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映画版「告白」 

今夜は友人夫妻と『FLOWERS -フラワーズ-』という映画を観る予定だったが、
急きょ友人が事情で来れなくなったので昨年の3月10日のブログでも触れた、
湊かなえ作の話題になった小説「告白」を観た。
 


最近の小説を映画化したものは「さまよう刃」などのように、
原作を読んでから見るとガッカリするのが多いが、
これは映画はとてもいい!

あれっと思う 原作と違う部分もあるのだが、ヘンに映画監督が原作と異なる個性を出そうとしておらず
原作の作者の表現したかった主張や脚色が生かされて映画化されている。
 
松たか子演じる主人公の女教師の 最初の数十分の告白は圧巻!
本同様、みごとに観ているものを物語に引き込んでいく。
このあたり、変化に富んだ映像も見事だし、それがさりげないBGMと相まってすばらしい導入部になっている。

それぞれの登場人物の告白に移った後のテンポが良く、観客を退屈させない。
(テンポの良いのはこの 中島哲也監督 の売りのようだ) 
人物を撮るカメラアングルやライトの使い方などが上手なので
なおさら最後の部分にわずかに使ったCGがちょっと残念。

観る前は 松たか子よりももう少し冷たく暗いイメージの女優のほうがいいのかとも思ったが、
観てみると松たか子も熱演で 感情の抑え と 感情のむき出し の演技は結構よかったかも。

さて、こちらは小説だが、「告白」と同様のテーマの 「天使のナイフ」で話題になった薬丸岳も是非お勧めだ。

彼の作品は やはり殺人などの罪を犯しても少年法などで守られる不条理をテーマにしたモノが多いようだが
小説の組み立てが上手で手抜きがない上質な小説だと思う。



小説や映画の技巧ばかり語ったが、多くの人がこれらの本や映画に接して
”弱者に優しく接する心” を考え直す機会になればと思う。 
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