２月２７日（火）ホンダの神頼み

　好景気は東京だけで、隣の埼玉県も不況である。ホンダは何故か埼玉県と縁があって、和光に工場があり、栃木の宇都宮にも工場がある。埼玉は桶川にホンダの飛行場があって、そして２年後辺りに寄居に３０００人の工場を新設するから、家族下請け含めて２万人の人口が増えて、熊谷あたり不況の埼玉県北はこれを大歓迎で迎えているというわけだ。住宅建設はすでに進められているというのだ。
　しかしなあ、ホンダ宗一郎は、根っからの技術屋、バイク屋で、クルマを作り始めたときには、日本の道路事情は悪いし、排気ガスは規制されるし、いやいや、暴走族というのは、ホンダが作り出すわけで、ホンダさえなければと上に言われたし、車会社など辞めてしまいたいくらいに国に苛められた過去があるわけだ。
　野茂と同じわけで、野茂など、近鉄は二度とこいつは日本に帰ってくるなといい、非国民だと、散々なじり倒して、マスコミもそれにまったく従って、そして活躍すれば手のひら返したように大歓迎とは、毎度のように呆れる。
　埼玉北部がいまさらホンダを大歓迎し、どうせ国は、バイオの次世代燃料のクルマは、トヨタかホンダしか作れない、この２会社が世界の自動車産業をリードすると、いまさら煽てても、宗一郎は墓の下でせせら笑いしていると私には思える。
　けっきょく国や周囲のそういうアホ勘違いを乗り越えてまで、後で評価されるものというのは、全員敵に回しても、なお自分の信じることをやるという意味で、ホンダはなかなかのものなのだが、せめてシャッター商店街の熊谷辺りの田舎者に潤いを与えてあげなさいと、応援する。それにしても、おそらく簡単に敵だと乗じてしまう無能な大衆というのは、いつでも愚かな者だとも思う。