Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「のぼうの城」和田竜著(小学館)

2009-12-21 | 日本の作家
「のぼうの城」和田竜(わだ りょう)著(小学館)を読みました。
時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢、石田三成が戦いに向かったのは武州・忍城(おしじょう)。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた城。
城主・成田長親は、領民から「(でく)のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もない。しかし、誰も及ばぬ「人気」がありました。
著者は城戸賞を受賞した新人脚本家であり、脚本を自ら小説化したものがこの作品だそうです。本作は直木賞候補にもなり、今年の本屋大賞第二位を獲得しています。ネタバレありますので、未読の方はご注意ください。

面白かったです!
「時代小説を普段読まない人にこそおすすめ」と帯にありましたが納得。
出だしは地名や人名の漢字が多く、舞台設定を飲み込むまで少し時間がかかりましたが、話にのめりこんでからは一気読みでした。
のぼう様が、今までにない武将像で面白かったです。装丁ののぼう様の顔もイメージぴったり。(表紙の鼻が切れてしまっているのもおもしろいです。鼻の先は折り返しに。

でも、帯にある「石田三成二万の軍勢に、たった二千で立ち向かった男が、いた。」の一文は余計かな。
日本史通の人なら忍城の戦の話は有名なのかもしれませんが、授業で日本史を学んだ程度の私には「秀吉が北条に勝った」話しか知らなかったので、城の人間のほとんどが非戦派だったのに、「え、のぼう様、戦するの!!??」と、とても驚きました。帯を読まず、まったくまっさらな状態で驚きたかった。

この作品はもともと脚本でもあるため、小説がとてもビジュアル的です。
甲斐姫が酒巻に口づけする場面や、のぼう様が「わしは悪人になる」と言う場面。
三成とのぼう様の対面など映像栄えするだろうなーというドラマチックな場面がめじろおし。

なかでもやっぱり田楽の場面が作品の一番のキモでしょうね。
本当にこんなことがあったのですね。のぼう様、豪気!

この作品は現在映画化企画も進行中だそうです。
私も勝手に配役妄想。

のぼう様 ナイツの塙さん。
     顔がのぼう様ぽい。俳優として未知数なところものぼう様ぽい。
     あえて俳優から選ぶなら山本耕史さんなど。

石田三成 上川隆也さん
     三成のまじめな感じを上手く演じてくれそう。

和泉  照英さん。
    豪傑といえば思い浮かぶのはこの人。

酒巻  KAT-TUNの亀梨さん
    アイドル枠。

甲斐姫 柴崎コウさん
    雰囲気があいます。

秀吉  市川亀治郎さん
    最近注目しています。

メインの登場人物で配役が難しいのが丹波です。
小説の中で私が一番好きな人物でもあります!
かっこよくて武力に秀でているというイメージの俳優さんがなかなかいない。
伊原剛志さんとかいいかも。もう少し佐藤浩一さんが若ければイメージが近いかなぁ。ギャラも考えずあれこれ考えられる夢の配役。楽しいです。

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2010.6.23追記

「のぼうの城」のキャストが発表されました!

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=100&id=1251935

万斎さん私、大好きです♪楽しみ~。
ほかの方もかなりイメージにぴったり。三成は誰がやるのでしょうね。

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