とても楽しい2日間だった。糟谷さんの講演メモそのたを残しておく。不明な部分や曖昧な点は追々修正する事とする。
ハナサナギタケ[ Paecilomyces tenuipes ]
初めて見た冬虫夏草。発生している環境も把握できた。
コムラサキシメジ[ Lepista sordida ]
初見参。
ヒカゲシビレタケ[ Psilocybe argentipes ]
何度かお目にかかったことのあるきのこ。瞬く間に姿が見えなくなった。速やかに処分された様子。
ベニタケ属の一種
FeSO4溶液でピンク色に変わった。ベニタケ属の同定には重要な呈色反応とのこと。
顕微鏡が置かれて、1つのコーナーになっている。
糟谷さんの講演会
氏の研究テーマは、分類学・系統学の分野では腹菌類、乾燥地(チュニジア)におけるきのこの多様性。生態学の分野では、砂浜海岸のきのこ、ザラミノシメジ属菌の生存戦略。
①Crinipellis
ニセホウライタケ[Crinipellis stipitaria (Fr.) Pat.]とカヤネタケについて
②スナジホウライタケ[ Marasniellus mesosporus ]
「カヤネダケ(川村)」、ハマニンニクに対する病原性の検証。
③スナジコザラミノシメジ[Melanoleuca nasilis ]
石川県/羽咋市で採取(食)。 菌子束にシスチジアあり。シスチジアの生態学的機能は良く判っていない。微細構造。ブラーの観察。シスチジアに土壌中のヒメミミズ類に対する致死効果がある。先端の微小物質を収集し(トビムシの)幼虫をおくともだえ苦しむ。
④スナジガマノホタケ[Typhula mantima T. Hoshino ]
⇒スナハマガマノホタケ
[Typhula maritima T. Hoshino, Takehashi & Kasuya]
(2008.7.17 糟谷さんのご指摘により修正)
汀線(波打ち際のことだそうだ)に近いハマニンニク群内に20~40mmの子実体ならびにΦ5mmの菌核を作る。雪の降る所にしか発生しない。菌核が波に漂って浜辺に打ち上げられ、発芽すると思われ…そうするとこのキノコは海流分散している可能性がある。
⑥ウスイロドングリタケ[ Disciseda candida ]
⑦シロクモノコダケ[Arachniom album ]
近畿地方でしか見つかっていない。
⑧アバタケシボウズタケ[Tulostoma adnaerens Lloyd ⇒?]
⇒[Tulostoma adhaerens]
(2008.7.17 糟谷さんのご指摘により修正)
菌子束がマット状に広がる
⑨ヒヨリヒメツチグリ[ Geastrum kotlabae ]
外皮に著しい吸湿性を有し、柄を欠き、内皮にひだ状の孔縁盤を有するという肉眼的特徴がある。富山市八重津浜での採取記録あり。この仲間は孔縁盤が同定の一つのポイント。
⑩アカダマスッポンタケ[Phallus hadriani Vent. ]
北海道にしか確認されていない。「新潟のきのこ」に記載があるが、サンプルが無い。
⑪コナガエノアカカゴタケ
ツマミタケ属Lysurusへ行ったほうが良い
⑫アカダマノオオタイマツ[ Phallus rubicundus ]
⑬スナヤマチャワンタケ
子実体のフェノロジー(⇒意味不明)
フェノロジーというのは,生物季節と訳します.きのこの場合,子実体がいつ,どのような条件で発生するか,ということを調べることです.
(2008.7.17 糟谷さんのコメント追記)
最後は駆け足だったが、糟谷さんの研究内容についての講演は大変興味深い内容 だった。自分の記録が不十分なのが惜しまれる。
クロホコリタケ
[ Lycoperdon nigrescens Wahlenb.:Pers.: ] ホコリタケの形態的な特徴は、3種類のトゲが有る事。1つは表皮上面の大きな円錐状のトゲで一番目立つ。2つ目は大きなトゲの周りに生えている小さな円錐状のトゲ。3つ目は外皮の下方に有るつぶれたような疣。クロホコリタケは幼菌の頃からトゲが黒いこと、胞子がより粗面であることからホコリタケと区別するそうだ。