富山きのこクラブ

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今度はツクツクボウシタケ

2008年07月15日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
今日金子さんが植物園へ先日(7月12日)に氷見市上田にある上田神社で採られた冬虫夏草を持って来られた。
採られた時には写真を撮っておられ、その画像を一足先に見せてもらっていたが、その写真にはセミの幼虫から出た白いカビ状のきのこ?が写っていたので、カミキリムシやバッタなどによく見られる白きょう菌類(ボーベリアの仲間)が寄生した「虫カビ」ではないかと思っていた。
しかし今日、実際に標本を見せていただき、小さな白いカリフラワー状をした頭には、短いなりにしっかりした柄が付いており、これからセミの仲間から発生するツクツクボウシタケであることがわかった。
このきのこはセミのツクツクボウシやアブラゼミの終齢幼虫から発生するが、私はセミの知識がないためこのきのこの出ているセミがどんな種類であるか判断ができない。しかし、標本にはセミの前足にあるシャベル(前足の先が特殊化して土を掘るのに適した部分)があるため、専門家に尋ねればセミの種類はわかるものと思う。
富山県ではツクツクボウシタケの発生は初記録で、石川県では能登島や金沢市の大乗寺山、兼六園で発生が確認されているものの、かなり珍しいきのこに当たる。

昨日このHPに書いたマイヅルナガエムシタケと言い、今日のツクツクボウシタケと言い、富山県にとって珍しい冬虫夏草がいろいろ見つかる年である。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/