深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

失われたもの

2019-07-20 23:08:19 | Weblog

まず四の五の言わずにこれを見ろ! これは京都アニメーション制作によるアニメ『響け!ユーフォニアム』の1シーンだ。音楽アニメでは曲の一部分の演奏シーンを描くことはよくあるが、1曲丸々の演奏シーンを、このクオリティでアニメ化するような制作会社は京アニくらいしか知らない。

報道によると、7/18の午前10時頃、1人の大バカヤロウが京都にある京アニ第1スタジオに侵入し、ガソリンを撒いて火を付けた(犯人の実名は既に警察発表されているが、そんなものをここに書く気はない)。気化したガソリンは爆発的に炎上して一気に1階部分に燃え広がり、更に3階まで貫くように設置された螺旋階段が煙突のようになって、有毒ガスが非常に短時間のうちに上階にまで広がったようだ。

民放の昼のあるニュースバラエティで、ゲストコメンテーターとして呼ばれた元消防関係者が、螺旋階段があったことが被害を拡大させたとして、「法令違反とは言えないが、なぜ螺旋階段なんかにしたんだ」といったことを述べていたが、普通、オフィスを設計するに当たって、突然何者かが侵入してきてガソリンを撒いて火を付けることがある、などということは想定しない(軍事施設ならばそうした想定もあるかもしれないが、京アニはアニメ制作会社だ)。

7/20現在、判明している被害は、第1スタジオの建物がほぼ全焼し、死者34人、重軽傷者35人。犯人は建物の外で大火傷を負った状態で警察に確保された。その際、動機について「(京アニに)小説を盗まれた」といった趣旨のことを言っていたらしいが、それらしい事実は確認できておらず、犯人の一方的な妄想だった可能性が強い。
その大バカヤロウの愚かな行為によって失われたのは、そうした数字では表すことができない。何より大きな損失は、スタッフが「京アニクオリティ」と呼ばれる質の高い作品を生み出すために培ってきた技と経験と知識そのものだ。時間に裏打ちされて蓄積されたそうしたものは簡単には戻らない。そのことが無念でならない。

私は普段は大きな事件や事故の報道を見てもほとんど心が動くことはなくて、大抵淡々としているのだが、アニメ好きで京アニ作品もかなり見てきたせいか、今度の京アニ放火事件では事件からほぼ3日経った今も動揺が収まらないでいる。


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