つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

それぞれの四月

2015-04-06 11:35:59 | ジャズ



   四月。さまざまな花の前線がさざなみとなって通り過ぎて行く月。

   
   白いハナモモが咲き、コブシが咲く月。山ではカタクリの花が風に泳ぎ、


   ヤマブキソウが明るい丘の斜面を黄に染める月。


   柳が芽吹き、カツラの赤い芽が伸び、万物が移ろい行く月。そういう「四月」をギュスターブ・カンは歌った。


   あゝ花開くうつくしき四月よ /  されど若し我が恋人われより遠く /  北の国なる霧の中にあらば / 何かせん、


   四月の新しき歌 / 四月の白きリラの花、野ばらの花も / 梢を縫ひて黄金と開く四月の日光も (永井荷風訳)


   四月の声をきいて「さあ、これからだ」と奮い立つのは青年、「もう一年の四分の一がすぎてしまったのか」と思うのが中年、


   という分類があるらしい。 みなさまは、どちらでしょうか・・・・・




    今日聴いたジャズ・・・


   MATT DUSK・・・「MY FUNNY VALENTINE」
            (the CHET BAKER SONGBOOK)





   本作は、1978年カナダ・オンタリオ州トロント生まれ、21世紀のフランク・シナトラともいわれるヴォーカリスト、


   マット・ダスクのリーダー作。あこがれの存在であるチェット・ベイカーの没後25周年を記念してリリースされた、


   トリビュート作品となっている。しかしながら全曲がチェットの愛奏曲ばかりを採りあげているわけではなく、ダスクが


   言っているように・・・


   ”この作品は「チェット・ベイカー・ソングブック」と冠されていますが、この作品の目的はチェットの有名曲を収録することでは
    ありません。音楽に対するチェットの情熱を形にしてアルバムを作ったのです。
    収録曲の中には、チェットがあまり演奏しなかったものもあります。
    しかし、僕はチェットによるその曲に感動し、自分に影響を与えてくれた音楽に敬意を払うときが来るときには、
    まっさきにこの楽曲を選ぼうと思っていたのです ”


   アルバムは、80人編成のオーケストラを従え、大御所、トランペット、フリューゲルホーン奏者 アルトゥーロ・サンドヴァルが


   3曲(1、2、10)に参加、エミリー・クレア・バーロウ(vo)が4曲目に参加、グイド・バッソ(flh)が11曲目に参加、


   EDYTA GORNIAK(vo)が6曲目に参加、サラ・ガザレク(vo)が13曲目に参加、RYAN AHLWARDT(vo)が12曲目に参加・・・・


   と豪華なゲストが華を添え、ラスト3曲のボーナス・トラックも加え、全15曲で構成されている。


   つぶやくように歌うチェットの声質とは異なるけれど、一枚をとうして聴くとマット・ダスクの誠意みたいなものが伝わってくる。


   中でも、エミリー・クレア・バーロウと歌う「ENBRACEABLE YOU」、、RYAN AHLWARDTと歌う「I FALL IN LOVE TOO EASILY」


   は特に気に入っている。




1・MY FUNNY VALENTINE・・・2・TIME AFTER TIME・・・3・ANGEL EYES・・・4・EMBRACEABLE YOU・・・5・COME RAIN OR
  COME SHINE・・・6・ALL THE WAY・・・7・DEEP IN A DREAM・・・8・THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
9・THAT OLD FEELING・・・10・LET’S GET LOST・・・11・SOMEONE TO WATCH OVER ME・・・12・I FALL IN LOVE TOO
  EASILY・・・13・I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL・・・14・EVERYTHING HAPPEN TO ME
15・HOW DEEP IS THE OCEAN・・・





     MATT DUSK(vo)

     ADREAN FARRUGIA(p)
     REG SCHWAGER(g)
     ROSS MACLNTYRE(b)
     BEN RILEY(ds)

     THE SYMPOSIUM STUDIO SYMPHONY ORCHESTRA  他



    2012年1月 カナダ・トロントにて録音・・・

EMBRACEABLE YOU