Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「パルムの僧院(下)」スタンダール著(大岡昇平訳)新潮社

2007-04-07 | 外国の作家
「パルムの僧院(下)」スタンダール著(大岡昇平訳)新潮社を読みました。
城の牢に幽閉されたファブリスをめぐって、パルム宮廷の政争はさらに激しく展開。ファブリスは叔母とムスカ伯爵の政敵でもあるコンチ将軍の娘クレリアに恋をします。
牢の看守であるコンチ将軍の娘クレリアとファブリスが目やしぐさで恋を育てていく様子がロマンチック。上巻よりもテンポよく一気に読んでしまいました。
サンセヴェリーナ夫人が自身の老いを感じ、でもファブリスとクレリアとの恋は許せなくて無理矢理引き離そうと画策するのが辛かった。
才気あふれる女性でもやっぱり嫉妬には勝てないんだなあと。
脱獄やファブリスの裁判に至るまでのムスカとラシとのやりとり、サンセヴェリーナと新大公とのやりとりなど、言葉を選んでうまくことを転んでいく状況、どきどきして読みました。
でもファブリスとクレリアが結婚できていたら違うラストが待っていたのですね。 ちょっとラストせつなかった。


最新の画像もっと見る