降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★非常時は「福井晴敏」さんだ。

2011年11月14日 | 新聞
一人ひとりの「震災後」があり、今も「震災後」は続いている。


『亡国のイージス』『終戦のローレライ』……非常事態・軍事的緊急事態・国家存亡危機といえば(僕の中では)、福井晴敏さん!
最新刊『震災後/そろそろ未来の話をしようか』(小学館=写真)を読んだ。

3月11日(金)14時46分。
小説は、この悪夢の始まりから数カ月後の、東京・多摩ニュータウンで始まる。
親と子、謎の父親(元防衛庁勤務)、無能無策ぶりを露呈した首相・政府、暴走する原発……わずか半年前の「日本非常事態」を、普通の市民目線で描いている。
やはり、「危機」ものを書いたら巧みだなぁ、福井さん(と麻生幾さん)。

福井さんの小説には、最前線で闘う「現場」のプロ意識と底力で、危機を乗り切るテーマが多い。
最終章「8」までイッキ読みだった。
作品中の
「(前略)悔しく、また情けなかった。子供たちに手渡すはずの世界が失われようとしているのに、自分はなにもできない。ここでこうして涙腺を緩ませているだけの無力な存在だ。
(中略)たかが発電所ひとつのために、日本が滅亡の危機に頻するなんてバカげている。夢なら醒めてくれ。誰でもいいから世界を元通りにしてくれ。」
が堪えた。

【『震災後』オモシロ度=★★★★★】『平成関東大震災/いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった』(講談社)を書いたから豊富なデータ満載。



( ̄▽ ̄)b