Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

u・ma・mi

2018-05-07 |  その他
まだ食に携わるような人の間だけの話かもしれませんが、「ウマミ」という日本語は海外でも認知されつつあるそうです。
日本に来る観光客にとってウマミと言えば、一杯の中にこれでもかというくらい凝縮させて脳に満足を与える、ラーメンが第一位でしょう。



一年半ぶりに大阪へ行ったので、うどんを食べました。
毎シーズン行っていた頃は当たり前のように思っていましたが、久しぶりに行くと前の晩の手の込んだように見える料理より、こちらのシンプルな出汁の方が美味しいから困ります。
入口脇の「頬かむりの中に日本一の顔」という言葉は、その作者がひいきの歌舞伎役者のことを言ったものらしいですが、そのままこの出汁のことかと思いました。
つまむものも美味しくて、夜のため腹にすき間を残すのに一苦労です。

京都へ戻ると、昼は八坂石段下で京風の寿司を食べるのが楽しみです。
こちらも看板メニューから季節のものまで何を食べても美味しく、夜のため抑えるのに迷います。
さらに、昔からある小さな店の親子丼を加えると昼は3日うまり、複数回食べたいとなると長居しなければなりませんが、いずれもほっとする美味しさで、ありがたい存在です。
昔はことさら思わなかったですが、各店の品には何とも言えない旨味があります。

しばらく前から、服にも何だか旨味に似たものを感じていることに気づきました。
その多くは素材も作りもレベルの高い時代の服ですが、幸い現代の我々は「後出しジャンケン」が可能で、テイストが狂ってなくて探究心さえあれば古今の良い服を見て学ぶことが可能です。
そうした眼でよくよく選ばれた素材と、それに見合ったスタイルが練られていれば、着るたびに愛着の増す服が作れることでしょう。

ただ先の店の満足感に追いつくのは、なかなか容易ではありません。
以前たまたま隣り合わせた遊び人風の人が、昨夜口開けに行った超有名店や数日前のどこそこより、今食べてるこの寿司の方が何倍も美味い、と真顔で呟いていたのはこの店でした。



また、音楽にもウマミたっぷりなものがたくさんあります。
例えばたまたまそばにあったオージェイズのベスト盤(ベスト盤は他にもいいのがあります)。
70年代の緻密で洗練されたアレンジを支えていたのは、その後自分達でもヒットを放つほど歌える強力なリズム・セクションでした。
比べて80年代は、打ち込みと電子楽器の雑駁な音が残念ですが、歌の味わいはいつも変わりません。

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