つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

連翹忌

2015-04-03 12:14:09 | ジャズ


  きのう二日は、詩人高村光太郎の連翹忌だった。


  光太郎は晩年、東京・中野区のアトリエで自炊生活をしながら十和田湖畔を飾る裸婦像の制作を続けた。


  その庭には毎年、レンギョウの黄の花がたわわに咲いた。


  亡くなった日も、みごとに咲いていた。


  告別式の日、お棺の上には、詩人が日ごろ愛用したビールのコップがおかれ、一枝の庭のレンギョウがいけられたという。


  人びとは光太郎忌を連翹忌と呼ぶようになった。


  レンギョウの一つ一つの花はごく平凡で、きわだった特徴もないけれど、巨大な集合体になると、風を黄に染めるような存在感がある。



  鮮やかな黄の花びらが光りを浴び、光を吸い、光をはね返し、光と戯れているさまには陽春のはなやぎがある・・・・




     今日聴いたジャズ・・・



   STEWY VON WATTENWYL・・・「DIENDA」




   本作は、1962年スイス生まれのジャズ・ピアニスト、スチュイフォンワッテンヴィルのリーダー作。


   全11曲中、スチュイのオリジナル3、6、、表題曲の8「DIENDA」は、ケニー・カークランド(p)の曲、、他はお馴染みの


   スタンダードで綴られている。



   アルバム一枚をとうして聴いた印象は、スロー、、ミディアム、、アップテンポと様々に曲調を変えながら、それぞれの曲で


   アレンジ&解釈がユニークで凝ったものに仕上がっている。


   同じくスタンダード中心の作品、「COOKIN’ LIVE」と併せて聴いてみると愉しい。聴きやすさからいえば、”COOKIN’LIVE’”


   の方が聴きやすいかも知れないけれど、”面白味”は本盤の方がまさっているように感じる。


   いずれにしても、スチュイの作品は、魅力的なものが多い。



   ※ スチュイフォンワッテンヴィル


    ベルン音楽院でピアノを学び、1990年からジャズのキャリアを開始した。
    アートファーマーやクラークテリー、、ジョニー・グリフィンなどアメリカの著名ミュージシャンとの共演歴を重ねる。
    絶妙なテクニックとスウィング感を持ち、バビッシュな衝動を追及する独自なポジションは、ヨーロッパ・ピアノ・ジャズに
    新風を起こした。

    「アメリカバップ・スタンダードはこのトリオに引きつがれた、この10年間で最大の発見」と讃えられる。
    ライブでの圧倒的な演奏で、現在のヨーロッパ・ピアノ・ジャズのレベルの高さ、面白さを伝える。




1・MY MAN’S GONE NOW・・・2・I MEAN YOU・・・3・HOLD MY HAND・・・4・MY FAVORITE THINGS・・・5・BLUE IN GREEN
6・HELLBLAU・・・7・MY ONE AND ONLY LOVE・・・8・LULLABY OF BIRDLAND・・・9・REFLECTION・・・10・I’M GLAD
  THERE IS YOU・・・・



    STEWY VON WATTENWYL(p)
    DANIEL SCHLAPPI(b)
    REGGIE JOHNSON(b)
    TOBIAS FRIEDLI(ds)



        2004年8月5-7日録音・・・・