つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

european jazz trio/ orange city

2016-09-11 13:46:40 | ジャズ




               桔梗(ききょう)


        秋の七草の一つ  桔梗の花の姿のやさしさと、美しい紫の色は、蕪村が「修行者の径(こみち)にめづる桔梗かな」


        と詠んでいるように、旅人の心に深い印象を与えました


        また 斎藤茂吉は「きちかうのむらさきの花萎む時わが身は愛(は)しとおもふかなしみ」と桔梗の花の縮むさまを見て


        自分自身を愛惜しています



               今日聴いたジャズ・・・



       EUROPEAN JAZZ TRIO・・・「ORANGE CITY」




      本作は、カレル・ボエリーがヨーロピアン・ジャズ・トリオ(EJT)のピアニストだった、1989年の作品。


      マーク・ヴァン・ローン(p)に替わって数年が経っても、EJTのスタイルは何のかわりもなく、リリカルで静謐感にあふれ、


      それぞれが自己主張することもない。誰もが、一度は耳にしたであろう曲を選曲し聴きやすく、長い間、愛されているトリオ


      として活動を続けている。



      この「ORANGE CITY」は、全11曲中、5曲(1,5,7,9,10)はカレル・ボエリーのオリジナル、それに加えて


      馴染みのあるスタンダード、あまり演奏されることのない曲も含まれている。



     アルバム一枚をとうして聴いても、静謐でロマンティシズムがあり、EJTの作品の中でも特に穏やかさを醸し出している作品では


     ないかと思う。 EJTがこれほど長く続いている要因の一つとして、フランス・ホーヴァン(b)、ロイ・ダッカス(ds)の存在が大きい。


     彼らもまた、ヨーロッパを代表するミュージシャンにほかならない。



     今日、この作品を取り上げたのは、ジャズ・プロデューサーとして、M&Iを初めとして、多くのアルバムをプロデュースされた


     木全 信氏(きまたまこと)が、今年の7月28日、心筋梗塞の為、78歳で他界されたことを偲んで・・・



     本作はTAIMELESSレーベルながら、本作も、そしてEJTのほとんどの作品は、木全信氏のプロデュースによるものなので、余計に


     アルバムの一枚、一枚に愛着があるのだと思う。



1・ORANGE CITY・・・2・CHATEAU EN SUEDE・・・3・MY SHIP・・・4・ELEANOR RIGBY・・・5・WHAT THE HEC
6・YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS・・・7・GENTLE BRAIN・・・8・BEAUTIFUL LOVE・・・9・PASSAGE OF JACO
10・ROOFIE・・・11・BAUBLES BANGLES AND BEADS



          KAREL BOEHLEE(p)
          FRANS VAN DER HOEVEN(b)
          ROY DACKUS(ds)


         1989年8月27、28日録音




      桔梗



   松かげに咲ける桔梗のいろ深し朝霧ややに海に晴れゆく (山口茂吉)