富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

毒抜きシャグマ試食

2008年04月21日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

昨日、念願のシャグマアミガサタケを食することができました。
前処理の記録
①きのこが脆いので、先ず一度茹でてからクリーニングすることにしました。
②煮沸1回目は、庭先に卓上ガスコンロを出して15分ほど…揮発性ガスというものだから、一応は気を使いました。お湯は白濁していましたが…砂のせいかどうか判然としませんでした。
③煮沸2回目は、いつの間にかガスの火が消えていたので(^^; 台所へ移して15分ほど⇒お湯はきれい。石突を取り除いてクリーニングしました。
④煮沸3回目15分間…なんだかシャグマの色素が分解されてる様子で、お湯が茶色になりました。
⑤煮沸4回目…チョットやりすぎと思いましたが…さらに15分間煮沸して終了。 そのまま水に晒しました。ここまで、先週の採取日に処理をしました。
Dscn0070
貧乏暇なしで…ずーっと水に晒されていたのですが、ハタハタの煮付けとともに出てきました。
Dscn0084歯ごたえはシャキシャキ、味はしょうゆ味…これは明らかに失敗料理でした。煮込むのならばシチューですよね!これで死んだら浮かばれないと言うものです。 それでも中型のやつを7~8個ほど完食しました。
残りのシャグマは乾燥保存でもしておこうかと思います。
所感:適切に処理すれば…美味しいきのこだと思います。ヨーロッパでは瓶詰めで売られている位ですから、あまりビビルのも如何なものかと思いますが、注意に越したことは無いでしょう。また一つ楽しみが増えました。

_/_/きのこより仕事に忙殺されている 伊藤でした_/_/


立山寺⇒吉峰

2008年04月19日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

フェーンのせいか暑い一日となりました。陽気に誘われて昼からきのこ探しに行ってきました。先ずは、上市町立山寺へ…マツカサチャワンタケが出ているのではと思いましたが、姿は見えませんでした。
コガネニカワタケと思われるますが…調査中。
Dscn0071
不明種
Dscn0073
何にも無いので、キブシを探しに吉峰へ回って見ました。ヒラタケが枯れ木に2枚出ていました。
Dscn0077
タラの芽やコシアブラが…今が旬
Dscn0078
美味しそうな?タマキクラゲ
Dscn0080
いつ何処にでもあるニガクリタケ
Dscn0083 日暮れまでうろついていたら、温泉に入る時間が無くなってしまいました。
_/_/_/_/_/ 伊藤春雄_/_/_. /_/_/


キサケツバタケ(黄裂鍔茸)

2008年04月15日 | きのこ
富山きのこクラブの皆様へ

昼休みに散歩中キサケツバタケを見つけました。
ツバが星型に裂けています。
【北陸のきのこ図鑑 P98~P99】
植物園へ持っていったのは4月14日、写真は4月15日撮影です。
Photo Photo_2 Photo_3 食したところ、食感はエリンギに似ていますが、少しやわらかく感じました。

以下 橋屋先生からのメールの一部を転載します。

『野澤さんへ
植物園の橋屋です。
昨日はきのこを持って来ていただきましてどうもありがとうございました。
その後いただきましたきのこを検討しましたところ、種としてはサケツバタケで間違いのないものの、種以下のレベル(この場合は品種のレベルで、母種とは色が異なる)で、キサケツバタケとしたほうがより良いかと思います(どちらも食用)。
サケツバタケ
(傘の色は、赤褐色(~ぶどう酒褐色)または暗褐色
Storopharia rugosoannulata Farlow in Murrill f. rugosoannulata
キサケツバタケ
(傘の色は、にぶい黄色)
Storopharia rugosoannulata Farlow in Murrill f. lutea Hong
  富山県中央植物園  橋屋 誠 』

_/_/_/_/_/ 野澤 眞一 _/_/_/_/_/

ブナハリタケの料理法

2008年04月14日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
先日送られてきた日本菌学会ニュースレターに、広島の井本さんが撮られたブナハリタケの写真が載っており、この説明文の中に井本さんがブナハリタケの料理のことも書いておられます。
「(ブナハリタケは)料理方法を選ぶ茸で、特に唐揚げにすると鶏肉と間違える程美味い。」とあります。
橋屋が知っているブナハリタケの料理は、一度ゆでたきのこに繊維を切る方向に包丁を走らせ、堅く絞ったものにゴマ油と醤油、砂糖を入れて空炒したもので、佃煮風になります。
今年は井本さんのアイデアをいただいて唐揚げにチャレンジしようかと思っています。(因みに、このニュースレターには昨年秋に富山で行われた菌学会フォーレの採集リストが載っています。)

そろそろ山菜のシーズンに入ります。
先日、近くの雑木林に入りましたが、幹の半ばくらいで切られたタラノキを見つけました。人より早く採集するため、枝を切って持ち帰り室で芽をふかせるのだと想像しますが、ちょっとかわいそうですね。
私は取り残しのタラの芽とコシアブラの芽をいただいて帰りました。その夜のビールは山菜の天ぷらで多いにすすみました。また太ったかな?

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


お目見えアミガサタケ

2008年04月13日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

今朝、ソラとの散歩道にアミガサタケが出ていました。例年、沢山出るのだけれど…今年は3個しか見えませんでした。
Dscn0048
午後、七尾へシャグマアミガサタケを観に行きました。モミ林の中では、ぜんぜん発生が見られませんでしたが、道路の法面には結構出ていました。チョット遅かったかも知れません。
Dscn0055
Dscn0065
モミの林の下ではクロチャワンタケが出ていました。
チャワンタケといえば…例の「小さなチャワンタケ」について橋屋さんのコメントがあり『井口君の見るところはCiborinia gracilipesという種類ではないかとのことで、この種はコブシやタムシバなどの花に菌核を作るという話でした。ツバキノキンカクチャワンタケのように翌年も花の残骸が残らないため、なかなか着いた花を決めにくいそうです。』との事です。
Dscn0058
付近の杉の造林地の切り株には、フクロシトネタケの幼菌?が見られました。
Dscn0060
別の切り株にはマンネンタケが3本、立っていました。
Dscn0064
同じような場所に、ミイノモミウラモドキも見られました。
Dscn0063
1
胞子はテトラポットの様な形をしていて、「北陸のきのこ図鑑」では学名が Entoloma conferendum (Britz.) Noordel.(E.(Rhodophyllusの誤りだそうです) staurosporus (Bres.) J.Lange)とカッコ付きで表記されています。「staurosporus」は「星の様な胞子」の意味で、なかなか良い形容だと思うのですが…橋屋さんに尋ねてみました。
『これは、Entoloma conferendum (Britzelm.) Noordel., Persoonia 10(4): 446 (1980) Basionym(最初の記載の時の学名)が、 Agaricus conferendus Britzelm. 1881だったのに対し、Rhodophyllus staurosporus (Bres.) J.E. Lange (1929),は、後から付けられた名前だったために、 (= Entoloma conferendum var. conferendum),とするのが良いということです。
間違い(異名=シノニム)であろうがなかろうが、いったん使われたstaurosporusという種形容詞は同じ属の中では使えないというのが規則(命名規約)ですので、良い名前ながら新たに見つかった種類にこの言葉を使うことはできません。』とのこと。
また、シャグマアミガサタケについては
『富山でもどこかでシャグマアミガサタケが見られないでしょうか?
京都や奈良では雑木林が茂ってやや暗くなったような、谷のような斜面にポツンと出ていたシャグマを見たことがあります。こんな環境なら富山にもいっぱいありますが、春の山菜採りの時にも気にしているものの、まだ見たことがありません。
山菜と言えば、先週の土曜日近くの雑木林へ出かけたところ、タラの芽はほとんど先に採られていましたが、コシアブラの芽が採集適期でした。
これからは皆さんも山菜採りに山へ出かけられる日が続くものと思います。』との事でした。

_/_/_/_/_/ 1週間遅れの伊藤春雄 _/_/_/_/_/