「彫刻家の娘」トーベ・ヤンソン著(富原眞弓訳)講談社を読みました。
ヤンソンの自伝的小説で、フィンランドの厳しくも美しい自然が豊かに描かれています。
優しい画家の母親、ユニークな彫刻家の父親、そしてするどい洞察力で周囲の世界を見つめる主人公の少女。
特に「流氷」がよかったです。
少女の夜の一人歩き、岬のそばにとまっていた流氷。
「ランプをつけて、氷の洞穴に投げ込む。ランプはあおむけに落ち、洞穴をぱっとてらした。思っていたとおりの美しい光景だ。照明にうかびあがる夜の水族館、光につつまれたベツレヘムの馬小屋、または世界でいちばん大きいエメラルドみたいだ。」
あまりの美しさに耐えられなくなった私は、流氷を蹴って海に押しやります。
「階段のところでふりかえると、わたしの流氷は緑の灯台のようにかがやいていた。バッテリーは日がのぼるまではもつだろう。島に来るときはいつも新品のバッテリーだから。もうひと晩、もつかもしれない。ひょっとすると、流氷がとけて水になっても、ランプは海の底で光りつづけるかもしれない。」
現実の情景を描きながらとても幻想的な作品です。
ほかにも美しい小石をマーガリンで磨いてぴかぴかにしたり、お父さんの服にコウモリが入り込んで眠ってしまったり、素敵な情景が沢山描かれています。
ハンドメイドに燃える「アイデアおばさん」も面白かった。
ヤンソンの自伝的小説で、フィンランドの厳しくも美しい自然が豊かに描かれています。
優しい画家の母親、ユニークな彫刻家の父親、そしてするどい洞察力で周囲の世界を見つめる主人公の少女。
特に「流氷」がよかったです。
少女の夜の一人歩き、岬のそばにとまっていた流氷。
「ランプをつけて、氷の洞穴に投げ込む。ランプはあおむけに落ち、洞穴をぱっとてらした。思っていたとおりの美しい光景だ。照明にうかびあがる夜の水族館、光につつまれたベツレヘムの馬小屋、または世界でいちばん大きいエメラルドみたいだ。」
あまりの美しさに耐えられなくなった私は、流氷を蹴って海に押しやります。
「階段のところでふりかえると、わたしの流氷は緑の灯台のようにかがやいていた。バッテリーは日がのぼるまではもつだろう。島に来るときはいつも新品のバッテリーだから。もうひと晩、もつかもしれない。ひょっとすると、流氷がとけて水になっても、ランプは海の底で光りつづけるかもしれない。」
現実の情景を描きながらとても幻想的な作品です。
ほかにも美しい小石をマーガリンで磨いてぴかぴかにしたり、お父さんの服にコウモリが入り込んで眠ってしまったり、素敵な情景が沢山描かれています。
ハンドメイドに燃える「アイデアおばさん」も面白かった。