45歳で亡くなった川島雄三監督は、着るものに合わせて時計ベルトを替えていたという話が残っています。
そういうこだわりを聞くと、感覚的に何だか信用できる人なのかなと思いたい気がします。
バランスも気にしたでしょうから、服自体にもこだわったかもしれません。
その川島監督に「風船」という作品があって、原作は大佛次郎の連載小説だそうです。
芸術家肌の父親と母親に溺愛されて育った息子、兄と正反対の心を持つ娘。
それまで放任だった父が息子の行状にたまりかねて叱ったところ、エゴに満ちた言葉で反論してきた息子を一喝するシーンがあります。
「世間の人がやっているから(自分もやって)いいというのは、卑怯でない人間は言わないことだ!」
今も小さな決まり事を守らない人にTV局がマイクを向けたりすると、よく「皆んな、やってるから」という答えがあります。
そういう論調に対する父親のセリフでした。
また、商品や付随するものに不具合があったことを指摘されたところが「今までそんなことなかったから、報告されてないから(自分達に責任がない)」という理屈もこれによく似ています。
目の前にある現実の問題を見ようとしないで、先に守りに入ってしまう。
こういうのはもう過去のセリフかと思っていたら、ダメなところは未だに使うそうです。
20代の頃大手アパレルに入って数年、扱う商品の一部に接着芯の剥離が起きました。
幸いにもそれまでそういう事例がなかったからと言って、商品に問題がないと言い切り、その場を凌ごうとする輩は上にもいませんでした。
大量に売れた製品がシーズン毎にクリーニングに出され、むしろそれまでよく何事もなく来たなと思ったものです。
もちろん再発しないようキレイに復元しました。
その後、上の人達に理解してもらう為少しずつ資料を集め、グレードに関係なく毛芯に移行するよう話をもっていくのに少し時間を要しました。
おそらくその頃、課外活動も忙しかったためです。
結果として、多少時間はかかりましたがほぼスムーズに改善され、他の商品にも質を求める気運が高まりました。
あの時、三橋達也演じる増長したドラ息子のようにナメたことを言っていたら、どうなっていたでしょう。
だいたいにして、「卑怯」なんて通じるのか。
この作品の背景には、戦後11年経ち人の価値観が荒廃していくことを憂う空気があったようです。
日本のこの7年8カ月にもそれは言えるでしょうし、トランプの出現で世界はもっと変わってきたでしょう。
関係ありませんが、森雅之演じる父親は「村上春樹」という役名です。
1956年作品。
そういうこだわりを聞くと、感覚的に何だか信用できる人なのかなと思いたい気がします。
バランスも気にしたでしょうから、服自体にもこだわったかもしれません。
その川島監督に「風船」という作品があって、原作は大佛次郎の連載小説だそうです。
芸術家肌の父親と母親に溺愛されて育った息子、兄と正反対の心を持つ娘。
それまで放任だった父が息子の行状にたまりかねて叱ったところ、エゴに満ちた言葉で反論してきた息子を一喝するシーンがあります。
「世間の人がやっているから(自分もやって)いいというのは、卑怯でない人間は言わないことだ!」
今も小さな決まり事を守らない人にTV局がマイクを向けたりすると、よく「皆んな、やってるから」という答えがあります。
そういう論調に対する父親のセリフでした。
また、商品や付随するものに不具合があったことを指摘されたところが「今までそんなことなかったから、報告されてないから(自分達に責任がない)」という理屈もこれによく似ています。
目の前にある現実の問題を見ようとしないで、先に守りに入ってしまう。
こういうのはもう過去のセリフかと思っていたら、ダメなところは未だに使うそうです。
20代の頃大手アパレルに入って数年、扱う商品の一部に接着芯の剥離が起きました。
幸いにもそれまでそういう事例がなかったからと言って、商品に問題がないと言い切り、その場を凌ごうとする輩は上にもいませんでした。
大量に売れた製品がシーズン毎にクリーニングに出され、むしろそれまでよく何事もなく来たなと思ったものです。
もちろん再発しないようキレイに復元しました。
その後、上の人達に理解してもらう為少しずつ資料を集め、グレードに関係なく毛芯に移行するよう話をもっていくのに少し時間を要しました。
おそらくその頃、課外活動も忙しかったためです。
結果として、多少時間はかかりましたがほぼスムーズに改善され、他の商品にも質を求める気運が高まりました。
あの時、三橋達也演じる増長したドラ息子のようにナメたことを言っていたら、どうなっていたでしょう。
だいたいにして、「卑怯」なんて通じるのか。
この作品の背景には、戦後11年経ち人の価値観が荒廃していくことを憂う空気があったようです。
日本のこの7年8カ月にもそれは言えるでしょうし、トランプの出現で世界はもっと変わってきたでしょう。
関係ありませんが、森雅之演じる父親は「村上春樹」という役名です。
1956年作品。