深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

ズルいやり口

2005-11-05 08:13:05 | 業界のウラ事情
最近知ったことだが、治療院の中には、初診で来た人にすら、ろくすっぽ問診もせず、いきなり治療を始めるところがあるらしい。そういうところに限って、患者から「何が原因なんですか?」と聞かれると、判で押したように「姿勢が悪いから」「背骨が歪んでるから」「骨盤が歪んでるから」という答が返ってくるという。

以前から、ろくすっぽ検査もせずに、いきなり治療を始める治療院がある、ということは知っていたが、問診さえマトモにやっていないところがあるとは、驚きを通り越して呆れるほかない。

もちろん、そんな治療院がやる/やれることと言えば、ただひたすら時間いっぱい揉むか、脊椎を適当にボキボキ鳴らすか、サプリメントを売りつけるか…といったところ。

患者も本来なら、おかしいと思ってしかるべきだと思うが、病院の3分診療に毒されてしまっている?のと、「原因は?」と聞いて「姿勢が悪いからだ」「背骨が歪んでるからだ」などと堂々と言われてしまうと、「ああ、やっぱりそれか」となってしまうのだろう。私だって、自分の姿勢が自慢できるほどいい、なんて少しも思わないし、腰椎だって歪んでる(だからといって、別に腰痛などはないけれど)。

とにかく「言われてみれば、思い当たらないでもない」という類のものだから反論できず、逆に引きずり込まれてしまうのだ。相手が全面的に反論することのできない理由を並べ立てて退路を断ち、自分の側に来ざるを得ないように仕向ける。ズルいやり口だ。

こういうセールスのやり方は、以前、会社員をしていた時、休み時間になると現れる保険屋のオバチャンで、いい加減辟易している。
「ホラ、あなただって、この先いつ何時、何が起こるかわからないのよぉ。そうなってしまったら、病院の払いなんかどうする気? それに、もし仮に事故か何かで突然亡くなったりしたら、残されたご家族はどうなるのぉ? …」
人間、生きてる限り、いつ何時何が起こらないとも限らないのは事実だし、それ以上に絶対確実なのは、いつかは必ず死ぬってことだ。だから、それをネタに迫られたら、反論の余地はない。で、気がついたら保険の契約書を書いていることになる。

まあ、保険屋の件はさて置いて…
確かに姿勢は大事よ。背骨だって骨盤だって、歪んでいないに越したことはない。だけど、それが本当に全ての原因? 仮にそうだとしても、患者の話も聞かず、調べても見ず、なぜそんなことが言える? そりゃあ、達人と言われるレベルの治療家なら、そのくらいのことは見ただけでわかるかもしれない
。しかし、達人なんてそうゴロゴロいやしないっての(自称達人はいっぱいいるけど、ね)。

治療に関しては、問診も検査もおざなり/全くなしに、姿勢が、歪みが…などと言うところは、一度疑ってかかった方がいいかもしれない。それ以外のところは(私のところも含めて)問題ない、とは言わないけれど、これを知っていれば、少なくとも最低のところだけは避けられるだろう。

なぜ、そういった治療院は問診さえしないのかって? それは、聞いても対処法がわからないから。つまり、結局やれることは、汗をかいてひたすら揉む、痛いと言われたところに鍼を打つ、などといったワン・パターンの治療しかないので、それ以上のことは聞いても無駄、ということなのだそうだ。
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