深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

2023年夏アニメの感想と評価 1

2023-10-02 09:38:54 | 趣味人的レビュー

2023年夏アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この記事では6月末まで放送を終えたものについて述べる。この「1」は秋期も放送が継続される作品を取り上げる。ただ『青のオーケストラ』は10月も放送が続くものの10/8が最終回で、それをここに入れるのは筋違いのように思うので、それは9月末までに放送を終えた作品と一緒に「2」に入れる予定。

ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。

以下、並びは50音順で、評価はA~E。

『呪術廻戦』2期「壊玉・玉折、渋谷事変」第1クール

『呪術廻戦』2期は過去編となる『劇場版 呪術廻戦0』を挟んで、その『0』より更に前のエピソードである「壊玉・玉折」と、1期からの続きである「渋谷事変」からなる。そのうちの「渋谷事変」がまだ途中で、このまま秋期に続く形となるのだが、1期、『0』、そして2期のここまで放送された分で、あるサプライズ?が仕掛けられていたことが判明した。このサプライズはミステリでは「叙述トリック」に当たると言ってもいいものなのだが、狙ったような驚きを視聴者に与えられたかどうかは正直、疑問だ。私も意味が分かるまでに結構な時間がかかった。ミステリの中にも、トリックが大技過ぎて読者にはそれがトリックであることすら分からない、というものがあるが、それに近いかもしれない。
夏油傑(げとう すぐる)が闇落ちするまでの経緯を全3話で描いた「壊玉・玉折」は、それなりに見応えがあって、1エピソードは3話くらいでやってくれた方が見やすいと思った。
評価は「壊玉・玉折」はB-~B、「渋谷事変」は9/末時点まででC+~B-。

『ダークギャザリング』第1クール

今期最大の拾いもののホラーアニメ。こけおどしのような薄っぺらいホラーが巷に溢れる中、この『ダークギャザリング』は見かけ倒しでなない、病んだ空気感と薄気味悪さをしっかりまとっていて、ちゃんとしたものを作ろうというスタッフの本気度が感じられる(製作はOLM)。しかも、こういうホラー作品は回を重ねていくと話がワンパターンになってしまうものだが、『ダークギャザリング』ではそれが上手く回避されている。尺の都合からか毎回、前話の振り返りが長くてイライラさせられるが、物語の面白さはそれを補って余りある。
霊障を受けたことをきっかけに引きこもりになっていた主人公、幻橙河蛍多朗(げんとうが けいたろう)は一念発起して難関大学に合格し、家庭教師のバイトを始める。その蛍多朗が担当することになったのは、霊媒体質で現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)を同時に見ることのできる4つの瞳を持つ小学生、寶月夜宵(ほうげつ やよい)だった。心霊スポット巡りを繰り返す夜宵に同行することになった蛍多朗は、夜宵とともに強い霊を集めるため、異界へと深入りしていくことになる。
最近のホラーアニメでは『見える子ちゃん』も面白かったが、この『ダークギャザリング』は『見える子ちゃん』をよりえげつなくした感じ。主要な登場人物がそれぞれ、いい塩梅に狂ってるのもいいし、夜宵が悪霊を狩るために持ち歩く武器がバールというのもポイント高い(そういえば『陰の実力者になりたくて』の主人公もバールを使ってたな。今、バールが「来て」るのか?)。ただ話が進むにつれてバールが使われなくなって、私としてはちょっと残念。
評価はB+~A-。

『るろうに剣心』第1クール

昔(というのは1994~99年)「週刊少年ジャンプ」に連載され、過去にアニメ化、実写映画化された作品のリメイク版。私は原作も旧アニメも見たことがなく、実写映画も第1作を見ただけで、内容もほとんど忘れかけているので、原作や過去の映像化と比べてどうかということは分からないが、今回のリメイク版を見て思うのは「いかにも昔の『ジャンプ』の作品だな」ということ。ビジュアル面を含めたキャラクタ造形、ストーリー展開、…どれをとっても“いかにも昔の「ジャンプ」作品”といった感じで、正直、今これをアニメ(それも深夜アニメ)としてリメイクする意味があるのか?と思う(実は続編となる「北海道編」が「ジャンプSQ」で連載されていて、今回はそれを視野に入れてのアニメ化らしいのだが)。
幕末、「人斬り抜刀斎」の二つ名で呼ばれ怖れられた無敵の剣士、緋村剣心。その後「不殺の誓い」を立て、るろうに(流浪人)として明治の世を生きる彼だが、その周囲では「幕末の亡霊」のような者たちがうごめき出す。こうした物語が再び作られる、というのは、もしかしたら世界が再びテロルと暴力の時代へと向かっていることを示唆しているのかもしれない。
なお余談だが、このアニメを見ていてセリフの中に「新選組一番隊組長」という言葉が入っていて「おっ!」と思った。歴史関係の書籍でも「新選組一番隊隊長」などと書かれているものがあったりするのだが、「組長」が正しい。原作からそうなっているのか、今回のアニメ化に当たってそうしたのかは知らないが、ちゃんと勉強してるなー、と。こういう細かいところをおろそかにしないことが、物語を強固なものにするのだ。
冒頭で“いかにも昔の「ジャンプ」作品”だと書いたが、決してつまらないわけではないので、評価もC+。


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