深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

本田健のQ&Aセミナーに行く

2010-10-10 01:17:22 | Weblog
本田健の半日Q&Aセミナーに出た。これは参加者の中からくじ引きで数人の質問者を決め、その人が自分の抱える様々な問題を質問し、それに健が答える、というもので、健のやっている数多くのセミナーの中でも呼び物の1つである。健の通常のセミナーの中にもQ&Aコーナーはあるが、このQ&AセミナーはそのQ&Aコーナーだけを独立した1つのセミナーにしてしまったものだ。

この手の多くのセミナーでは、まず講師が何事かを解説し、そこでの疑問点をQ&Aのコーナーで解決する、という体裁を取る。当然、セミナーの核は講師による解説の部分であって、Q&Aコーナーは単なる付け足しに過ぎないし、解説なしのQ&Aコーナーというのもあり得ない。と言っても、中にはQ&Aコーナーで講師の解説と関係ない個人的なことを質問するヤツもいて、そういう時は会場が「そんな質問は休憩時間にでも講師に個人的に聞けよ」という空気が広がる。それは、そこでのやり取りが質問者と講師の2人の間だけのものになってしまうからだ。

対して健のQ&Aコーナー/Q&Aセミナーでは、立体話法という形で、ある特定の人からの個人的な問題についての質問をそこにいる人全員の心に響くように答えるところが、他と大きく違う。もちろん「全員の心に響く」というのは、美辞麗句を連ねて感動的なことを言う、ということではない。ある個人の問題に対する回答が、同時に参加者1人ひとりが抱える問題を解くヒントにもなるようにする、ということ。

この立体話法について健はセミナーの中でも具体的な方法は話してくれない(注)が、様々なところでの健の言葉を寄せ集めると、大きく2つの要素からできているようだ。

(注)いわゆるセミナーとは別にやっていた、メンター・プログラムの中では、あるいは教えていたのかもしれない。ちなみに、現在メンター・プログラムは行われていない。

1つは人間のタイプ分類。健のタイプ分類は、人間をポジティヴ型とネガティヴ型、そして自立型と依存型の組み合わせ、つまり2×2=4タイプで見ることが基本となっている。そして、そのタイプごとに響くフレーズがある、というのだ。例えばポジティヴで自立型の人は「へ~凄いですね~」のように人から賞賛されることを好み、ネガティヴで依存型の人は「あなたでも大丈夫ですよ」のように人から承認をもらうことを望んでいる、というように。
この4タイプを基本に、これまでの講師経験なども踏まえてだと思うが、「自分の中には20数タイプの分類パターンがある」と、今回のセミナーで健は言っていた。だが、立体話法とは単なるタイプ別の言い回しのテクニックではない。

立体話法を構成するもう1つの要素は、「人は深いところで皆つながっている」という考え方だ。これはユングの言う集合的無意識とも多少共通するものがあるかもしれないが、人の抱える問題というのは表面上は異なって見えていても、根本を辿っていくと大きな1つの問題に集約されるのだという。──パートナーシップの問題に。

夫婦や親子の間の不和など最初からパートナーシップの問題として上がっているものはもちろん、近所や職場の人間関係の問題もそのバリエーションであると同時に、それが見事に当事者それぞれの家族関係の反映でもあったりする。ビジネスやお金の問題にしても同じで、成功やお金を求める心の裏側にあるのは、誰かを見返してやりたい、誰かに認められたい、誰かに受け入れてもらいたい、というパートナーシップの問題である。健康の問題にしてもそうだ。これに関しては、体の細胞同士は互いに連絡を取り合いながら全体として1つの秩序を構成しているが、それに対して他の細胞との連絡を失い無秩序に増殖していくのが癌細胞である、という事実は非常に示唆的ではないだろうか。

今回、冗談交じりに健が語ったところによると、このQ&Aセミナーには2つの疑惑がささやかれているらしい。1つは、質問者との短いやり取りの中で健が質問者の人となりだけでなく、過去に人生でどんな経緯を辿ってきたかを言い当ててしまうことから「“本田健=超能力者”疑惑」。そして、くじでランダムに質問者を決めているのも関わらず、毎回全ての質問に健が納得いく答を出してしまうことから、あらかじめ質問者と質問内容を仕込んでおくのだろうという「やらせ疑惑」。しかし、上に述べた立体話法を形成する2つの要素を考えれば、健が超能力者である必要はないし、サクラを仕込んでおく必要もないことがわかる。

ただ(私も健単独のセミナーを受けたのはまだ3回くらいだが)毎回Q&Aで出てくる質問の内容がビジネスの問題、お金の問題、夫婦間の問題など、本当に仕込んだかのように見事にバランスが取れていることにいつも驚かされる。逆に言えば「問題というのは結局のところそれかぁ…」ということだ。なおかつ健は表面上の質問から、その裏に隠された本当の質問/問題を炙り出していく。この部分が健のQ&Aの最大の醍醐味の1つだ。

Q&Aセミナーは参加者個人のプライバシーに直接関わるため、具体的な内容をここで書くことはできないが、今回特に印象深かったのは、仕事上のトラブルに関する質問だったはずが夫婦のパートナーシップの問題にリンクし、(健自身は明には言わなかったが)クリアリングを使ってそのパートナーシップを再構築するところまでを一連のワークとして実際に見せてくれたことだ。これを見れただけで受講料の元は取ったなと思う。
──無意識を明確な意識に変えない限り、それはあなたの歩みを誘導していくことになる。それを人は運命と呼ぶのである。
(カール・グスタフ・ユング)

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