『白痴』(上・下巻)ドストエフスキー著(米川正夫訳)(岩波書店)を読みました。
『白痴』の主人公・ムイシュキン公爵はスイス療養から帰りたて。
周囲からは「白痴・ばか」扱いされますが愛すべき人物。
実際には死刑囚の心情や貧しい娘に心を砕くとてもまっとうな人物です。
ですから、現代風にいうと「ばか」というより、
「浮世離れしている」「ちょっと感覚がずれてる」という感じでしょうか。
彼をはさんで、美しいが長年男性に囲われているナスターシャと、
ナスターシャに愛憎を抱くラゴージン、
ムイシュキン公爵が惹かれる高貴な令嬢アグラーヤなどの関係が入り混じります。
この作品はドストエフスキーらしい、ドラマチックな場面の数々があります。
ナスターシャが10万ルーブリ
(『謎とき「白痴」』(江川卓著)によると現代の価格で1億円くらい!?)を
暖炉に投げてガーニャ(ナスターシャへの求婚者)に素手でとらせようとする場面。
ナスターシャの家にアグラーヤとムイシュキンがのりこむ、火花ちる場面など。
そのような印象的な場面のほかに、短編小説を集めたような挿話も。
ナスターシャの名の日の祝いの場面で繰り広げられる男性たちの
「人にはいえない話」はどれも面白い。
ドストエフスキーの作品は話の構成や会話に厚みがあって、ほんとうに
どれも読み飽きず、深く面白いです。
私はナスターシャと、アグラーヤは生い立ちが違うだけで、芯はとても
似ている女性のような気がします。
ムイシュキンはナスターシャを「狂人」とも呼びますが、
「狂人に見えるほどの一途さ」「かたくなさ」はアグラーヤにも感じられるからです。
この作品は悲劇的な結末を迎えます。
でもどろどろとした暗さよりは、哀しみを読後に強く感じます。
それはそれぞれの人物の「強い想い」がこの結末に向かうしか
なかったからなのではないでしょうか。
『白痴』の主人公・ムイシュキン公爵はスイス療養から帰りたて。
周囲からは「白痴・ばか」扱いされますが愛すべき人物。
実際には死刑囚の心情や貧しい娘に心を砕くとてもまっとうな人物です。
ですから、現代風にいうと「ばか」というより、
「浮世離れしている」「ちょっと感覚がずれてる」という感じでしょうか。
彼をはさんで、美しいが長年男性に囲われているナスターシャと、
ナスターシャに愛憎を抱くラゴージン、
ムイシュキン公爵が惹かれる高貴な令嬢アグラーヤなどの関係が入り混じります。
この作品はドストエフスキーらしい、ドラマチックな場面の数々があります。
ナスターシャが10万ルーブリ
(『謎とき「白痴」』(江川卓著)によると現代の価格で1億円くらい!?)を
暖炉に投げてガーニャ(ナスターシャへの求婚者)に素手でとらせようとする場面。
ナスターシャの家にアグラーヤとムイシュキンがのりこむ、火花ちる場面など。
そのような印象的な場面のほかに、短編小説を集めたような挿話も。
ナスターシャの名の日の祝いの場面で繰り広げられる男性たちの
「人にはいえない話」はどれも面白い。
ドストエフスキーの作品は話の構成や会話に厚みがあって、ほんとうに
どれも読み飽きず、深く面白いです。
私はナスターシャと、アグラーヤは生い立ちが違うだけで、芯はとても
似ている女性のような気がします。
ムイシュキンはナスターシャを「狂人」とも呼びますが、
「狂人に見えるほどの一途さ」「かたくなさ」はアグラーヤにも感じられるからです。
この作品は悲劇的な結末を迎えます。
でもどろどろとした暗さよりは、哀しみを読後に強く感じます。
それはそれぞれの人物の「強い想い」がこの結末に向かうしか
なかったからなのではないでしょうか。
白痴を検索してこちらに流れてきたのですが、いつのまにか旅行記にハマってました。(本末転倒)
お気に入りはトルコ。ブルーモスク! ああ、ブルーモスク! あと、円形劇場が直径150m以上あることを初めて知りました……無知かも。
ちなみに、私の家には妹が買ってきてくれたトルコ土産があります。複雑な文様の刺繍が施された布に、直径10cmぐらいの青いガラスの円盤がぶら下がっているもの。円盤の中央には目玉のような絵が描かれています。妹曰く、一般的なお守りらしいのですが……。
白痴とは全然関係ない話を長々とすいません。
トラックバックさせて頂きました。もしよろしければ、当方のブログも御覧下さい。
私からもトラックバックさせていただきました。
ドストエフスキーの作品の中でも『白痴』は私のかなり好きな作品です。(一番好きなのは『カラマーゾフの兄弟』、次が『白痴』です。)
でも確かにロシア文学は長い、厚い、重い本が多いですよね。読んだらとっても面白いのに読まず嫌いの人が多そうでとても残念に思います。でも読むのが大変だから、私も当分再読はないかも。
トルコは一度訪れて大好きになった国です。
景色はダイナミックだし、ご飯はおいしいし、親切な方がとても多い国でした。
目玉のお守りはナザールボンジュといって、他人の妬みなどの邪視から守ってくれるものだそうですよ。
トルコでは店先や車のアクセサリーに飾っている人を多く見かけました。
『カラマーゾフの兄弟』は未だ手を出せずじまいです……。(泣)
『白痴』『地下室の手記』を読んだ後、『罪と罰』とどっちにするか悩んでいたのですが、悩んでる間に時間がない歳になってしまいました。ああ、一年ぐらい本だけで生活したいっ。
今回書評を行うに当たって、『白痴』を読み返したのですが、確かにナスターシャとアグラーヤはよく似ていますね。決定的に違うのは、ナスターシャの方が不幸だということだけ。(ただし、飽くまで公爵の視点でですが)
お守りの名前を教えて下さってありがとうございます。ちょっと勉強になりました。やっぱり、トルコで『飛んでイスタンブール』を聞く、は一度やってみたいなぁ……。