富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

きのこ部会講演会

2008年05月10日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

先週とは打って変わった寒い日(気温16℃)、中央植物園で「池田先生を囲んで」の講演会が催された。
ご存知、「北陸のきのこ図鑑」の著者で、富山の観察会にもたびたびお出でになる。
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冒頭に栗林さんからの挨拶があり、続いて先生のご自宅や普段の研究の様子・ライブラリ等を撮影した写真の紹介があった。
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●先生がきのこの研究を始めたきっかけは、終戦当時、アメリカ軍の占領下で紙飛行機を飛ばすことさえ許可されなかった理科の授業の中で、ぶらぶら野外観察で生徒が持ってくるきのこの名前が答えられなかったことに拠るそうだ。
●金沢大学に相談に行っても「きのこのような下等植物は扱わない」と門前払いを食らわされた。
など…研究を始めた当初のからのエピソードを紹介された。
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●最初に川村清一のカラー図入り図鑑を見て、彩色きのこ画を記録として残すようになった。当時はまともな絵筆も紙も無く、また、実践例も無く画材店に相談しながら試行錯誤を繰り返した由。原画は図鑑の掲載図画よりもはるかに美しい。
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「石川のきのこ図鑑」を出版するまで5年掛かった。石川で初めての横書きの原稿であった為に、ラテン語の学名などもめちゃくちゃの配置となった。また、絵の原稿を印刷したことも無かったので、この図鑑は石川の印刷技術の向上に少なからず貢献したものと思われる…と半ば冗談でおっしゃったが、率直な実感だと思われる。
池田先生の約1890種の標本の内、1400種が科学博物館へ移されることとなっている。石川にはその標本番号の対比表は残そうと考えておられるそうだが、残りの485種をどうしようかと思案の最中、そろそろきのこは卒業して好きな草木の栽培をやりたとのこと。聴講者からは、残りの種もきちんと整理が付くまで続けてもらいたい由、要望が出された。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎて行ってしまう。
結局、池田先生をきのこの研究へと突き動かしたものは、子供との約束と始めたらとことん極めなければ気が済まない性分のようだ。
これからも北陸のきのこ会をご指導して頂きたいと願うのは…身勝手と言う物だろうか?

講演会終了後、野沢さんの案内でキサケツバタケを観察に行った。このキノコは池田先生が一番最初に描かれたキノコだそうで、稀菌とのこと。
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同所に多数群生していた…ツバナシフミズキタケと思われるが、ひだの色がチョット異なるようで…調査中。
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「先生の一番お好きなキノコ料理は?」との私の質問に、「キノコは好んで食べない」とのお答え(^^;
伊藤家では、件のキサケツバタケはオーブングリルで美味しく頂いた。Dscn0134
因みに、池田先生いわく「北陸のきのこ図鑑」の食毒に関しては、かなり厳しく記述した由。食毒に関してはアレルギーのように個体差が大きい場合も有り、軽々に判断できないとのこと。先述のツバナシフミズキタケは「北陸のきのこ図鑑」では「有毒。幻覚性中毒の恐れ有り」となっているが…幼菌の会の「きのこ図鑑」では「小麦粉のようなにおいと味あり。食用。」とある。
伊藤家では毒抜きシャグマは食すれど、かくの如ききのこは食卓に上らない。
野澤さんご注意

_/_/_/_/_/ 伊藤春雄 _/_/_/_/_/


池田先生の講演会 ぜひおいでください!

2008年05月08日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
今度の土曜日(5月10日)は、池田良幸先生を囲んで講演会が行われます。
時間は午後1時から3時まで、場所は植物園の研修室です。
先生には「北陸のきのこ図鑑」につかわれた原画(本物は印刷のものよりはるかに素晴らしい!)を何冊か持って来ていただき、様々な話とともにお話を伺います。
またその後はいろいろな質問を通して池田先生ときのこの楽しい話を広げたいと思っています。
話はきのこの絵を描く(植物画)の話までいたるものと思います。
なかなか無い機会ですので、ぜひ多くの皆さんをお誘いください。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


第2回 定点観察会@薬勝寺池[E:sun]

2008年05月03日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様
薬勝寺池公園での第2回目の定点観察会が行われました。参加者は12名。長い間天気が続いていたので、きのこの発生が少ないのでは…と思われていたのですが、採取されたきのこは約30種ほどで、前回と同じくらいでした。
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ハナビラニカワタケ
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ウスヒラタケ
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タマチョレイタケ
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フミヅキタケの仲間
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竹の切り口に樹液酵母
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小さなきのこ
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最後に写真記録を行いました。
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⇒橋屋さんからのメール
植物園の橋屋です。
本日の薬勝寺池公園きのこ調査で採集された菌核付きのタマチョレイタケは、国立科学博物館の細矢さんが展示に欲しいと言われましたので、先ほどクール便でつくばへ送りました。
この秋に上野の科学博物館で行われる大菌類展で展示されるものと思います。11月半ばには個人的なツアーを計画していますので、ぜひ富山のタマチョレイタケの姿を見に行きましょう。
富山県中央植物園        橋屋 誠

前回観られた「小さなチャワンタケ」は観察されませんでした。観察会終了後、カタクリの群生地にも寄って見ましたが…こちらも、見つけることはできませんでした。
残念。
観察会の開始時間を10:00と誤ってお知らせしました。正しくは9:00からですので、次回も宜しくお願いいたします。
_/_/_/_/_/ 伊藤春雄 _/_/_/_/_/


第2回定点観察会

2008年05月03日 | きのこ

橋屋さんから第1回の観察記録が配布された。
番号は32番まで付いていて、標本番号、きのこ名、生育状況、採集者名、その他が記載されている。記録写真も一覧になって番号付けがされている。
 
タマチョレイタケ
[Polyporus tuberaster Pers.:Fr.]
「さあ~掘るぞ!」と気合を入れたら、橋屋さんがさっさと採取してしまった。菌核が地表面付近まで浮いてきていたようで、何の苦も無く採取されたそうだ。
Dscn0099材上生の固体も採取されたが、アミヒラタケとの区別は良く判らん。今までアミヒラタケと思っていたのはタマチョレイタケだったようで、富山県でもアミヒラタケは確認されていないとの事。

ヌメリツバタケモドキの仲間
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トガリフカアミガサタケ
[Morchella patula Pers.: Fr.]
四ツ木さんが2週間ほど前に採取されたそうだ。今年は2本しか確認されず、発生場所に案内して頂いたが何の変哲も無い、ただの斜面。
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もらい物の細竹(富山県ではススタケとよぶ)(ネマガリタケ)とサスの昆布〆Dscn0114ススタケの最も美味しい食べ方は⇒皮付きのまま焼いて蒸し焼きにし、(皮を剥いてから)生味噌を付けて食べる。御所望の方はご一報を!期間限定ですぞ。

橋屋さんの企画「ちょっとした話」の中で、指名手配のきのこ有り。
キツネノサカズキ
[Galiella japonica (Yasuda) Otani]
発生する環境は、県内に多いやや荒れた松林の地上で、5月~6月頃に松葉などの腐植の上に出るとされている。 イグチさんのHPに記述キツネノサカズキ有り。

「小さなチャワンタケ」も「謎のカタクリチャワンタケ」も確認できず、残念。これも来年の指名手配だ。