗る男で彼女の失踪を告げる。五条辻家の物語と交互に展開し、最初は戸惑ったけれども一気に読めました。ちょっと哀しいエンディングになったけれども、続編も読んでみたいと思います。読了日:10月15日 著者:小路幸也
明日は、いずこの空の下明日は、いずこの空の下感想上橋先生の初エッセー集。お母さまゆずりの好奇心旺盛な少女が、作家になり、文化人類学者となる。17歳でスコットランドを訪れたときの愉快なエピソードから、沖縄やオーストラリアでのフィールドワーク。すべての出来ごとが守り人や獣の奏者に生かされているのだなぁって思いました。これからも益々素敵な作品を生み出して下さりそうですね。読了日:10月16日 著者:上橋菜穂子
雲の王雲の王感想18号・19号と列島を台風が直撃した直後に、この本を読めて良かったです。南雲美晴は気象台に勤務するシングルマザー。雲を見て天気を読む不思議な一族の血を引く美晴と最先端の科学技術との融合、面白く読了しました。台風や局地的な豪雨、竜巻などを制御出来るようになったなら、どんなに素晴らしいでしょうね。読了日:10月17日 著者:川端裕人
星星の火星星の火感想中国から日本に渡って来て商売をしている華僑。彼らにも旧華僑と新華僑の隔たりがある。中国語の通訳をする警視庁の城と刑事上月が「竜生九子」という在日中国人グループを追う。福田さんの作品では、今のところベストです。面白かった!凛子さんと城さんの今後を見てみたいですね。続編が楽しみ!読了日:10月18日 著者:福田和代
山姫抄山姫抄感想とある地方都市でスナック勤めをしていた一花は、粗暴なものを内に秘めた智顕と暮らすことになる。智顕の妻姿子は2年前に失踪して行方知れず。閉塞感のある田舎住まいと夫の一族にまつわる不穏なうわさや山姫伝説。逃げたくても逃げられない一花、スッキリ感は望めないけれど、たまにはこういう雰囲気の本もいいですね。読了日:10月18日 著者:加藤元
阿蘭陀西鶴阿蘭陀西鶴感想井原西鶴の生涯を盲目の娘あいを通して描いたもの。手前勝手でわがままな父を厭う娘が、成長とともに父の自分への思いを知り、心を通わせてゆく。今まで良く知らなかった西鶴のことを知り、当時は本を出すことを出版ではなく出板と読んでいたことなど興味深く読了しました。稿料は版元が大もうけ出来る割に作者はもうからないなど、色々と勉強になりました。読了日:10月19日 著者:朝井まかて
天に星 地に花天に星 地に花感想久留米藩の大庄屋の次男として生まれ、疱瘡で九死に一生を得た庄十郎。やがて彼の命を救った医師鎮水の弟子となり、高松凌水となのる名医となる。悪政に苦しむ民百姓の側に建つ彼の心には「天に星地に花人に慈愛」の言葉が。名作「水神」から約90年の後の物語。じんわりと感動にひたれる良書です。読了日:10月21日 著者:帚木蓬生
糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ感想紅雲町シリーズ4作目。古くからの商店「ヤナギ」の改築と母子の関わり、そこにキナ臭い詐欺事件も関わって来て。お草さんのお店でコーヒーを飲んでみたいという気持ちにはなりましたが、何となくお草さんにイライラして乗り切れず。まだまだ続きそうなシリーズですが、私はひとまずここでリタイア。気が向いたらいつか手に取るかもしれません。読了日:10月21日 著者:吉永南央
Qrosの女Qrosの女感想面白かったです!誉田さんの作品には珍しく(笑)グロいシーンもなく、CMでいちやく有名になってしまった美女をめぐる週刊誌の記者や芸能プロの内情が描かれ興味深く読了出来ました。読了日:10月22日 著者:誉田哲也
鏡の花鏡の花感想6つのお話それぞれのつながり、ある章では亡くなった人が別の章では生きている。不思議な読み心地で少し混乱しそうに。タイトルの「鏡の花」はやはり良かった。どの章にも共通して描かれているのは、思いを伝えることなのかも。好き嫌いは分かれるかも知れませんが、私は好きです。読了日:10月23日 著者:道尾秀介
とっぴんぱらりの風太郎とっぴんぱらりの風太郎感想これは万城目さんらしからぬ(失礼!)本格忍者小説。落ちこぼれの忍者風太郎が瓢箪の中の「あるもの」に魅入られて、大きな戦いの中に身を投じてゆく。分厚さにもめげずに一気に読み切りました。面白かったです。出来ればラストは南の国へと望みましたが、そこは残念!読了日:10月24日 著者:万城目学
きじかくしの庭 (メディアワークス文庫)きじかくしの庭 (メディアワークス文庫)感想桜井美奈さん初読み。読み友さんの感想から手に取りました。恋や友情・家族に悩む女子高校生たちと担任の男性教師。彼自身も恋愛には無器用で。学校の目立たない場所に作られた「きじかくし」の花壇の世話を託された田路の成長物語とも言えるし、とても読み心地のいい本でした。作者ご本人による後書きが素敵でした。読了日:10月24日 著者:桜井美奈
公園通りのクロエ公園通りのクロエ感想ひょんなことから、犬付きの一軒家に住まうことになった男広瀬と、クロエという黒猫と暮らす栞と、オシャレなカフェと。犬と猫、男と女の視点で描かれる物語は素敵なラストシーンへ。ちょっと泣きそうになりました。読了日:10月26日 著者:野中柊
歌舞伎町ダムド歌舞伎町ダムド感想殺人マシンのようなダムドのグロいシーンにはちょっと困惑したけれど、歌舞伎町セブンと暗黒集団「新世界秩序」との今後の戦いから目が離せなくなります。読み始めると一気にのめり込む面白さでした。読了日:10月27日 著者:誉田哲也
約束の地約束の地感想人間と野生動物の共生は理想通りには行かない。八ヶ岳の麓の山林を舞台に人と熊と巨大イノシシが戦う。とても読み応えのある本でした。樋口さんの犬に対する愛情を強く感じましたね。読了日:10月28日 著者:樋口明雄
約束の地約束の地読了日:10月28日 著者:樋口明雄
HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア)HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア)感想HEARTBEETのその後、メグリヤがニューヨークで大活躍。一人の少女の失踪から明らかにされる哀しい家族の真実。いつかはあいつと出会えたらいいのに。読了日:10月29日 著者:小路幸也
妻が椎茸だったころ妻が椎茸だったころ感想5編の短編。どのお話も良かったですが、タイトルの「妻が椎茸だったころ」が素敵でした。私は椎茸だったときの記憶はないけれど、ジュンサイの記憶を語る料理教室の先生、美しい比喩にうっとりしました。勧めて下さった読み友さんに感謝です。読了日:10月29日 著者:中島京子
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂3ふしぎ駄菓子屋 銭天堂3感想第3弾も安定の面白さ!本日のお宝の硬貨の謎は、いつ明かされるのかしら?「しわとり梅干し」や「ミイラムネ」なんかは女心をくすぐる怪しい魅力がいっぱいだし、「留守電でんシール」はちょっと今の世相を反映して。表紙と挿絵の可愛らしさも益々魅力的、次も楽しみに待ちたいですね。読了日:10月30日 著者:廣嶋玲子
ようこそ、わが家へ (小学館文庫)ようこそ、わが家へ (小学館文庫)感想会社帰りに無謀な割り込み乗車を注意したら、何と相手は恐ろしいストーカーと化す。銀行から出向した会社では不正の臭いが。絶体絶命に追い込まれた気弱な主人公倉田さんが、家族の協力と優秀な部下の手を借り問題に挑む。瀕死の猫が無事で倉田家の一員になれたことが良かったです。それにしても逆恨みでこんなことをされたらたまりません。会社の問題もさすが池井戸作品の主人公、キッチリ解決でメデタシメデタシ、面白かったです。読了日:10月30日 著者:池井戸潤
読書メーター
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする