Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「少女ソフィアの夏」トーベ・ヤンソン著(渡部翠訳)講談社

2007-04-23 | 外国の作家
「少女ソフィアの夏」トーベ・ヤンソン著(渡部翠訳)講談社を読みました。
人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと、人生の出口にたたずむ祖母。70も年齢の違うふたりが思うままを対等に、率直にぶつけ合いながらも、互いにさりげなく思いやる日々。ヤンソンさんの母親と姪(弟の子)をモデルにした小説です。

こんなおばあちゃんになりたいなーと思う自然さ、自由さ。
『牧場にて』で牛のフンの歌をソフィアの前で歌いだす姿がおかしい。
『凪』で「死ぬほど○○」という言い方がかっこいいと連発するソフィア、「おばあちゃんって結婚してたの?」と驚くソフィアも少女らしくてとてもかわいいです。
ほかにも『訪問』でおばあさんが古い友達と飲むシェリー酒も印象的。
「なにやら、たいそうすばらしい気がするよ。晩年のひとときを、こうやって、夏も終わろうというときに味わえるというのはねえ・・・。しずかだねえ・・・。だれもが自分の道を歩んでいる。やがてはみんな、おだやかな夕焼けの岸辺で出会うんだ」
『ミミズの研究』はまっぷたつになったミミズの気持ちに思いをはせるソフィアの話。あたまミミズとしっぽミミズの考察が面白かったです。


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