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いちばん野球の上手かった人

MLBの名選手ケン・グリフィー・ジュニアが引退した。

思えば初めてメジャーリーグの試合を観戦したのが1992年の4月。
仕事で1ヶ月アメリカに滞在したとき、日曜の休日の日だった。
マリナーズvs.レッドソックス 場所はシアトルのキングドーム。
(キングドームは2000年に取り壊され 現在は近隣のセーフコ・フィールドに取って代わられた。)



この試合、ランディ・ジョンソンが投げた。異常に長く感じる手から眼に止まらない速さの球が放たれる様はいまだ目に焼き付いている。ジョンソンの速球も度肝を抜いたがそれよりもそれをちゃんとバットに当てる打者のすごさにも驚いた。

とにかく初めて観るメジャーリーガーの走攻守のスピード感と迫力に圧倒された。
試合の合間の観客の楽しませ方もその当時の日本の野球場に比べたら全然進んでいた。
ピーナツを売るおじさんがお客に投げるのもビックリしたし球場の中の見るモノすべてが刺激的だった。

入団二年目からすでに打率三割をマークしていたケン・グリフィー・ジュニアは入団まだ四年目だったが、すでにケヴィン・ミッチェルとならびチームの顔となり、なんと父親のケン・グリフィー・シニアは同チームに所属し、前年引退したばかりでその時はコーチだった。(1990年には史上初の親子で公式戦スタメンで登場)

写真は観戦時に球場で買ったプログラム。まだ若い。


忘れもしないのは、守備であわやセンターオーバーかと思われた大飛球をグリフィが球をほとんど眼で追わずにフェンスに向かって真っ直ぐに走りジャンプしながら向こう向きでキャッチした。まるで漫画だった!

打撃フォームもしっかり後ろまで引きつけて打つ実にキレイなスイングだった。

とにかくこの時、生まれてから こんなに野球の上手い人は見たことないと思った。それ以降も この人を越える野球の上手いひとには 出会っていないと思う。

幼かった息子のお土産はグリフィーのTシャツだった。


思えば あの時の感動がきっかけで その後も機会あるごとにメジャーリーグの試合を観るようになった。

初めて観戦したその翌年、グリフィーは本塁打46本を放ち、長距離ヒッターに変身した。2000年にシンシナティレッズに移籍してからは故障に泣かされ思うように活躍できないことも多かったが、通算630本の本塁打を残し引退した。
”レバタラ”をいうときりがないが 故障がなかったら「ステロイドなし」でベイブ・ルースの記録も抜いていたかも知れない。

先日の引退は もう私がいると お荷物だから・・・ ということで自ら身を引いたそうだ。
最後の2シーズンは古巣のマリナーズに戻り、グリフィに憧れていたイチローも一緒のチームで終われてファンとしては良かった。

22年間、すばらしい実績を残しての引退。 さよなら いちばん野球のうまかった人・・・・



プロってのは 平たく言えば メシを食ってる ”職業” が ”上手い” はずでしょ。
実績なしで短期間でどんどん辞める日本の最近の総理大臣は爪の垢を煎じて飲んでいだだきましょう。
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