深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

カバラと「生命の木」 28

2022-04-16 19:07:01 | 心身宇宙論

「カバラと『生命の木』」の第28回。今回から話は第9セフィラ、イエソドへと移る。

イエソドの象徴体系は矛盾する両面からなる。一方は強固に確立された宇宙の基盤としてのイエソド(実際、イエソドの魔法イメージは力強い裸の男性であり、神名のシャダイは「全能」を意味する)。そしてもう一方は非常に流動的で常に変動する状態にある月、水の属性を持ったイエソドである。

この矛盾を調和させるものがイエツィラー文に見出される。すなわちイエソドは「流出を浄化する。それは流出の表現の設計を検閲し訂正する。また、その表現が設計されている統一性を減少することも分割することもなく配置する」。これが意味することは、ホドにおいて「設計」され「表現」された混沌として流動的な水が、イエソドにおいて「検閲」され「訂正」され、「統一性」を損なうことなく「配置」されるということであり、これがイエソドにおける霊的体験──宇宙の機構の霊視と呼ばれる──である。ゆえにイエソドは宇宙の機構の天球とも呼ぶことができる。

イエソドは上位全てのセフィラからの流出の受容器であり、それらを物質界であるマルクトへと送り出す役割を負う。流出を浄化し検閲し訂正する、というのもそのためであり、イエソドでは物質の設計の統一性を配置するあらゆる作業が行われる。つまりイエソドは物質界に作用するどんな魔術にとっても欠くことのできない天球なのだ。

ここで注意を払わねばならないのは、天球は全てそれの持つ性質に従って作用するのみであって、その性質自体はどのような魔術的、奇跡的な力を持ってしても変えることはできない、ということである。我々にできるのは、ただ「表現」の「設計」を「訂正」することだけで、魔術的な手法で物質界の法則を勝手に改変することはできない。

霊は物質に直接作用するのではない。霊は心を通じて作用し、心はエーテルを通じて作用する。エーテルとは物質の骨組みであり生命の媒介物であり、魔術による奇跡的、超自然的な出来事はエーテルを通じて、あるいはエーテルを操作することによって、引き起こされる。物質への作用はエーテルの持つ性質の範囲内で行うことができる。だからエーテルの作用の結果、引き起こされるものを、神や悪魔、死霊などの活動に帰する必要はないのである。


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